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4話

 たかがゴブリン。そう思っていたのだが、自分のステータスのパラメーターと比較すると明らかに自分より上だった。


「どうしよう! ヤバい! ヤバいよ! ゴブリンつよ‼」


 ダンジョンの存在に浮かれていたが、これからすることは命のやり取りだと言うことを強く感じ始めた。手汗が出てきた。冷や汗が止まらない。どうしようもないほどの恐怖に襲われる。


(落ち着いてください。ゴブリンは強くはありません。)


「えっ?」


(パラメーターの数字がそのまま強さを表しているわけではありません。これについては後で説明するのでちゃちゃっと倒してしまいましょう。)


「おっ、おう。」


 不安は残るもののゴブリンは弱いと言われて少し落ち着いてきた。しかしどうしたものか、武器など何もない。格闘技なんてやったこともない。


「どうすればいいんだ?武器なんてないぞ?」


(お任せください。戦闘ナビゲーションを開始します。)


 いきなり自分がどう動くべきか、またゴブリンがそれに対してどう動くか推測が思い浮かんできた。それにそって体を動かしていく。


 まずは前進していく。予定通りの位置でゴブリンが気づく。ゴブリンは威嚇のため、手に持つ棍棒を振り上げるだろう。手が上がり始める直前に駆け出し、上がりきったところで棍棒を後ろに押し込む。ゴブリンは姿勢を崩し、仰向けに倒れていく。


 すべてが予定調和。ナビゲーションの手の上だった。


 倒れたゴブリンの首を踏めば終わりだ。とてもあっけない終わりだったため命を奪った感慨も戦闘の興奮もなかった。それは安全という意味ではいいことなのだろうがダンジョンで戦ったという本来、ファンタジー的なものに憧れを抱いていた彼にはいささか物足りなさがあるというかなんというか。


 うだうだ言っても始まらない。リスクなしに勝てたことを喜ぶことにして、ナビゲーションに色々質問することにした。


「【ナビゲーション】ってすごいんだな。戦闘がこんなにあっけなかったわ。」


(いいえ、ワタシは霧島様のスキルである以上、この結果は霧島様の実力ですよ。それにワタシはあくまでもサポートを行うスキルなので、霧島様の実力以上のことはできないのです。)


「それでも、戦闘初心者がここまでかんたんに勝てるのはそう簡単なことじゃないだろうし、お前がいなきゃ俺も怪我していたかもしれない。これからも頼るだろうからよろしく。」


(こちらこそよろしくお願いします。)


「さっそく質問だけど、ゴブリンのパラメーターの数字は、俺より高かったはずだけどどうして弱いって判断したんだ?」


(パラメーターは、その数字がそのまま強さに等しいわけでわありません。パラメーターとはその生き物の本来の強さに加算された魔力による補正の強さを表したものです。先程のゴブリンのパラメーターが先程の霧島様のパラメーターを上回っていたとしても、ゴブリンの本来の強さは人間以下でしかありません。そのため平均的な人間より身体能力が高い霧島様が、ゴブリンより強かったのは自明のことであったのです。)


「なるほど。パラメーターがそのまま強さではないと言うことか。じゃあ、さっき聞きたかったことだけど、俺のユニークスキルはどんな効果があるの?」


(はい、あなたのユニークスキルである無限(インフィニティ)吸収(アブソープション)は極めて強力なため効果の数は、他のユニークスキルに比べて2つと少なくなっています。まず1つ目が経験値の全吸収です。本来であれば戦闘後、死亡した生き物から出てくる魔力の一部を吸収するのが経験値の吸収と呼ばれるものなのですが、霧島様が殺した場合全て吸収されます。そのため、成長は速くなります。ただ、ともに戦った人がいた場合、その人に行くはずの経験値がなくなってしまうこと、死体に魔力が残らないため解体しても素材として利用できないごみと化すことなどがデメリットとなります。)


「なるほど、成長が速い代わりに仲間と冒険といったことや素材の回収ができなくなるのか。」


(ちなみにダンジョン内での活動では、かなり多くのカロリーや魔力といったエネルギーを消費します。そのため、ダンジョン探索を行うならダンジョン産の食べ物を摂取する必要があります。今後、ダンジョン探索を国で推進していき、民間人でも探索が行われるようになれば、当然ダンジョン産のものを取引することになります。その時、魔力のない魔物の死体は価値がなく金策は必須となるでしょう。)


「なんかデメリットが多すぎる気がしてきた。」


(いえ、霧島様の成長速度は他人の10倍以上となりますので、デメリットを補って有り余るメリットがあるといえるでしょう。さらに2つ目がスキルの吸収です。霧島様が倒した魔物の保持していたスキルを獲得することができます。さらにユニークスキルを持つ魔物がまれにいるのですが、これは個人にのみ発現するはずのユニークスキルさえ獲得できるので極めて強力です。なお、先ほど倒したゴブリンからは【棍棒術】を獲得しました。)


「えっ! ホントだ。それにレベルが3になってる。」


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 《Name》霧島颯


 《Species》人間(ヒューマン)


 《Level》3


 《Parameter》str:3 vit:2 int:1 min:1 agi:3 dex:2


 《Unique Sukill》無限(インフィニティ)吸収(アブソープション)


 《Rare Skill》【ナビゲーション】


 《Normal Sukill》【棍棒術】

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