07 呼び出し
「チュンチュン…チュンチュン」
…
…
… 「うがっ…苦しい…わ!」
「セイちゃ〜ん…」…マリエ姉さん…アリア姉さんまで…
僕は…「セイちゃんおはよう~」「おはようマリエ姉さん…すみません僕寝てしまったんですね」「うーんセイちゃんおはよう」「おはようアリア姉さん」「おうセイ起きたか」「…スタンビートは?」「厳戒態勢は解除されたよ」「だからセイちゃんがチャチャッと解決するって言ったでしょ」「…」『ゾクッ!』「…どうした大丈夫か?」「はい…大丈夫です」そうだ森でケンタウルスに…「父上が話を聞きたいそうだ」「はあ…わかりました」
※※※
「ざわざわざわ」「おうシャキーンレンジャー」「ざわざわざわ」「セイ起きたか」「ははどうも」「こんにちは」「こんにちはマスターに御面会ですね」「はいご案内致しますのでこちらにどうぞ」「ありがとうございます」
「コンコン シャキーンレンジャーのみなさんをお連れしました」
「セイ起きたか…体調はどうだ?」「はい なんともないです」「そうか 早々で悪いが話を聞かせてくれるか?」「パパ夜帰ってから聞けばいいのに折角セイちゃんが起きたのに!」「はは…」
「えーと 気が付いたら森の中で…ここは何処だ と思った瞬間には襲い掛かってきました」「…運良く狩れましたが…あれは狩るとか言う次元のものではないです 魔物と呼ぶのも違うような『ゾクッ』…そんな存在です」「うーん」「セイちゃんは運良くなんかじゃないよー」「あとはマリエ姉さんとカイト兄さんに助けられ…今になります」「セイを見つけて戻るのに6時間って言ったな」「はい森が何処まであるのか知りませんがだいぶ奥まで行きましたから」「魔物の様子はどうだった」「はい 行きは魔物を無視して駆けていましたが 帰りはセイが倒した魔物を引き摺っていましたから戦闘はやも得ないと思っていたんですが…気配は沢山あるものの目にする事なく帰れました」「父上はあの魔物をご存じなのですよね」「…ああ そうだなお前たちには話しておくべきだろう…」
父上は一度だけあの魔物ケンタウルスを目にしたことがあるそうだ…その場所は…イース 僕たちの住まう国ウエスとは海を隔てた大陸に存在し国交などは無くいつからか魔の国イースと呼ばれ その国を治める者を魔王とウエスでは呼ばれるようになったと言う 父上が現役の冒険者の頃 帝都エビルのダンジョンとジャスティスの森でスタンビートが起こりウエスは大打撃を負った それから「魔王の仕業だ」「 魔物をすべる魔王の仕業だ」と国民たちの間で騒がれるようになった 国民の感情は治まることなく国の復興もままならぬまま魔王への憎悪は増すばかり 国民の感情を治めるため魔の国イースに大使を送ることになった その大使は国王のひとり娘ヨナ 現在の女王陛下だそうだ
王女様と国王近衛師団の精鋭10名にスタンビートで名を上げた父上のパーティーが同行することになり魔の国イースに上陸したそうだ 魔の国イースはウエスより酷いありさまだった そんななか魔王との謁見はかない双方不可侵条約が結ばれた 魔の国イースの民もまた普通の人間だった ただマナと言う力を扱う者が居たという ウエスで言う魔法らしいが マナの力を借りて強大な魔法も出来たようだ
条約を終え帰路につく時…それは起きた スタンビートだ海辺に面した森から何かに追われるように大量の魔物たちが襲ってきた 次の瞬間「「「ブワァ――――!!!」」」けたたましい声が空気を揺らした 薄れゆく意識の中…丘の上にいるあの緑のケンタウルスを見たそうだ
気が付いた時には船の上一面海原で何処にいるかもわからなっかった 生き残ったのは王女様 近衛騎士ふたり父上のパーティーメンバー父上入れて3人だけだった それもまだ助かったわけではない 一面海の上食料も限られ限界の船旅…いや限界の漂流だったと言う それから3週間ほど経ったある日 鳥たちが船の周りに飛んで来た…近くに島があると確信しその日の夕暮れ幸運にもウエスの大陸を見つけることが出来たそうだ
「セイちゃんお腹空いたー」「ぎゅるるるるる…はは そうですね僕もお腹がすきました」「串焼き屋のおっちゃんとこ行こう」「そうだな今日明日で何かわかる訳でもないし わざわざ悪かったな」「いえ スタンビートはもう大丈夫なのですか?」「森の確認も済んでいるし 帝都のダンジョンも落ち着いてるそうだ」「そうなんですね」「ぎゅるるるるる…はは」「セイ目覚めてから何か食べたか?」「いえまだなにも」「ははそれは腹がへるな よし今日は俺も一緒に行こう」「パパのおごりーやったー!」「もうお前らの方が稼いでるだろ」「セイちゃんと3日ぶりの食事ー!」…3日⁈…「僕3日も寝ていたんですか?」「そうだよー」「僕一度家に帰ってお風呂に…クンクン…クンクン」「大丈夫だよ 毎日私とアリアちゃんでキレイキレイ拭いてあげたから」なっ!「フフフ」アリア姉さん なんですかその笑いわ「…ぎゅるるるるる…はは」
【今日の正義】
ギルドの扉をマリエ姉さんが壊さなかった…開いていたからね