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殺戮王女シリーズ

鮮血城の王女様

作者: リィズ・ブランディシュカ



 真っ白なお城の鮮血城。


 とても白くて、そのお城はよく青空に映えます。


 けれど、そのお城はやってきた者を逃がさない牢獄。


 連れてこられた祈りの少女を、ぱくっと食べてしまうのです。





 国中が荒れに荒れて、とても大変。


 戦で血が流れて流れてどうしようもない。


 そんな時代に、祈りの少女が産まれたならば、その子は必然的に王女様になります。


 祈りの少女の力は特別なので、祈りをささげるだけで人を助ける奇跡がたやすくおきてしまいます。


 だから多くの人達は、王女の誕生をとても喜びました。





 選ばれたのは小さな少女。


 自分の名前も言えないようなかよわい子供です。


 それでもお仕事には一生懸命。


 人を助けるために、毎日祈ります。


 お城の人達はみんな、にこにこ。


 やってきた王女様を逃がすまいと、ごきげんとり。


 王女様はそれを知らずに、にこにこ。


 護衛の英雄様に守られながら、世界で一番幸せな気分にひたっています。





 けれど、長くは続きません。


 平和はいつかは終わるもの。


 王女様は真実を知ってしまいました。


 だから、見張りの英雄様の剣にかかって、痛い痛い。


 悲しみに溺れながら、血の海に沈んでいきます。





 真っ白だった鮮血城は、その名の通り真っ赤な色に。


 赤い、赤い、血の色へと変わっていきます。


 王女様はこの世界からいなくなってしまいましたが、人々の多くは助けられていきました。


 犠牲になった王女様。


 可哀そうな王女様。


 人々を救ったとても偉くて立派な救世主様。





 助けられた人々は、王女様を忘れまいと、小さな銅像を建てました。


 お城の裏手のお庭にある、たくさんの銅像たちに小さな銅像を一つ、また一つ加えました。



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