表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
贖罪の剣  作者: 金田 歩夢
第二章 ウォーダム
14/21

贖罪の剣VSランツ

「『ふん!』」

贖罪の剣は剣を横に振り、ランツの首を狙う。

「効かないよねぇ〜。そんな攻撃さぁ!」

刃はランツの首を確かに捉えたが、鋼鉄のような首に鈍い音を立てながら弾かれた。ランツは体制が崩れた贖罪の剣を左の拳で狙う。

「『ふふっ、人間の打撃など恐るるに足り、んっ!?』」

ランツの拳を右腕で受け止めようとした贖罪の剣が、廊下の端まで吹き飛ばされる。

「『、、、。ぐっ、、。お前、、もしや、、人間ではないな?』」

折れた右腕を左手で支えながら贖罪の剣がランツに質問する。

「あれあれぇ〜?またバレちゃったねぇ〜。そうだよぉ〜。俺はぁ〜、シャコの獣人だよぉ〜。油断禁物ってやつだねぇ〜。」

ランツが笑いながら贖罪の剣の方まで走ってくる。

「『これは実に厄介な相手だな。刃も通らず、打撃は人の数十倍。私も本気を出さざるを得んな。』」

贖罪の剣は自身を左手に持ち替え、ランツに向かっていく。しかし、外傷を負っていないはずの左足が動かない。

「『、、っ!なにっ!?左足が動かん。どういうことだ。、、、っ!』」

身動きの取れない贖罪の剣の横腹に、ランツは右拳で渾身の一撃を放つ。

「あはははぁ〜。死んだかなぁ〜?どうかなぁ〜?」

贖罪の剣は間一髪、自身の剣先でランツの打撃を弾いていた。

「『、、。おい、私の左足が動かなかったが、あれはどういうことだ。私に何をした。』」

贖罪の剣が、ランツに問う。

「俺のケイパビリティに決まってんじゃ〜ん?そんくらい考えりゃ分かるっしょ。まあ、『どういう能力か』、までは教えてあげなぁ〜い。何も分からないまま死ねっ!」

ランツが右手を引き、そのまま贖罪の剣の顔を目掛けて拳を放つ。

「『まじないうつ。』」

贖罪の剣が一言放つと、ランツの右拳は顔ではなく、地面に放たれた。

「、、、。あぁ〜?君こそ何したのぉ〜?俺の右手、地面に『落ちちゃった』んだけどぉ〜。」

ランツは贖罪の剣に問い返す。

「『落ちる、、か。良い表現だな。その通り。お前の腕に呪いを掛けた。陰鬱の呪いというものだ。この呪いは触れた箇所に力が入らなくなる。それどころか、何倍にも重くなる。ふふ、、、お前も動けなくなったようだな。いい加減、お前の隠している力も教えるがいい。』」

贖罪の剣はニヤつきながら答え、またランツを問いただす。

「、、、。ま、いっかぁ〜。俺のケイパビリティはぁ〜『頑固者』だよぉ〜。身体の一部を硬化させることが出来るからぁ〜、俺が攻撃する時も、君が動けなくなった時も同じケイパビリティを使ってたってことぉ〜。頭良いでしょ〜?」

ランツは不振な笑みを浮かべつつ答える。

「『なるほどな。まあ、お互いの力が知れたんだ。ここからは「フェア」にやろうじゃないか。』」

贖罪の剣が呟くとランツは正面から急所を狙ってきた。しかし、贖罪の剣はひらりと躱す。

「あはっ、まぁこのくらいはぁ〜、避けてもらわないとぉ〜、困るかなっ!!」

ランツは贖罪の剣を手数で追い込もうとする。

「『甘いな。それだけでは、私には勝てまい。』」

贖罪の剣は、一手二手と先を読み、全ての攻撃を去なす。

「これだけじゃねぇって、さっき言ったよなぁ!」

ランツは贖罪の剣の両足を固定し、動きを止める。

「『呪。鬱。』」

それに呼応するように、贖罪の剣もランツの動きを封じる。

「っ!?イライラすんなぁ!!」


戦いは熾烈を窮めた。ランツ、贖罪の剣共に一歩も譲らない。しかし、闘争とは一瞬の気の緩みが決着に繋がる。そのことをどちらかがその身を持って知ることになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ