ウォーダム陥落
ウォーダム廊下
「、、、ん。朝か、、?」
ユーマはフィルネの人々の外から騒ぎ立てる声で目覚めた。
「うっ、、痛てぇ、。体、、動かねぇ、。、、リペア!」
ユーマは全身の骨が骨折しており、動ける状態ではなかった。
「ふぅ、、。どうやら治ったようだ。しかし、今のリペアで結構体力持っていかれたな。さて、、、なんだか街も騒がしくなってきたし、さっさとここを出ようか。」
ユーマが立ち上がると、床にはウィルと2つに別れたランツの遺体が横たわっていた。
「ぐっ、、。なんで真っ二つに、、。ウィル、、。結局お前のことは最後まで分かんなかった。けど、贖罪の剣が赤って言ったから、もう殺すしかないんだ。ごめんな。」
ユーマは倫理観を失っていた。人を殺すことは初めての行いだった。終わってしまったことにただ呆然とすることしか出来なかった。
「『その通りだ。お前の復讐は私の目にかかっている。私が赤だと言えばお前は迷わず、そいつを殺せ。』」
贖罪の剣の声がする。しかし、いつものように腰元辺りの剣が話している訳では無い。声は後ろから聞こえてきた。ユーマが後ろを向くと、シャドウ・マリオネットが立っていた。
「な、、贖罪の剣なのか?なんでその姿、、。どういうことだ。」
ユーマは困惑していた。
「『私自身も剣になってから長い時間を過ごしてきたが、こういったことは初めてだ。だが、いつまでもこの姿で居られる訳では無いようだ。居心地が良かったのだがな。残念だ。』」
そういうと、シャドウ・マリオネットの姿の贖罪の剣は溶けるようにユーマの影に潜り込んだ。
「なんだったんだ。まあ、一刻も早くここから逃げ出すのが先か。」ウォーダムを後にした。
とある街 某所
「ウィルとランツが殺された?誰に?分からない?いい加減な報告してんじゃねぇよ!剣を持った男?ボスの目当ての男か?そうじゃねぇのか?ハッキリしねぇなら死んじまいな!」
男は激昂し、報告係の男を瀕死に追い込んだ。
「ちったぁマシな奴は?居ねぇのか?その件の男なら?楽しませてくれるかもなぁ!」
フィルネ郊外
「『おい。お前が敵を殺し、私の魔力が少し上がった。そこでお前に朗報だ。私の能力が1段階強くなった。次の敵の位置を把握出来るようになった。次は南西だ。』」
贖罪の剣が影から話しかける。
「なんだそれ。じゃあお前、これから仇をどんどん殺していけば、便利な七つ道具に大変身するのか?」
ユーマは鼻で笑いながら贖罪の剣に返す。
「『そういうことだ。お前の復讐が終わる頃には私の魔力は今よりも高いものとなっている。その魔力の一部でお前の願いを叶えてやるということだ。』」
贖罪の剣は素直に答える。
「、、、なるほど。とにかく次は南西なんだな?じゃあ、俺は復讐に集中するさ。」
ユーマは贖罪の剣の話を軽く流した。もう次の復讐相手のことで頭がいっぱいのようだった。
ユーマは次の敵を目指し、南西に進む、そこにどんな苦難が待ち受けているかも知らずに。




