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01 溺愛される僕セイ・ギシン

 

「うーん…(カランカランカラン)うーん…(カランカランカラン)…、…⁉」両手で押すように…持てた!」(ビュッ!…ビュッ!)よし、なんとか振れる…あんよは上手…あんよは上手…まだおむつも取れていないと言うのに…「はぁ~」うちの家族は…。前世では3才の時には走りまわっていたんだが『ばぶーヤー!』よちよち…『ドッでん』『うっ…しゃしゃきん』…あれ?そうでもなかったかな?とにかく今は歩くのが精いっぱいだ!


「セイちゃーん!そんなおっさんやっつけちゃえ!」「セイ!お前なら出来る!」「セイちゃん怪我しないようにね」「セイ頑張れ!」「セイちゃん気をつけてー!」「おいおい皆んなセイの応援か?」「黙れ!セイちゃんの敵は私の敵!」「おいおいマリエパパ悲しいな…」


僕は今、厳ついおっさん…もとい僕セイ・ギシンのお父上ガイ・ギシンと模擬刀を持って対峙している…僕はまだ3歳なのだけど…。


「やっちゃえ!やっちゃえ―!」「セイちゃ―ん!」…父…かわいそ…


僕の家族は父ガイ・ギシン、母マリア、長女マリエ、長男カイト、次男エド、次女アリア、そして僕 三男セイの7人家族だ 。父ガイは元々帝都エビルで冒険者をしていたらしい、エビルの冒険者ギルドの看板娘だった受付の母マリアを嫁に貰い、冒険者から沢山の嫉妬と憎悪を受けながら結婚「BOO!BOO!BOO!」「幸せになればいいさ!BOO!BOO!BOO!」ふたりには盛大なブーイングも祝福の歓声に聞こえていたのだろう 母マリアも「うふふっ!目指せ!玉の輿!」の言葉を胸に!…いや口にしてギルドの受付をしていたそうなので…案外似た者同士なのだろう…美女と野獣だが…。


この街ジャスティスの領主兼ギルド長になったそうだ。領主兼ギルド長と聞くと権力の権化のようだが田舎では良くあるらしい。それにしても領主を任されるのだからそこそこの冒険者だったのだろう、冒険者として活動するには最低5人のパーティーを組む必要があるそうだ。姉兄達にとっては待望の5人目だったそうだ…なぜ僕が剣を持っているかと言うと、長女マリエが拳闘士、長男カイトが防御のタンク、次男のエドが弓使い、次女のアリアが魔法士…なので必然的に僕が剣闘士なのだそうだ…12才にならなければ冒険者登録は出来ないらしいが…。


「はっはっはっ!セイいつでもかかってこい」…でわお言葉に甘えて…『LIFE LINE』―――静寂―――時が止まる『10…9…』そう僕にはスキルLIFE LINEがあるのだ…気づいたのは父ガイのブッチュ〜攻撃の時だ!…うっ思い出したくない…気持ち悪い…「おう~いとおしいのう~ブッチュ〜」ふと頭の隅に『LIFE LINE』と言う言葉がよぎった…止まった!止まったのだ!時が!前世の記憶がなかったらこのスキルは…

ブッチュ〜攻撃がカウントゼロになる迄…敢え無くブッチュ〜攻撃は喰らったのだが …。止めて…「ブッチュ〜〜〜ポンッ!」おぇ〜誰か拭いてくれ〜


この世界には特殊スキルがあるらしい、人それぞれなのだそうだが確かにあるそうだ…なぜ曖昧な言い方になるかと言うと スキルについては誰もが機密にするらしい…家族にもそうするそうだ。


まあ高々10秒時間が止まるだけなのだが…『8…7…』…あんよは上手…あんよは上手…『ふー歩くのも一苦労だ』僕は父ガイのスネを思いっきり模擬刀で叩き(ビュッ!カランカランカラン)うッ手が痺れた~!早く模擬刀を拾わなければ…あんよは上手…あんよは上手…父の後ろで模擬刀を振り切ったポーズをとる『3…2…1…ゼロ』―――静寂―――


「「「痛ってー!」」」


「やったー!セイちゃんの勝ちー!」「うーん我が弟は凄い!」「セイよくやった!うんうん」「セイちゃーん怪我はしてない?」


「マリアヒールをヒールをかけてくれ」「まあセイちゃんの初めての剣撃なのよ」「セイちゃ――ん!」ぎゅっ!『うがっ…』


「うっ…セイは剣士の才があるな…ヒールを…」「父上ありがとうございまちゅ『うがっ…』 母上父上にヒールを」「あらそうセイちゃんが言うなら仕方ないわね」「ママ!ママ!セイちゃ――ん!」ぎゅっ!『うがっ…』「ふうー…流石は我が息子!」「あらあなたはタンクでしょ」


「パパ次は私!私!」「俺もお願いします」「自分も後で良いので稽古を」「わたしはママヒールを教えて!」


「うちの子は皆やる気があって頼もしいのう」デレルおっさん…おい!


しかし、スキルのある世界かぁ~ ヒーローに…10カウント時が止まるスキル…もっとこうビームが出るとかでわないのか⁉ シャキーンキック!シャキーンパンチ!僕のキックとパンチはへなちょこなのだ… どっちかというと犯罪者が喜びそうなスキルなのだけど…。まあまだ3才だし冒険者になるにしてもまだ9年あるし…他のスキルがあるかも知れないし…今は良しとしよう


こうして僕セイ・ギシンは家族に溺愛されながらこの世界で正義のみかたを目指すのだ!


【今日の正義】

母上に父上にヒールを掛けるようお願いした!

ありがとうございまちゅ…


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