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絶望した日、きっかけの日

「なあなあ荒川(あらかわ)

「なんだよ佐藤」

「今日の荒川ってだれ?」


昼休憩、前の席の佐藤が問うてきた

「お前は誰だ」と。まるで俺が偽者のようだが少し違う


「当ててみな」


「う〜〜〜〜ん、()()()()()()、朝はギリギリだけど歩いてきた、授業中は気合いで起きてる、タメ口、うーむ、…主人格のマチスだな!」


「…残念、俺だ、テツだ」

「そっちか〜!通りで精神年齢が少し高めに感じたわけだ」

「少しキモイぞお前」



そう、荒川 (そら)解離性(かいりせい)同一性(どういつせい)障害(しょうがい)を患っている、つまり、多重人格者(たじゅうじんかくしゃ)


俺はテツ、今日の人格である。平穏な学校生活を送りたいと思っている人格だ

肉体年齢は16、俺の精神年齢は19


今は中央高等学校の2年2組の教室で弁当を広げて駄弁っている



「そうだ佐藤、聞いておきたいことがあるんだが」

「どうした?テツ」


()()()()()()()()()()()がいるのか?」


「………」

「俺は比較的普通な男子中学生生活がしたいんだ、それを邪魔するような奴は学校には来させない」

「…………テツには絶対に言うなって言われてるんだけど…あいつにはまだ学校に来て欲しいんだけど…」


「まあ、他のやつに聞き込みすれば分かるか」

「分かったから〜〜、でも他のやつに聞くのはやめといた方が良い、名演技だって噂されてるから」

「は?まだ【演技だと思ってる派】がいるのか……懲りねえなぁ」


「まあそうだね、それと、昨日担当だった奴だよ………カッコよかった!」

「昨日だったらレンか……さ い あ く だ、いつか絶対殴る」



レン、…奴は、とんでもない厨二病を患っている!

きっと『眼帯』や『変なマント』や『包帯』やらを身に纏い、堂々と遅刻して登校したのであろう。


いつか殴る、マジで



「他の人格を殴るって可能なの?」

「あー、、、ゲームの中でなら、そろそろ可能になる予定だったような」

「マジで!?」

「ああ、マチスとイズミが組んで作ってた…他にも50人ぐらいが手伝っていたがあそこ2人が特に働いてた」


「荒川の中でいつの間にか大規模プロジェクトが立ってる!()()()()()()()()()()()()!」


「やめいやめい、でもまあ俺たちにとったら革命なのは間違いない」

「どんな方法を用いたんですか?荒川殿〜!」

「殿?は無視しておいて、ざっくり話してやるよ…



最近、VRゲームってのが流行ってきているよな」



「ああー確かに、ニュースでもフルダイブ型とかなんとか言ってた気がする!」

「そう、それだ。フルダイブ型だ、

 詳しい事はあまりよく分からんが脳波?を使ってゲームに接続するのでそこの部分を少し改造して俺たち60人余りがみんな同時に接続ができるように改造しているらしい」

「ヒエー、…まあイズミが関わっているならなんでもできそうだよな」

「だな、あれは学生の頭をしていない」


イズミはそこら辺の大人よりも頭が良い、たまに人格を乗っ取っては『知りたい』と思った知識を溜め込む。精神年齢は16だが、頭の回転が俺たち60人程の中で1番良い。




「ーーーっと、そろそろ時間だな、完成してら教えやがれください」

「えいよ」


佐藤は良い友達だ、病気の事も理解してくれている、差別などもしない、本当にいい友達だ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『今日の報告はとりあえず終わる、あとレンは許さん、以上、担当者テツより』


僕はスマホの録音を聞き終わった、自分の声だが自分とは違う口調やイントネーションだ。


「やっぱり人格によって声の高さが変わるプログラムを作った方が個人を尊重できるかな」

『そうだな、それがいいな、ただ荒川空の声の音声合成を加工してやった方が良い、いつも使っている声を少し変える程度にしたい』

「女性の人格達はどうするんだよ」



今僕は、イズミと話している。


 僕?僕は主人格のマチスだよ、今はフルダイブ型ゲームに使うヘッドギア(改造済み)を装着してそれをパソコンに接続している。そう、このヘッドギア、パソコンなどにも繋ぐことができるのだ。



ヘッドギアを起動すると、通常は本体の情報が遮断され、外の世界で活動することができなくなる。が、僕は意識があり外で体が動かせている、


理由は単純、外の情報も受け取れるようにしたからだ。通常なら頭がパンクして意味がわからなくなるが、人格は思考や情報を共有していないので大丈夫である!脳への負担は少しあるが、半年前から慣らしていっていたので平気である


この技術を作るのに今まで貯めていたお年玉30万円を使い、さらに半年ほどがかかった。ツカレタ


今イズミはパソコンを内側から操っている。

(たまにウイルスセキュリティに弾かれているのはご愛嬌)

イズミと僕が別行動を同時にできている、感動だ、感激だ!


『おいマチス』

パソコンに呼ばれる。声がなかったら寂しいので無料の音声読み上げサービスを使用している

「なーに?」


『この技術、完成しても、30人同時でもパソコンのメモリ的に不可能だ』


「((((;゜Д゜)))))))……マジで?」

『(´;ω;`)』

「………………マジやん」


僕も確認した、メモリの使用率が今でさえ、そこそこやばい

どうやら人格をパソコンまで送る事はできてもゲームの起動などができなくなるそうだ、そもそも30個ほどのゲームを同時に起動すらできないので他の人格とゲームは無理そうだ

学生の予算で買えるようなパソコンでは諦めた方が良いだろう



……僕の夢はここで終わりか……

結構頑張った…そう、学生のお金でわざわざVRギアまで買って、色々調べて

その結果が、『お金がないから無理』だ。無念…だな

涙が出てくる、そう、大勢の人格が協力してやっていたプロジェクトなのだ、その結果が失敗

技術ではなく予算で失敗した、


絶対にお金貯める、そう決めた。



でも…


でも、今は……眠い、疲れた…………そう自覚すると急に視界がぼやけていく、、そして………



そして…………




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、目が覚めた。


どうも主人格のマチスです。寝起きです。スマホのカレンダーを見るとメールを確認しろと書いてあった。

今日は、絶望した日の3日後か


メールのやり取りをするような奴いたっけと思いながらもメールを確認する。メールは2通あった

【お引き受けいたします】と【簡潔にいうと勧誘】というメールがあった

ふむ、、、、、、、、、え??


どゆこと?


とりあえず読んでみた、で、整理してみた。

僕が寝ている間にイズミが作ったプログラムを【未完ゲームs】という会社に送ったらしい、どうやらVRゲームが進んでいる会社らしく、僕らが使っていた機械もこの会社の製品らしい。

んで、僕の中の誰かさんは、『御社のサーバーを使ってこのプログラムを実験してみたい』と送っていた


未完ゲームsからの回答

「大歓迎です!興味があります!一緒にゲーム作りませんか?」

という事だ


ぶっ飛んでんじゃねぇの?

大人の文章のやり取りとかよくわかんないんで、ぶっ飛んでる企業ってことにしといてください


筆者はVRMMOにあまり詳しくありません。そこら辺、違和感あったら教えて欲しいです。

ヘッドギア(バイクのヘルメットみたいな、つけたままでも前が見えるやつ)

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