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絵本原作

ぼくとこうえん

子供用の車いすがある公園を世に広めたいと書いた作品、絵本の原作となります。

イラストはのちのち書く予定です。

子供さん向けですので全編ひらがなとなります。


挿絵(By みてみん)



 ぼくのなまえは、たけし!

 ことしで5さい。

 ぼくはね、まがったことが、だいきらいなんだ。



 いつものように、ぼくはようちえんにきた。

 ようちえんで、ともだちのひろしくんにあった。

 ぼくとひろしくんは、だいのなかよし!

 いっつもふたりで『たけうま』とか、『おにごっこ』してあそんでいるんだ。

 でもね、ひとつだけ、かなしいことがあるの。



 それはね、ひろしくんはぼくとしかあそばないんだ。

 ぼくはみんなともっとなかよくなりたい。

 だれとでもいっしょにあそびたい。

 なのに、ひろしくんはぼくとしかあそばないの……。



 あるひ、クラスでいちばんつよいおとこのこ、まさるくんがいったんだ。

「ねぇ、たけしくん、きょう、ようちえんおわったら、あそぼうよ」

「いいよ、じゃあ『ロケットこうえん』でね」

「あとでね」

 となりのひろしくんはすごくこわがっていた。

 ひろしくんとまさるくんはあんまりなかがよくないの。



 ぼくはあそびにいくとき、とちゅうでひろしくんにであった。

「あれ、ひろしくん。またひとりぼっち?」

「うん、たけしくんはどこかにいくの?」

「いまから、まさるくんと『ロケットこうえん』にいくの」

「そうなんだ……」

「ひろしくんもいっしょにいこうよ!」

「うん!」

 ぼくはとってもうれしかった。

 ひろしくんが、ほかのおともだちといっしょにあそべることがね。



 『ロケットこうえん』につくと、まさるくんがまっていた。

「あれ? たけしくん。なんでひろしくんがいるの?」

 まさるくんはとってもおこったかおしている。なぜなんだろ。

「ねぇ、ひろしくんもいっしょにあそばせてよ」

「ダメッ! ひろしくんがいっしょならおれはあそばない!」

「もういいよ、たけしくん」

「だって……」

 そんなのまちがってるもん。



 ぼくたちがにらめっこしていると、となりのブランコがぎーこぎーこ、きこえる。

「ねぇ、きみたち。これたのしいよ?」

 おんなのこが、かわったブランコにのっている。

 くるまいすにのったまま、ブランコであそんでいる。

 なんだろ、あれ。

「あんなブランコなんかあったけ?」

 ひろしくんが、ふしぎそうにおんなのこにちかづいた。

「ねぇねぇ、きみたちもいっしょにあそぼうよ」

「きみはなんで、くるまいすなんかであそんでいるの?」

「え、これ? わたしはうまれてからずっとあるけないの」

「そうなんだ、ボクがおしてあげよっか?」

「いいの? じゃあおねがい」

 ひろしくんはかわったおんなのことあそびだした。



「なんだよ、ひろしくんだけあそんで!」

 まさるくんはとってもおこっている。

「いいじゃん、まさるくんとはあそんでないだろ?」

「なんかムカつく!」

 そういって、まさるくんは、じめんをけった。

 でも、ぼくもすごくあのブランコがきになる。



「わ~い! すごいたか~い!」

「そ~れ! もっとつぎはすごいよ~」

「あ~たのしい。ねぇ、きみのなまえは?」

「ボクはひろし」

「わたしはゆみ」

 ふたりはとってもたのしそう。

「ねぇ、そこのきみもおいでよ」

「ぼくのこと?」

「うん!」

「いくいく! ぼくはたけし」

「たけしくんはとなりのであそびなよ」



10

 ぼくはとなりのふつうのブランコにのった。

 ゆみちゃんはとってもうれしそう。

「ねぇ、あしはいたくない?」

「あし、いたくないよ。だってうまれつきだから」

「なんかかわいそう」

 ひろしくんはなきそうな、かおしている。

 でも、ぼくもゆみちゃんをみているとかなしくなっちゃう。



11

「ぜんぜん! かわいそうじゃないよ! このブランコ。わたしのパパがつくったんだ」

「ええ! すごい!」

 ひろしくんは、はくしゅしてよろこんでいる。

「うん、ぼくもすごいとおもう!」

「だって、きみたちとおともだちになれそうだもん!」

「ふふふ」

「あはは」

「ははは」

 ぼくたちがわらっていると、まさるくんはかおをまっかにしていた。



12

「ねぇ、ひろしくん、あのこも、きみのおともだち?」

「え?」

 ひろしくんはゆみちゃんのしつもんにこまっていた。

「ともだちだよ!」

 ぼくがかわりに、こたえてあげる。

「そっか! あのこのなまえは?」

「あのこはまさるくん」

「まさるく~ん、きみもこっちにおいでよ~!」

 ゆみちゃんが、まさるくんをよぶけど、なかなかこない。

 まだおこっているのかな。



13

「お、おれもなかまにはいっていいの?」

 まさるくんはすこし、はずかしそうなかおでブランコにちかづいた。

「もちろんだよ。じゃあこんどはまさるくんがわたしのブランコをおして!」

「うん、まかせて!」

 きがつくと、ぼくたち4にんはわらって、おひさまがくらくなるまであそんだ。



14

 ゆみちゃんはくるまいすをおしながらかえっていった。

 ぼくとひろしくんも、いっしょにかえろうとしたときだった。

「なあ、あしたもあそぼうよ」

 まさるくんは、はずかしそうにいった。

「え? いいけど……」

「ボク、あしたはやめておくよ」

 ひろしくんはえんりょしているようにみえた。

「ダメだ! ひろしくんもきて!」

「だって……」

「おれたち3にんはもうともだち! ゆみちゃんもともだち!」

「うれしい」

 そのばで、ひろしくんはないていた。

 でも、とってもうれしそうにわらっている。

「じゃあ、あしたはぼくとひろしくん、それにまさるくんとゆみちゃんもいっしょだね」

 

 ぼくたち3にんは、あしたがたのしみたのしみでしかたなかった。

 みんなでてをつないで、いっしょにかえった。

 とってもうれしいな。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


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