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008「水紋」

――今日は日曜日。学校はお休みだけど、消防署は年中無休なので、ヒカルさんは朝早くから出勤して行った。だから、今この家に居るのは五人で、カオルさんとマサルさんは、まだ、それぞれのお部屋で眠っている。どちらも、お昼まで起きてこないだろう。


「直りそうですか?」

「えぇ。たぶん、蛇口にあるパッキンが劣化しただけだろうと。――サトル。レンチを取ってくれ」

「かなづちが、レンチを渡す」

「自虐しなくて結構」


 背後からカスミが眉根を下げながら心配そうに見ている前で、マリンボーダーのポロシャツを着たサトルが、チェックの半袖シャツを着たトオルに工具を渡す。トオルは、受け取った工具で洗面台の開き戸の中にある配管のボルトを締める。二人の側には、金属製の赤い工具箱と、替えのシャンプーやら歯ブラシやらが入ったカゴが置かれている。


――ポタッポタッと雨だれのように水滴が止まらなかったので、佐々木家のエンジニアに救援を要請した次第。そして、目下、有能な助手付きで作業が進んでいる。


「何か、お手伝いできることはありますか?」

「いいや、結構。ここはサトルと二人で手は足りてるから、カスミさんは好きにしてください」

「そうそう。僕たちに任せて」

「そうですか。では、終わったら呼んでくださいね」


 二人はカスミにそう言うと、そのまま作業を続ける。


「自力で直せば五千円も掛からないんだよな、これくらい」

「業者に喧嘩売ってるの、トオル兄ちゃん?」

「違う。これは、ディーエーワイ精神というものだ。――ドライバーを取ってくれ。マイナスのほうだ」

「ドゥー・イット・ユアセルフか。――免許のいらない、ドライバー」

「洒落は要らない」


――こうして見ると、トオルさんとサトルさんは、ホントに仲が良いんだなぁと実感させられる。輪に入れないのは、ちょっと残念だけど。

 

 カスミは、やや寂しげな目をしつつ、その場をあとにした。

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