その5
ゆーろ大統領の核攻撃が炸裂した日、漣博士は実験が失敗したことを察して自決した。あろうことか、激おこぷんぷん丸マミーに投票することによって自ら爆死する道を選んだのだ。ハカセ!? ハカセナンデ!?
知らない人のために説明すると、『激おこぷんぷん丸』は『自分に処刑票が入るたびに怒りゲージが上昇。げきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリームに達すると、自分に投票した者をすべて処刑する』という村側能力者である。加えて彼女は自らCOしていたので、あえて投票する理由は何ひとつない。にもかかわらず、漣博士は意味不明な投票によって理解不能な爆死。
この不可解な爆死事件には参加者の誰もが唖然とした。このようなバランス崩壊sazanami村に99人も集めておいて自分は謝罪会見もせず自殺したのだから、残されたほうは『は……!? ふざけんなよsazanamiiiiii!!』となるのも当然であろう。
同日、ここまで出番のなかった(今後もないであろう)フェオンとウォンも同様に自殺したが、そんなことはどうでもいい。自称幼女のフェオンは『出番がほしかったーー!』と叫んで死んでいったが、そんなアホな投票しておいて何言ってんだコイツ。……ってか、ッざけんなよ、サザナミィィィーーー! なに勝手に自殺してんだコルァァアアアアーーー!
言うまでもないことだが、このクソッタレな漣博士の死を悼む者は一人もいなかった。以下は各界から寄せられた、博士への弔辞である。
「さざなみのヤロー墓下に逃げたな!」 フィア
「さざなみさんが死んだ やったぜ」 デブマーン
「サザナミ君何をしたくてこの村建てたの?」 ブタ
「さざなみさんが頭さざなみと言われる理由が良く分かってしまった」 フィオナ
「sazanami君、恋陣営を俺一人残して自決までするの、流石に酷くない……///?」 伯爵
伯爵だけ悲壮感が漂っているが、彼の置かれた境遇を考えれば是非もない。もともと彼は、この実験が始まる前から博士に対して幾度となく警告してきたのだ。この村の設定はバランスおかしいから考えなおせ、と。おまえ頭sazanamiか、と。それでも博士はまったく改めようとせず、実験を強行。伯爵の予想通り村は崩壊し、博士は自ら命を絶って逃亡したのであった。
この村に参加した者は全員が被害者だが、最大の被害を受けたのが伯爵であることに異論をはさむ者はないだろう。この点においてのみ、漣博士には賞賛が贈られても良い。よくやった。
だが真相を明かせば、博士は決して自殺したわけではなかった。フェオンとウォンも同じだ。彼らはマミーの臨界点が今日ではないと判断して、ちょっとした火遊び気分で投票しただけなのだ。ところがこの日、処刑人ミキティが能力起動。処刑が2回おこなわれ、投票も2倍に。マミーの着火がカムファイヤーでフルバーストばよえ~んして、博士を含む3名は不慮の爆死をとげたのであった。……ま、まぬけすぎる。
進行中の村では皆一様に『クソさざなみ野郎が自殺しやがった! 死ね! ファーーック! もう死んでやがった! 墓から掘り返してもう一度殺せ!』などと責めたてていたが、繰り返し言おう。漣博士は断じて自ら死を選ぶような卑劣漢ではない、と。ただマヌケすぎただけなのだ、と。繰り返す、さざなみ野郎はマヌケすぎただけなのだ! だからこんなファッキン糞村を立ててしまった上に、小学生みたいな火遊びで爆死してしまったのだ! 注意1秒怪我フォーエバー!
もっとも、ガソリンスタンドで全裸になって火遊びするような人間は自殺志願者と思われても不思議はない。事実、エピローグに至るまで誰一人として博士の意図的な自殺を疑いもしてなかったのだから。一応念のため、不当に博士の名誉を傷つけないようログをさらってみたが、『これは何かの間違いです! さざなみさんが自殺なんてするはずありません!』と擁護している者は一人もいなかった。見たか、これがさざなみの信用と人徳だ!
いや……うん、誰がどう考えても、そもそもマミーに投票する意味ないよね……? なにやってるの、この馬鹿ども3名……。そんなにダーウィン賞がほしかったのかな……? キミたち初心者じゃないんだから、『いまは投票しても大丈夫だけど、もし処刑人が動いたら爆死するかも』って予想できるよね……?
そんな著しく危機管理能力の欠如した漣博士は死後の霊界で『QMB(急にマミーが爆発したので……)』などと必死に言いわけしていたが、そもそも最初から火遊びなんかしなければいいんだよ! 『ここにダイナマイトがありますよ。火をつけないでくださいね?』ってマミー本人が警告してるのに、なんでわざわざ火をつけに行くんだよ! ダチョウのコントか! おまえら全員上島か!
いずれにせよ頭のイカれた漣博士は死んだ。ナム・アミ・ダボォ!
この日を境に人狼ゲームは終了し、処刑投票をめぐっての暗鬱な政治ゲームが始まる。村陣営、狼陣営、そして最大の票数を有する蝙蝠を含む第三陣営の、三国志もかくやという三つ巴バトルが繰り広げられることとなるのだ。かつて誰も経験したことのない、人狼ゲームという名の全く異なるゲームが執り行われる!
次回! すぎさまの、すぎさまによる、すぎさまのための奴隷解放運動が始まる!
幼女でないほうのラムは死ぬ! ざまあ!
次回予告のあるダイジェストって珍しいな!
さぁて、この次も(悪口を)サービス、サービスぅ♪




