08 ワイルドキャット
ジャスティスは平穏を取り戻し僕は今 森を観ている「魔物って他の森にもいるんですかね」「どうなんだろうなウエスでは此の森と帝都のダンジョンしか聞かないな」森の何処かにダンジョンがあったりするのだろうか…まぁ考えてもわからないか…「あそこに鳥がやけに沢山集まってますね」「動物の死骸でもあるんだろ」「…ちょっと僕見てきますね」「あっセイちゃん私も行くー!」
あれは…仔猫?「セイ!」結局みんなきたのか「あれは」「ワイルドキャット 魔物の幼体だな」魔物なのか「ギャー!ウウー…」だめだ正義のみかたとしては見殺しにできないよ『LIFE LINE』『10…9…』大丈夫か傷だらけじゃないか…片目も…『3…2…』僕はワイルドキャットを懐に抱え込んだ『ゼロ』「ギャギャギャギャ」「痛い痛い 暴れるな大丈夫だから良しよし…ん 死んでないよな」「セイ懐に…」「うんワイルドキャットだよ」「魔物を街に入れるのは…」「そうだね でも見殺しには出来ないよ」「セイちゃんが良いっていったら良いんだよ 文句を言う奴は私がぶっ飛ばす」正義のみかたの発言とは思えませんよマリエ姉さん「取り敢えず此処を離れましょう アリア姉さん後でヒールをお願いします」「わかった」
「セイちゃん家の前に馬車が止まってるよ」本当だ随分と立派な馬車だ「父上にお客さんでも来てるんでしょ」「ただいまー」「お帰りなさいませ シャキーンレンジャーお会い出来て光栄ですわ!」「…ただいまです」「さあさあ私目にみなさんの御活躍をお聞かせください!」「リュビア王女」「おじ様」「先ずはわたくしから紹介しますので」「そうでした私ったらごめんなさいね わたしはウエス王女リュビアです」王女…「私はセイの姉マリエ」「セイ様のお姉様なのですね」「王女様後ほど改めてご挨拶させて頂きますので 家に入れさせて貰っても宜しいですか?」「わたしったらごめんなさい」
「アリア姉さんお願いします」「わかった」「セイ」エド兄さん「食べるかどうかわからんが串焼きを買って置いたぞ」「ありがとうエド兄さん」「セイちゃん終わった」「良く眠ってる」「さあ王女様を待たせる訳にもいかん行くぞ」「はい」「えーっわたし此処にいるー」「駄目ですよ それに此処は僕の部屋ですよ」
※※※
僕は今 父上の元パーティーメンバー剣士ジークさんと対峙している…「セイ様!頑張ってー!」ハハッ
「リュビア様あんたの護衛がやられたら洒落になんねーぜ」「…ジークも程々に頑張って」「ハハッ セイいつでも掛かって来ていーぜ」…困ったなお姫様の護衛に勝って良いのか?「セイちゃーんそんなおっさんボコボコにしちゃって!」…マリエ姉さんが相手するよりは僕の方がましか「ジークさんでわ お言葉に甘えて行きますよ」「あー来い!」『LIFE LINE』『10…9…』先ずはジークさんには悪いけど手首に一発『7…6…』脚は5、6発叩いて置くか『3…2…』で振り切ったポーズ『…ゼロ』
消えた!何処だ!―――静寂―――「からんっからんっ」「痛って―――!」
「セイちゃんの勝ちー!」「…セイ様ー!」「こりゃあ参ったな」「ジーク セイは凄いだろ」「ああ」「ジークのおっさん次は私!」「おいおいマリエは駄目だ!」「なんでなんでー!」父上に絡み付く姉…「ジークが死んじまう」「そっか」聞き分けの良い姉「セイ君は凄いわね何も見えなかったわ」ジークさんにヒールを掛けているのが父上の元冒険者パーティーもうひとりのドレシーさんだ
「父上」「どうしたセイ」「ワイルドキャットを」飼いたいんですが」「…どこで飼うんだ?」「此処で」「駄目だ」「「「ズゴーン!」」」「パラパラパラ…」「おじ様!」
「セイちゃんもういいよこんな家 みんなで森近くに家建てて暮らそう その方が商店街も近いし」本当にぶっ飛ばしたよ…正確には蹴り飛ばしたんだけどね「みなさんどちらへ?」「出てくー」「では 私も」「おいおい王女様なにいってんだ」「ほらガイ起きろ!可愛い子供たちが出て行っちまうぞ ドレシーヒールを」
「あありがとうドレシー…ワイルドキャットは魔物だぞ前例もない」「だからいいって行こうセイちゃん」「王女なんであんたまで着いていくあんたが許可を出せば済むんじゃないか⁉」「…そうしたらみなさんと暮らせないじゃないですか」「…」
父上母上 ジーク ドレシー カイト兄さん マリエ姉さん 僕 そして王女リュビア 父の書斎にてお話しだ…並びが変だが…エド兄さんとアリア姉さんはワイルドキャットの面倒を見てくれている
「うーん…」女王陛下からの手紙を呼んで唸る父上「あなた女王様はなんて…」「国を知るにも良い機会なので暫く娘をよろしくと…それと森の調査をお願いしたいと…」
「お父様お母様 お兄様お姉様…不束者ですが宜しくお願いいたします」「あらあら王女様ったら」「リュビアとお呼びください」「…娘が増えるのは構わんが…」構わんのかい!「セイはどう思う?」「どう思うとは?」「森の調査だ」そっちですか「…よした方が良いと思います 以前父上に聞いた話だとケンタウルスの咆哮で壊滅したんですよね」「…」「僕が対峙したケンタウルスが同じ個体かはわかりませんが僕が襲われた時も確かに咆哮するようでした 咆哮の前に倒せたからよかったですが…」『ゾクッ』
「セイちゃん」「僕がこうして今此処にいられるのも運が良かっただけです 調査に行けば出会う前に全滅です」「…」「幸い今は落ち着いているんですよね 先日のボアの大群ぐらいならシャキーンレンジャーで対処出来ますし 調査より先ずは魔物の森と街の間に塀を作るのが良いと思いますよ ボア…いえワイルドベアーに耐え得る物を」こうして調査隊の派遣は見送りになった
「王女様?」「リュビアとお呼びくださいセイ様」「…リュビア」「はい」「なぜ此処に」「なぜって今夜はみなさんでパジャマパーティーをするとマリエお姉様が…」既に取り込まれたのかマリエ姉さん「セイちゃんのお嫁さんは私の妹」「はいマリエ姉さん」いつ決まった!
「こちらがワイルドキャットなんですのね」「まだ幼体らしいですが…元気になってくれると良いのですが」「ニャ…ブルブルブル…ニャ!」がばっ!「大丈夫元気ワイルドキャットは鼻もいいからセイちゃんのニオイがわかった…血も舐めてるだろうし ふふ」僕を餌と思ってないよな…
【今日の正義】
ワイルドキャットを助けた