06 予兆
「ねぇあなた…ボアの群れって」「ああそうだな魔王の国でも異変が起きてると言っていた…元魔王になったそうだが」
※※※
僕らシャキーンレンジャーは今…森の道を散歩中だ
「シャキーンレンジャーに仕事の依頼だ」「依頼ですか?」「冒険者になったからには依頼も受けてもらう」「はあ」「どんな依頼ですか?」「なに 森の様子を見て来るだけだ」「森ですか」「森に道があるからなその道の突き当たり迄でいい 大体片道3時間位の散歩だな」「ただその散歩中に魔物に出会ったら狩って来て欲しい」「狩るんですか」「ああ 本来その道の突き当たり迄には魔物はいないはずだからな」「冒険者が森で魔物を狩る理由はあるんですか」「あるぞ 魔物を減らしていかないと街に溢れ出て来るんだ」「そうなんですね」「朝ギルドに寄って依頼を受けて来るように」「はい」
「セイちゃんと散歩セイちゃんと散歩」「元気ですねマリエ姉さんは」「セイちゃんちょっと待って!」アリア姉さん…「それは」「薬草よ」「そうなんですね」アリア姉さんは何やら古臭い分厚い本を見ながら歩いている「待って!」「それは触っても大丈夫なんですか…毒々しいキノコに見えますが」「ええ私は大丈夫」「そうなんですね…」
「もうすぐですかね」「まだ1時間も歩いてないぞ」「セイは体力を付けないといかんな」道はあれど薄暗い山道を淡々と歩く僕…
「「「ブヒーーーッ!」」」この鳴き声は!「ガサガサガサ」デカイ!…熊?あっマリエ姉さん!「おりゃー!」マリエ姉さんの蹴りを喰らって立っている「おりゃおりゃおりゃ」熊の腹に連続パンチ!「おりゃー!」最後は踵落とし…「…ズドン…」
…最初の蹴りで決着はついていたのでわ?あれ…魔物狩ったから戻っても良いんだよね!「マリエ姉さん!強い!最強!」「セイちゃん程じゃないよう〜!」『うがっ…』
熊はマリエ姉さんが引きずって喰われかけのボアはカイト兄さんが担いで街まで帰ってきた
「ざわざわざわ」「ワイルドベアか!」「ざわざわざわ」「誰かギルドの職員を呼んでこい!」「ざわざわざわ」「あっギルドマスター!」「これは…どこら辺で狩ったんだ」「1時間程歩いた所で」「そうか…」「これよりジャスティスは緊急厳戒態勢に入る ギルド職員は土嚢の用意と避難誘導」「冒険者達も土嚢を積むのを手伝ってそのまま交代で見張りだ」「お前達は今日はもう帰っていいぞ ご苦労だったな」「はい」「明日は朝から見張りを頼む」
「なんなんだろうね 森に魔物は付きものなんじゃないの?」「姉さんワイルドベアが森の浅瀬にいたって事は…多分パパはスタンビートが起こると思っているんだと…」「スタンビートって?」「魔物の暴走です」「ふーん そんなのセイちゃんがチャチャッと片付けちゃうのにね」「いや無理ですから」「えーっセイちゃんなら出来るもん!」本人が無理って言ってるのに…スタンビートか…
「ただいまー」「あら早かったわね」「うん途中でワイルドベア?狩ったから」「…皆んな怪我は無い」「うんマリエ姉さんひとりで倒したから」「…そ そう」「私はやりたい事があるので此処で」アリア姉さん…あのキノコで料理とかしないよな…「セイちゃん汗かいたからお風呂入ろう!」「ひとりで入りますから」「えーっ」えーっじゃない!
※※※
僕たちシャキーンレンジャーは朝から森の見える土嚢の上で森を見ている…「これと言って変化は無いですかね」「なにも無いに越した事はないからな」「そうですね」「セイちゃーん お腹すいたー」「そうですね 下で何か食べ物を貰ってきますよ」「はーい」
「おっちゃん」串焼き屋のおっちゃんだ「おうご苦労様な 串焼きをパンに挟んで持って来たからお前らもどうだ」「ありがとう じゃあ遠慮なく」
「セイちゃん美味しい!」「そうです『うがっ…』ゴホッゴホッ」「セイちゃんはい」「あ ありが…アリア姉…さんゴクゴクゴク」「…」
「「「うおーーー!」」」「アリア セイに何を飲ませたんだ!」「元気が出るドリンク」「セイちゃーん!私も行くー!」「おいおい森に入って行ったぞ」「あの勢いじゃマリエ姉さんも追いつかないんじゃないか?」「エド アリアはこのまま此処で待機 俺は2人を追う」
「「「うおーーー!」」」
「マリエ姉さん!セイは?」「うーん…クンクン…クンクン あっちだ!」
「「「うおーーー!」」」「「…」「あれ?」僕はどうしたんだ?此処は?『『『ゾクッ』』』『LIFE LINE』勝手に発動した!って事は命が危なかったって事⁈『10…9…』何処だなにがいるんだ『8…』上か!なんだあれは…『6…』届かない兎に角今は隠れなくちゃ『3…』「ガサガサ…」『1…ゼロ』「…」「ガサ…ガサ」緑色の…ケンタウルス…羽がある?…『『『ゾクッ』』』見つかった!『LIFE LINE』また勝手に発動した!
そんなに危険な奴なのか『10…9…』僕は魔剣で口を開き掛け止まっているケンタウルスの首を落とし『6…』胴体を落とし『3…』さらに人間なら心臓があるだろう場所に剣を突き立てた『ゼロ』「…」
動かないな「ハァハァハァ」息が…「ハァハァ」危なかったんだろう…で 此処は何処なんだ⁉︎
「セイちゃんみっけ!」「マリエ姉さん!」「セイ無事か?」「カイト兄さん」「セイちゃんなにそれ」「…魔物?」「ふーんそっか」
あれからかれ此れ3時間「セイちゃんしょうがないな姉ちゃんがおんぶしてあげる」「…うっ…お願いします」「へへ」なんだか懐かしい…昔はよく…
日が沈みかける頃ようやく森を抜け街が見えて来た
「3人とも怪我は無いか!」「大丈夫だよ」「セイはどうしたんだ」「寝ちゃった へへ」「その引き摺っているのは…」ケンタウルス「セイちゃんが倒した」「そうか兎に角3人とも無事で良かった」
【今日の正義】
土俵の上で串焼きサンドを食べた