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幕末†恋姫~新選組☆恋風録~  作者: 疾風海軍陸戦隊
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真夜中の出会い

「は~ここが幕末時代の京都か・・・・」


俺は夜、新選組の屯所から出て夜中の京都の街を歩く。まあ、夜中だから人から少し寂しい感じだが、夜中なんで仕方がない、その代わり塀から伸びた桜の花が月夜に照らされひらひらと舞い散る


「現代生まれでネオンとかそう言うのに慣れている俺にとっては少し暗いけど、幸い月光りのおかけで少しは明るいな」


俺は夜道を一人で歩く。周りを見ると本当に現代とは違う時代、しかも全く違う世界にいるという現実が実感できる。


「義父さんや義母さんたち心配してるかな・・・・俺がいなくなったて知ったら」


俺は元の世界にいる家族のことを思い出す。するとふっと久遠義母さんのことを思い出す。



数年前


あれは俺がまだ小さい時のことだ。家族がなく孤児となった俺が新田家の養子に決まったのだが、あまり家には馴染めず眠れない日が多かった。そこで俺は部屋から出てしばらく廊下にある縁側に座り、夜空を眺めていた。すると・・・・


「剣一?」


振り返るとそこには真っ白い和服姿の久遠義母さんがいた。


「どうしたんだ?こんなところで??」


「あ、そのえっと・・・・・」


怒られるかと思い俺は少し震えながら言う。久遠義母さんはその様子を見て俺を安心させるためかやさしく微笑んで俺の頭をなでる


「ははぁ~さては寝付けぬのだな。しょうがない奴だな」


そう言うと久遠義母さんが俺の隣に座る。今夜は十五夜の満月であたり一面月の光で明るかった。


「月が奇麗だな剣一」


「・・・・うん」


しばらく月夜を久遠義母さんと一緒に見ていた。すると・・・・


「・・・・・・剣一」


久遠義母さんはゆっくりとそして優しく俺に言葉をかける


「我はもちろんみんなには剣丞の子はいない。正直言って我もお前の実の母親ではない。だが私にとってお前は実の子と同じだ。だから、少しづつ慣れていけばいい、我を母だと思って接してくれ」


笑いながら俺の頭を優しくなでる。俺はその言葉に嬉しさを感じた。何か今まであった心の穴が埋まったというような感じだった。気がつけば俺は目から涙を流していた。悲しく涙じゃない。嬉し涙だった。


「ん?どうしたんだ剣一?泣いているのか?」


久遠義母さんは俺が泣いているのに気づきおろおろとしていた。だが俺は久遠義母さんに抱き着いた


「け、剣一?」


「‥…さん」


「え?」


あまりにも小さな声に久遠は首をかしげているが、久遠はその言葉を聞き取ることができた


「お義母さん……お義母さん」


俺はひたすらその言葉を言い続けた。それを聞いた久遠義母さんはにっこりと微笑み


「ああ、我はお前の母だぞ。剣一」


久遠義母さんはずっと俺を抱きしめそう言い続けてくれたのだった。







現在


「今思うと懐かしいな・・・・」


俺は昔のことを思い出しながらそう言う。


「さて、そろそろ戻らないと、明日は入隊テストみたいだし」


俺は元来た道を戻ろうとするすると・・・・


「……失礼」


急に後ろから声をかけられる。振り向くとそこには編み笠をかぶり、腰に刀二本差した浪人らしき人だった。なんか雰囲気からして嫌な感じがした。


「な、何でしょうか?」


俺は恐る恐るその浪人に言う。すると浪人はにたっと不気味に笑い


「なあに、簡単なことだよ。剣客たるもの剣の腕が命だというのは知ってるよな坊主」


「あ、ああ・・・・」


するとろうにっは腰にさしてある打ち刀を抜く。


「なら話は早えな。剣客たるもの剣の腕を鈍らせないため人を斬らないとなぁ!!」


そう言い、浪人は俺に斬りかかる。


「うわぁ!?」


俺はとっさにその一撃をよける。そして俺はひたすら逃げ、浪人はしつこく追いかけてくる。壬月お姉ちゃんと春蘭お姉さんに比べればそんなに怖くはないし、俺でも倒せそうな感じはしたのだが今の俺には武器がない。元の世界には銃刀法云々、ましては修学旅行で京都に遊びに来た俺に刀なんて武器なんて持っているはずはない。くそっ!…どうすれば・・・


「おのれ!ちょこまかと~死ねやぁぁ!!」


そう言い浪人は刀を振り上げ俺に斬りかかろうとした。しかも運が悪いことに後ろは行き止まり、もはや万事休す!だが・・・・・


ガキンッ!


すると誰かが俺の前に立ちその浪人の一撃を刀で受け止める。その一撃を止めてくれた人は長い青色の髪をして首にマフラーをした女性で髪が月の反射できらきらしていた。そして彼女が着ていた浅葱色のだんだら模様をした羽織りだった。そして彼女は俺に振り向き


「・・・・・少年。敵を前に逃げるなんて士道不覚悟よ・・・」


そう言うのだった。


「なっ!誰だ貴様ぁ!!?」


浪人は彼女にそう叫ぶ。すると彼女はまるで氷のように冷たいまなざしで


「わたしか?私は京都守護職預かり「新選組」三番隊組長・・・・・斎藤一さいとうはじめよ・・・・」


そう名乗るのだった。



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