6. 初のレベルアップ
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名前:行島千秋
種族:人間Lv7 SP:92
状態:通常
HP:54/54 MP:30/66
攻撃力:18+8 敏捷:20-3 防護:8+5(盾18)
魔力:21 知力:23
特性
『ヘルプ』『スキルポイント』『取得経験値2倍』『技魂』『武術の才能Lv14/20』『魔導の才能Lv15/20』『力魔法適性』『闇魔法適性』
特技
『剣術Lv4/20』『盾術Lv3/20』『闇魔法Lv1/20』
魔法
『ダークミストLv1/20』
スキル
『ステップLv2/20』『スラッシュLv3/20』
称号
『異世界人』『ミラクルボーン』『自由人』
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ステータスが大幅に上がっている。
特に素の攻撃力は二倍。見ていて気持ちが良すぎる。
体の感覚としても、身体能力が劇的に向上したことがはっきりと分かる。
まるで重りが外れたように体が軽い。
腕を振れば筋肉がしなやかに反応し、地面を蹴ってみても足の力みが軽くて済む。
剣も、初めて手にしたときは慎重に扱わないと手首を痛めそうだと思ったが、今ではこの重さがちょうどよく感じる。
スキルポイントが92も手に入ったのはチート。
能力取得に必要なポイントが1とか2とかでそれほど高くないことを考えれば、これだけで相当な数のスキルを習得できる。
正直、この能力がちゃんと強いことが分かってほっとした。
最初は本当にこれで強くなれるのか結構不安だった。
……スキルポイント割り振る前に、この蛇とネズミの死体は片付けておこう。
特にネズミは病気を持ってるらしいし、入り口近くに死体を放置しておきたくない。
粘り気のある赤黒い血が不気味で、手で触れたくないから剣越しで運ぼう。
本当は剣にもつけたくないけど仕方ない。
巻き付いたまま絶命した蛇と一緒に片付けようと、ネズミの体に剣を突き刺し、持ち上げる。
赤黒く粘った血が刺した場所から滲み、剣身をゆっくりと伝う。
蛇はすでに筋肉が弛緩していたのか、あれほどきつく巻き付いていた体が自然にほどけた。
......地面に擦り付けるだけじゃ、病原菌は落ちないよなぁ。
もちろん寝るときは剣を枕元に置くつもりだから、病原菌まみれのままにはしたくないんだよね。
幸い近くに川があるし、そこで洗い流すか。
下流が可哀そうだけど、僕の状況はもっと可哀そうなんだから許せ。
一応病耐性だけ先にLv7まで取っとこう。
なんか怖くなってきたし、人里にたどり着いた後も腐らないだろうから。
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残りのスキルポイント:76
特性
『病耐性Lv8/20(4)【NEW!】』、『毒耐性Lv1/20(2)』
基本特技
『剣術Lv5/20【NEW!】』(3)、『盾術Lv4/20【NEW!】』(2)、『斧術Lv1/20』(1)、『槍術Lv1/20』(1)、『鎖術Lv1/20』(1)、『体術Lv1/20』(1)、『弓術Lv1/20』(1)、『調教術Lv1/20 (1)』
魔法特技
『闇魔法Lv2/20』(1)、『力魔法Lv1/20』(1)、『雷魔法Lv1/20』(1)、『風魔法Lv1/20』(1)、『氷魔法Lv1/20』(2)、『炎魔法Lv1/20』(2)
特殊魔法特技
『魔法規模拡大Lv1/20』(1)、『魔法制御Lv1/20』(1)
魔法
『ダークミストLv2/20』(1)、『フェティシズムLv1/20』(1)、
基礎スキル
『ステップLv3/20【NEW!】』(2)、『ダッシュLv1/20』(1)、『ジャンプLv1/20』(1)、『集中Lv1/20【NEW!】』(1)
体術スキル
『パンチLv1/20』(1)、『キックLv1/20』(1)
武器術スキル
『スラッシュLv4/20【NEW!】』(2)、『ストライクLv1/20【NEW!】』(1)、『スマッシュLv1/20【NEW!】』(1)、『受け流しLv1/20【NEW!】』(1)
盾術スキル
『シールド・ガードLv1/20【NEW!】』(1)、『パリィLv1/20【NEW!】』(1)
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スキルポイント表も更新されてる。
『フェティシズム』は、前回闇魔法Lv1を取った時に追加されてたから【NEW!】がついてない。
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『フェティシズム』
【闇魔法の初級魔法の一種。
範囲内に居る敵が抱いている興奮の感情を一時的に固定、増幅させる。
効果は短時間かつ抵抗されやすいが、集団戦などで敵の判断力を削ぐのに有効。】
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とりあえず今回は、今特に不足してる近接戦闘スキルを充実させることを優先する。
魔法は、今後余裕が出てきたら取得することにしよう。
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蛇とネズミは片付け、洞穴の中も少し見て回った。
はじめ洞穴を見かけたときは真っ暗で奥行きも分からなかったが、実際に入ってみると意外に狭く、すぐ行き止まりに突き当たった。
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名前:行島千秋
種族:人間Lv7 SP:14
状態:通常
HP:54/54 MP:32/66
攻撃力:18+8 敏捷:20-3 防護:8+5(盾18)
魔力:21 知力:23
特性
『ヘルプ』『スキルポイント』『取得経験値2倍』『技魂』『武術の才能Lv14/20』『魔導の才能Lv15/20』『力魔法適性』『闇魔法適性』
特技
『剣術Lv7/20』『盾術Lv6/20』『闇魔法Lv1/20』
魔法
『ダークミストLv1/20』
スキル
『ステップLv5/20』『スラッシュLv5/20』『シールドガードLv5/20』『集中Lv5/20』『ストライクLv5/20』『ダッシュLv5/20』
称号
『異世界人』『ミラクルボーン』『自由人』
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スキルポイントは14残しておいた。
今回は運よく漁夫の利を得られてスキルポイントが大量に手に入ったが、今後はこんな好機が都合よく訪れるとは限らない。
万が一緊急で、取るべきスキルができたときのために、ポイントにはほんの少し余裕を持たせた。
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『シールド・ガード』
【盾に魔力を集中させ、盾自体の防御力を強化する防御スキル。
盾越しに伝わる衝撃も和らげる。】
『集中』
【使用者の周囲の認識を限定化し、脳が集中する内容を明確に絞る精神統一スキル。
判断力や反応速度、技の精度を大幅に高めることができる。】
『ストライク』
【武器の先端に魔力を溜め、攻撃時に一気に解放する攻撃スキル
突きの貫通力を増し、敵に大きな衝撃を与える。】
『ダッシュ』
【足に魔力を流し込むことで、一気に加速する移動スキル。
持続時間は短いが、瞬間的な突破力に優れる。】
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これが今回初めて取得した新スキル。
まず、10ポイントを使って『剣術』をLv7まで、8ポイントで『盾術』をLv6まで上げた。どうやら必要なスキルポイントは、Lv3, 4で2ポイント、Lv5, 6で3ポイント、Lv7, 8で4ポイントらしい。
おまけで『ステップ』がLv3に上昇して、『シールド・ガード』Lv2もついてきた。4ポイントの節約になる。
次に、7ポイントで『シールド・ガード』をLv5、それぞれ5ポイントで『ステップ』をLv5、『スラッシュ』をLv5まで上昇させた。
ステップは今のところ活躍してないけど、いつまでも防御とカウンターを盾に頼っているわけにはいかない。
今後の戦闘を見据えて取得した。
最後に、それぞれ9ポイントで『集中Lv5』、『ストライクLv5』、『ダッシュLv5』を取った。
ダッシュと集中は、僕の基礎能力を高めるために、また汎用性が高いこともあって選んだ。
ストライクについては、スマッシュとどちらにするか迷ったが、今使っている武器が斬撃系で、スマッシュとは相性がよくなかったから、ストライクの方にした。
洞穴の壁にもたれて、地面に腰を下ろす。
喉が渇いたので、革の水筒を取り出して口に運ぶ。
しかし容量はそんなに多くないようで、飲み干してしまった。
口がさみしくなり、リュックの中から食料の麻袋を手に取る。
どれも乾燥させた保存食ばかりで、乾いた口にはあまり入れたくない。
その中の干されたリンゴ片が目に留まる。
干しリンゴの小片を手に取り、そっと鼻先に近づけてみる。
香りはほとんどないが、ごくかすかにリンゴの名残と、干し草や古い木箱を思わせるような淡い匂いを感じる。
かじってみると、噛んだ歯にゴムみたいな感触が返ってくる。
乾いた酸味に、口をすぼめたくなるような渋み。
リンゴの繊維が強く感じられるぱさついた食感で、口の中でじわじわほぐれるものの、繊維が張りつくような不快感が残る。
正直に言ってまずい。
砂糖とかまぶされてないにしろ、元の果実の甘味は多少残ってるかなと思ったのだが。
......水を汲みに行こう。
川の流れる音はさっきからかすかに聞こえている。
こんなネズミもいるし、川が変な病原菌に汚染されていないか不安だが、しょうがない。
沸騰させようにも鍋はなく、火の起こし方も分からないし。
調理道具くらいリュックの中に入れとけよクソ邪神。
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木漏れ日の差し込む中、川面が、浅く澄みきった水とともにきらきらと揺れている。
岸辺には青緑色に輝く苔や、透き通った小さな虹色の実をつけた低木など、現実離れした植物が点在し、ひんやりとした空気が静けさとともに漂っていた。
本当に綺麗な景色だ。
転移してよかったとは絶対思わんが、十分に価値ある風景だ。
これにあの角が青白く光る鹿が現れたら、この景色はまさにファンタジーそのもの。
川辺にしゃがみ込み、懐から出した水筒を透き通る流れへそっと沈める。
中から空気の泡が立たなくなるのを待ってから、慎重に引き上げ、ふたをしっかり閉めた。
……やっぱまずいかなあ。
炎魔法でも取って、ちゃんと煮沸できるようにしておくべきだろうか。
ネズミに限らず、上流に死骸や汚染された糞があれば、それだけで下流は病原菌や寄生虫の温床となる。
――その時突然、空気を切る鋭い音が背後から響いた。
背中に鋭い激痛が走る。
何か細長いものが、服を貫いて肉に突き刺さった。
武器を構え振り返る。
振り返った先には、背丈が人間の子供ほどしかない、三体の二足歩行の生き物がいた。
全身は薄汚れた緑色の皮膚に覆われており、節くれだった長い手足は骨ばっている。
顔は平たく、尖った耳を持ち、つぶれた鼻と裂けたような口元からは不揃いの黄色い牙がのぞいている。
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名前:--
種族:ゴブリンLv14/22
状態:通常
HP:68/68 MP:39/44
攻撃力:20+9 敏捷:21-2 防護:11
魔力:14 知力:15
特性
『草魂還元』『肉魂還元』『武術の才能Lv4/20』
特技
『剣術Lv5/20』
魔法
スキル
『ダッシュLv6/20』『ステップLv5/20』『ジャンプLv3/20』『スマッシュLv5/20』
称号
『E+ランク魔人』『魔人族』『統率者』
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名前:--
種族:ゴブリンLv11/21
状態:通常
HP:62/62 MP:34/37
攻撃力:20+6 敏捷:17-1 防護:9
魔力:13 知力:12
特性
『草魂還元』『肉魂還元』『武術の才能Lv5/20』
特技
『剣術Lv4/20』
魔法
スキル
『ダッシュLv4/20』『ステップLv4/20』『スマッシュLv5/20』
称号
『E+ランク魔人』『魔人族』『配下』
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名前:--
種族:ゴブリンLv16/22
状態:通常
HP:60/60 MP:55/56
攻撃力:16+3 敏捷:22 防護:8
魔力:18 知力:19
特性
『草魂還元』『肉魂還元』『武術の才能Lv6/20』
特技
『槍術Lv3/20』
魔法
スキル
『ダッシュLv7/20』『ステップLv6/20』『ストライクLv2/20』
称号
『E+ランク魔人』『魔人族』『配下』
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三体のうち一体は、細長い投擲用らしい槍を構えて後方に立っている。
残る二体は粗末な棍棒を握り、近づいてくる。