魔法について
「まず基本の魔法から説明するわ。」
「はい!お願いします!」
俺は目を輝かせながら言った。
「基礎の基礎は二つの魔法に分けられるわ。陽の属性と陰の属性よ。この二つは誰でもどちらか一方を持っているの。稀に両方持っている人が生まれることもあるようだけれど、そんな人は日常で滅多に見ないわね。あと陰の属性の人もあまりいないって聞くわ。」
(なるほど、陰属性の人は前の世界で言うところのAB型みたいなものか。この例えでいけば、両方持っている人はRH-の血液型の人ってことね。)
「それでね、この二つはさらに色々な属性を持っているの。陽属性は火、水、風、木、土、光、癒の七属性。陰属性は蟲、召喚、霧、毒、呪、闇、修復の七属性よ。陰属性はちょっと特殊ね。陽属性を持つ人は陽属性全ての属性の魔法を使えるし、陰属性を持つ人は陰属性全ての属性の魔法を使えるわ。ただし、一つの属性の魔法を覚えるには物凄く練習しなきゃならないの。極めようと思うのなら、尚更頑張らなくてはならないわ。だから皆全部の属性を覚えようとはしないの。精々二つくらいかしらね。それぞれの属性の特性は学校に行ってから習うといいわ。」
少し情報量が多かったが、俺は大体理解した。
「自分が陽属性なのか陰属性なのかを知るにはどうすればいいんだ?」
俺は気になったことを質問してみた。
「あ!それはね、、。」
そう言ってリファはある建物の前で止まった。
「ここよ!属性判定所。ここで知ることが出来るわ。今からユーマの属性を判定してもらおうと思うの。いいよね?」
「もちろんOKです。」
(おお、なんかワクワクしてきた。魔法、早く使ってみたいなぁ。)
属性判定所の中に入ると受付が五つくらいあって、綺麗な女の人(耳の先がやや長い)やゴリゴリの獣人(ゴリゴリというよりゴリラ)が座っている。すると、受付の一人の妖しげな女の人が俺を呼んだ。
「そこの変な服装しているあなた。こちらへ来なさい。私があなたの属性を判定するヨキナよ。よろしくね。」
ヨキナさんはニッコリ笑ってこちらを見て言った。
「よ、よろしくお願いします。」
こんな綺麗な大人の女性と話すことはあまり無かったからか、とても緊張した。
「ユーマ?なにをそんなに固くなっているの?」
リファが隣から様子を見ている。
「な、なんでもないよ。」
ヨキナさんはニコニコしながら
「それでは、私と握手してください。」
と言った。
「ええ!?あ、握手ですか!?な、なにゆえそのようなことをしなければならぬのですか!?」
俺は死ぬほどテンパってしまった。同年代の女の子とは喋れても年上の女の人とは流石に無理だった。
「あなたの属性を調べるにはあなたの体のどこかに触れなければならないのよ。それとも、手以外の場所がよかったかしら?」
ヨキナさんは大人の笑みを浮かべて言った。
「い、いや、手、手でいいです!手で結構です!」
どうやら、からかわれているらしい。
「さて、冗談は置いておいて。とりあえず手を握ってくれるかしら。」
ヨキナさんにそう促され俺は手を握った。
「では、調べますね。ケイパヴィリティ!属性解析!」
すると、握っている手の辺りがぼんやりと光りだした。
「はい!解析が終了しました。あなたの属性はですね、、、。」
俺はゴクリと唾をのんだ。