いざギルドへ!…どこでもこういうテンプレってあるよね
感想を見る度に頑張らなきゃと思う日々です。
チート系って書いてると楽しい
という事であれからハインベルグ王国の訓練場へと転移した。
条件はどうしたって?アルタに頼った。
訓練場に転移した理由としてはまあ…複数人がいきなり転移してくるってのも色々と混乱招きそうだし…
それとアルタに関しては精霊として契約してるという事にしといた。
アルタ曰く、人型をしており、尚且つ普通の人と変わりない姿をしてる精霊は最高位の精霊である事から力の証明にもなるとアルタに言われて、それで通そうということになった。
案の定驚いてたよ。それ以外?特に何もイベントとかそういうのは無かったんだ…
[事実平和でしたしね]
そんな訳で今現在何をしてるかというと…
「ですから!!私が言った以上私が責任持ってやります!!」
「いやしかしだな…お前もまだ12歳だろう…」
「歳などは関係ありません!!自分の言ったことの責任をとれずして何が王族ですか!!」
「だがなぁ…」
「お父様!!」
と目の前でミラと1人の王の口喧嘩が行われてた。
ここまでの経緯としてはこうだ。
帰還してから帰った事を知らせに行く
↓
そこでアルタがポロッと契約の事を言う
↓
王様大慌てで代わりに責任をうんたらかんたら
↓
口喧嘩勃発←今ここ
よく分からないって?自分もよく分からないから大丈夫。
ちなみにアルタは俺の隣でニコニコしてる。
いや顔にはあまり出てないけどこれはめっちゃニコニコしてる奴だ。
…アルタさんや。楽しい?
[えぇとっても。目に映るもの全てが新鮮に感じますから]
そっかぁー…いい性格してるわ…
[ありがとうございます]
褒めてない…ちなみに王様の名前はラクス・クライヴ・ハインベルグというらしい。王族は全員最後にその国の名前が入るんだとか。
どんな感じの人かって?普通に優しいおじいちゃんみたいな…?
威厳とかそういうのは無いけど、アルタ曰く国民達からの評判はとても良いらしい。
そしてミラのフルネームはミラ・クライヴ・ハインベルグ。
普通にカッコイイ…
[ところでマスター。そろそろ止めてはどうですか?]
そうだね。かれこれもう15分近くしてるもんね。
そんな事を念話で話しながら、喧嘩を止めるために口を開いた。
「あー…2人とも少しいいかな?」
「おお、どうされたのですか」
「お父様!まだ話の途中ですよ!!」
「ミラも落ち着いて…じゃないと話進まないから…ね?」
「むー…分かりました…」
そう言うとミラは椅子に座った。
「さて…で言いたい事なんだけども、ミラとの契約に関しては私が今から言う3つの条件を飲んでくれたらそれで終わりでいいよ」
「3つ…ですか…」
「あー…そこまであれなものじゃないから安心していいよ」
「内容を聞かせて貰えますかな…?」
「内容は――――――」
それから約1時間後、自分は2つの手紙を持って街道を歩いてた。
ちなみに服装はフード付きのコートにしてるよ。フード付きのコート…自分で言ってて思うけどフード付きのコートってあるのだろうか…アルタは俺の中に戻った。
[マスター、あれで良かったのですか?まだ突っ込めたと思いますが]
いいのいいの。自分はあれで良かったの。
[マスターがそういうのであれば。まあやろうと思えば何でも出来ますしね]
そうそう。だからあれで良かったの。
ちなみに自分が出した3つの条件。
1つはミラと友人関係になる事。まあ王族と友人関係にあった方が良いかなと思ったのと、あと時々ミラをいじ…喋りに行きたいからだ。
弄りたいとかは思ってない。うん。
で、2つ目は冒険者ギルドの推薦状。これは異世界と言ったらこれ!と思って書いてもらった。スムーズに進めるためにも欲しかったってのもある。
そして3つ目は…
[奴隷商への招待状ですか。しかも中身は好きな奴隷1人をタダでと書いてますね]
そう。奴隷商への招待状だ。しかも気を利かせてか1人タダで貰えるように書いてもらった。
理由?いや…うん…旅の仲間欲しいじゃん…
[寂しがり屋なマスターですね]
寂しくないから!!アルタと2人だけだとなんというか…ほら、うん。
[寂しいのですね]
そうだよ!!ちょっと寂しいかなって思ったんだよ!!悪いかぁ!!
[いいえ?悪いとは思いません]
声が笑ってるように聞こえるのは気の所為じゃないな…
[気の所為ですよ。えぇ、気の所為です]
絶対気の所為じゃないだろぉ!!
[冒険者ギルドに着きましたよ。入らないのですか]
入るよ!!入りますよ!!くそう…
外見は二階建ての木造かな?なんか見えるけど…魔法障壁的なの張ってあるっぽい。
[イエス。魔法による防護障壁を張ってるようです。マスターの攻撃を受ける以前に余波で破れる貧弱な物ですが]
自分達を基準にしたら大体貧弱じゃない?
そんな話をしながら両開きの扉を開けながら中へと入った。
中は意外と綺麗だった。冒険者であろう人達が食事をしたり掲示板から依頼内容を見たり…うーんTheギルドって感じ。
そして右側の方にカウンターがある。あそこかな?
カウンターの方へ歩き、受付の人に話しかける。
「すみません。登録したいのですが」
「はい、登録ですね。では…」
「あぁ、それとこれを」
と言いながら王様から預かった手紙を渡す。
受付の人も最初頭を傾げてたが手紙の紋章を見ると同時に少し慌てて立ち上がった。
「すいません!少々お待ちを!」
そう言うと奥の方に小走りで走っていった。
やっぱりギルドマスターに通す必要とかあるのかね?
[王直々の推薦状ですからね。その場合ギルドマスターが対処するのが普通らしいです]
そーなのか…というか冒険者ギルドって聞くとよくあるテンプレありそうなんだけど…
[ご安心を。すぐそこに冒険者がやってきてますから]
アルタさんやっぱり辛辣だ…
[ただ事実を話しただけです。マスターに対してなにかしようとしてる時点でただの自殺願望者としか思えないのですが]
そこまで言うか〜…
そんな事を話してると肩に手をかけられる。後ろを見るとそこにはなんというか…嫌な視線を感じる男が立ってた。
[マスターの身体目当てでしょうね。つまりは馬鹿です]
女性は視線に敏感って言うけどその意味が初めて分かったと思う時だった。
「なぁここは初めてなんだろ?俺が色々と教えてや…」
「そういうのいらないから」
そう言いながら肩に乗せられてる手を払いのけると、その男は顔を真っ赤にしてぶん殴ってきた。やだ…沸点低すぎ…?
「調子乗りやがって!!!」
とか何とか言ってるけどぶっちゃけ遅すぎるんだよね。比喩表現とかじゃなくって本当に止まって見える。
[マスターの俊敏力は無限ですからね。敏捷は素早さに関係するステータスですが反応速度とかも含まれます。マスターからすれば人間の動きなんて止まって見えます]
さてここからどうするかを説明しよう。
まず拳をひらりと最小限の動きで躱します。
それと同時にしゃがみながら回し蹴りの構えを取ります。
そしてそのまま相手の顔に放ちます。ベクトルはやや斜め下にしときましょう。
するとどうなるか?
「なっぶがはっ!?」
[相手が床に顔面を突っ込みつつそのまま動かなくなります]
尚床はバキバキに割れてる模様。いやー怖いなー。
[それをスキル無しにやってのけるマスターもマスターですけどね]
よせやい照れ[褒めたつもりないです]あっはい…
「やるなぁ!嬢ちゃん!!」
「いやースッキリしたわ!!」
ん?こいつ評判悪かったの?
[どうやら悪かったようですね。依頼は失敗気味だったり気性が荒かったようです]
そうなのか〜。ところでギルドマスターは…
[来てますね。あの男です]
そう言われた方向を見るとそこには、周りの冒険者とは一風変わった雰囲気を放つ40代ぐらいの男が立ってた。
「おーおー派手にやったな?新人」
「ダメだったか?」
「いんや、奴には丁度いい薬だろうさ。ところで名前は?」
「名前を聞くならまず自分からだと思うけど?」
「そりゃ悪かったな。俺はグレイ。ここのギルドマスターをしてる」
「リュウだ。遠い所から旅をしてここに来た」
普通に男の時と同じ話し方してるけどアルタ曰く違和感はないとの事。女神パワーかね?
「そうか。とりあえず…」
そう言いながらグレイは何かカードみたいなのを渡してくる。これは…
「ギルドカード?」
「その通りだ。お前さんはBランクからのスタートだ」
笑いながらそう言うグレイだが、周りがざわついた。
Bランクスタートは多分異例なんだろうなー…
[異例ですね。王からの推薦状と先程見せた一撃からギルドマスターがそう判断したようです。マスターならSSSランクからでも問題ないのに…]
それを上げていくのが醍醐味でもあるからなぁ。
「そう、ありがと。じゃあ他に行く所あるからこれで」
「おーう。明日から頼むぜ。どうせお前さんには説明も要らんだろ」
そう言うグレイに対し、背を向けながら手を振る。そしてそのまま扉の外へと歩いていった。
[決まったとか思ってます?]
言わんでよろしい。
<SIDE グレイ>
「マスター。説明とかしなくてよかったのですか?」
「ん?あぁ。あいつには必要無いだろ」
俺は受付嬢にそう返す。しかし王直々の推薦状ねぇ…
「お前らにも伝えとくが、あいつには普通の対応しろよ?罵倒とか飛ばすんじゃねーぞぉー」
奥に戻りながらそう言う。
「全く…やべぇ奴を寄越しやがって…俺の<鑑定>で一切見えないって何者だよ」
しかもあの動き…達人とかそういうレベルじゃねぇな。あの馬鹿が倒れる所まで一切見えなかったとはなぁ…まだ現役のつもりだが…
そう思いながら、ただの龍殺しは自分の席に座りながら考えていた。
次回。新たなヒロイン…!
「間隔短くない?」
さくさく進めたいんですリュウさん…