日間ランキングにどの程度書籍化作家が含まれているのか調べてみた。
※このエッセイは「小説家になろう」に小説を投稿した経験のある人向けです。
日間ランキングに載りたい。
正直な気持ちです。
私だけでなく、99.99%の作者はそう思っているのではないでしょうか。
当然のことながら、ランキングに載るだけで自分の作品を読んでくれる人は爆発的に増えます。詳しい数字は忘れましたが、私の連載作品が総合ランキングの端っこに載った時、普段の何倍・何十倍ものPVがついたことにびびりました。
PVだけでなくポイントも増加します。ブックマークが2点と、評価ポイントが最大で10点ですね。
ポイント目的で書くのか、不純ではないかと思われるでしょうけれども、ポイントは感想とレビュー以外に自分の作品を読み、評価してくれている人がいるという明確な指標です。
投稿してみて初めて知りました。ポイントは麻薬です。これの増減が気になって気になって、書くことが手に付かないという本末転倒なこともありました。
このエッセイを書いているのだって、「自分の作品をもっと読んで欲しい」「もっともっとブックマークされたい、評価してもらいたい」という思いを、ある種歪んだ方法で発散させているに過ぎません。
話が逸れました。
とにかくPVと評価ポイントという、作者が喉から手が出るほど欲しいものを簡単に?手にする方法が、日間ランキングに載るということです。
総合日間ランキングの1位を見て下さい。5,000ポイントとか付いてます。
なんじゃこりゃ。自分が一年間書き続けても全く手に届かない数字を、この人は一日で手にするのか。そう思うと時に涙が出ます。やってらんねぇな、と同時に、俺もランキングに載りてぇな、と思って。
でも、載れないんだな。
この格差社会に対して大分フラストレーションが溜まった私の脳は、防衛機制を働かせました。
「俺が悪いんじゃなくて、システムが悪いんじゃないの?」
と。
具体的には、
「ランキングに載るのって、もう書籍化してるような人ばっかりだよね。プロだよプロ。エスタブリッシュメントだよ! だから俺が叶う訳ないじゃん。素人がどうあがいても割り込めないのが今のランキングだよ!」
と。
以上が、このエッセイを書くに至った動機です。いい感じにこじらせていますね。
さあ、ということで前置きはこのくらいにして、タイトルの通り、本日の日間ランキングにどの程度の割合で書籍化作家が含まれているのかを見てみましょう。
方法は以下です。
・調査対象は2019年8月25日17:00時点の総合日間ランキング1位~300位
・書籍化作家の定義は適当。過去に本を出している、既に書籍化が内定しているということが確認できれば、それは書籍化作家と判断。
・ラジオドラマのシナリオというのもありましたが、これもプロだということで書籍化作家に含む。
こんな感じ。漏れは多いでしょうが、ちょっとした暇つぶし代わりに見てみて下さい。
【1位~10位】
(3作家、書籍化作家率30%)
おや、いきなり予想とは違う結果になってしまいました。ここで十人中八人くらいが書籍化作家で、「ほら見ろ! ほら見ろ!」って言うはずだったんですが。1位の方は約5,000ポイントで、10位の方は1,500ポイント。いずれも書籍化作家ではない様子。
やはり実力なのか……。いや、そもそも実力があるから書籍化するんだろうという指摘には全力で耳を塞ぎます。
【11位~50位】
(16作家、書籍化作家率40%)
10位までから10%上昇。いや、そもそも30とか40%という数字は凄く高いんじゃないのか? よく分からない。
ちなみに50位のポイントは628ポイント。
【51位~150位】
(51作家、書籍化作家率51%)
さらに10%上昇。150位のポイントは202ポイント。短編作品でした。
【151位~300位】
(93作家、書籍化作家率62%)
またもや10%上昇し、60%超。どうやら日間ランキングに載るか載らないかのギリギリのところに、既に書籍化された作品が多く存在している様子。
300位のポイントは114ポイント。
以上日間ランキングの300タイトルをチェックした結果、300作品中163作品が書籍化作家の手によるものだということが分かりました。
この数字から何が分析できるのか。全体の書籍化割合もかなり高いですが、上に書いたとおり、特に日間ランキングの低位層は書籍化作品の占める割合が非常に高いということですかね。300位以下もざっと眺めてみたけれど、その辺も書籍化タイトルが非常に多かったです。
その中のかなりの作品が既に完結しているか、長期間更新を停止しているにも関わらず、一日にこれだけのポイントが入っている。更新日にもどれだけブックマークがつくか分からない私の作品とは偉い差です。
書籍化した作品、プロ作家の新作は、すでにそれだけで凄まじい宣伝効果を持っているのでしょうね。
ですがここを突破しなければ日間ランキングに載れません。114ポイント。10人分の評価とブックマーク。評価は一般的にブックマーク10につき1件くらいらしいので(体感)、40ブックマークと4件の評価で120ポイントというところでしょうか。
40人の新規読者を一日で獲得するというのは、実力もそうですが運も大いにからむでしょう。どんな奇跡だよ、と思うレベルです。
良いエッセイならば、ではどうやったら読者を獲得できるか! とかまで考えて論じるのでしょうが、私はここで思考がストップしました。
仮に書籍化作家を除外したランキングがあったら……とも考えましたが、考えるだけ不毛なので止めました。
逆にトップ10に非書籍化作家が多いのを見て、こういう一見不公正(不公正ってのもおかしいですね、誰でも皆はじめは素人だったはずだし)なシステムもぶちやぶっていくのが、本当に力のある作品なのかなぁ、と。
やっぱりつべこべ言う前に、自分の作品をより面白くするべきなんだろうなぁ、と。
そうですね、まずは話を面白くするための努力をしましょう。そうすればきっといつか、どこかで注目される日が来ますよね。
いや、そもそも注目されるのが目的だったのか? ただ書きたいから書き始めたんじゃないのか?
……そうですね。自分が良い話だと思えるものを書いて、それを誰かに読んでもらえるだけで満足ですよね。本当にそうです。
どうやら私は心が弱気になっていたようです。
オチを考えずに書き始めたので、話が妙な方向に向かってしまいました。
これを読んだ作家の皆さんも、ランキングがどうこうとか細かいことにはこだわらず、共に前向きになって創作活動に励もうではありませんか。
エッセイなので、一応最後に結論をまとめておきます。
今回の話の内容を一言でまとめると、それは、「ランキングなんか気に「やっぱりランキングに載りてぇなぁ」という所でしょうか。
……おや?
【追記】
8月27日
そう言ってたら連載が載ってしまった。端っこの方に。
……とりあえず、すぐに落ちるのだろうと予防線を張っておこう。
でも、読んでくださっている方々、ありがとうございます。
8月28日
やはり一瞬で落ちた。
載ったからといって上に行ける訳ではないか……。
夢を見たかった。
しかし短編にはいいオチがついたなぁ。