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毎度毎度の職員会議。
ここの所、2日に一度のペースで行っている。
何時もは、小一時間程で終わるのだが、今日のは長かった。
内容は…、と言うと、ある教科の全国テストの平均点が著しく低かったそうだ。
うちの学校だけ。
それについての、お小言と対策。
教室に顔を出すと言う、生徒との約束を思い出したのは、職員会議が終わって、暫くたった頃だった。
もう、6時を過ぎている。
…と、言う事は会議は2時間程あったのか…。
時計を見て思う。
『もう、居ないだろうな…。』
『1時間程』と言う、約束を破ったのだからしょうがない。
それでも、真面目な生徒だったら。
もしかしたら、律儀に待っているかもしれない。
教員室の窓からは、微かに部活動に励む下級生徒達の声が聞こえる。
まだ、生徒が残っていてもおかしくは無い時間帯。
『…、見に行くか。』
一応。
どっこいしょ、と自然に出てしまう自分の声に気が付かないフリをして、俺は、誰も居ないであろう教室に向かった。
残っているのは、大会を前にした運動部だけ。
受験を控えた三年生の校舎には、生徒達の姿は見えない。
校内は電気も点かず、日の届かない廊下や階段はもう既に、ほの暗い。
冬に向けて、日も短くなっているのだろうか。
何となく、寂しい気持ちにさせる。
【三年二組】
通い慣れた(当たり前か)担当クラスの教室のドアを開ける。