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幕末†恋姫~新選組☆恋風録~  作者: 疾風海軍陸戦隊
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剣一お使いとストーカな美風 その2

花桜梨にお使いを頼まれた剣一は手紙を幕府の奉行所へと届けるべく屯所を出て、一方、花桜梨に頼まれた美風は陰で剣一の監視をしつつ、彼にばれないようにこっそりとついていく


「まったく。なんで私が。いくら局長や副長の命令とはいえ・・・・」


と、ぶつぶつ不満を言いながらこっそりついていく美風。すると・・・・


「ん?」


「っ!?」


急に剣一が振り向き美風は慌てて、隠れる。


「気のせいかな?今誰かにあとをつけられたような・・・・・・」


と、首をかしげてそう言うと、奉行所の方へ歩き出す。それを見た美風はほっと溜息をつき


「まったく。なぜ私が慌てて隠れなくちゃいけないのだ」


とそう呟きながら再び剣一の後を追いかけるのであった。


「う~ん・・・・京の街って意外と広いな・・・・」


一方、剣一は美風に見守られていることも知らず花桜梨に渡された奉行所の手紙を懐に入れ地図を見ながら街を歩いていた。


「たぶん今歩いているのが・・・・・三条通りかな・・・う~ん。今の時代と風景が全く違うからわけわかんねえ。それに俺、京都に来たの修学旅行が初めてだったしな・・・」


地図とにらめっこをしながらそう言う剣一。実際、剣一は修行の一環として父、剣丞とその母たちに南アルプスの登山や富士樹海などの各地の山々にはいったことがあるのだが、こうした修学旅行などの定番の街や観光地に来たのはこれが生まれて初めてだったのだ。そのため剣一は地図を見てもここがどこなのかが全く分かっていなかった


「それにしてもお使いなんて、雀姉ちゃんと烏姉ちゃんと一緒に言って以来だな・・・・・・姉ちゃん今頃どうしているのかな・・・・・」


俺は幼い時のころを思い出す。よく買い物を頼まれたときは翼雀義姉さんと烏義姉さんの雑賀姉妹と一緒に行ったっけ。それで帰るとき疲れた俺を烏義姉さんがよく背負ってくれたっけな・・・・・そう言えば姉さんたちクレー射撃の世界大会に出るとか言ってヨーロッパへ行っているけど優勝したのかな・・・・・そんなことを考える中、俺は花桜梨に渡された手紙を見て


「早くこの手紙を奉行所に送り届けないと花桜梨。うるさいしな・・・・・」


と、そう言い剣一は今朝のことを思い出す。山南さんと別れた後俺は花桜梨の部屋に着くと花桜梨が仏頂面で部屋にいた


「花桜梨。どうしたんだ?」


と俺がそう訊くと花桜梨は一通の封筒を出す


「・・・・・これは?」


「見てわからぬのか?」


「封筒・・・・・」


「わかっているじゃないか。言いたいこと。わかるな?」


「いや。わからないけど?そもそもその封筒、なにが入っているの?」


と俺がそう訊くと花桜梨ははぁ~とため息をつき髪を掻くと


「わからない奴ね。いい?あんたは新選組の隊士であり私の小姓だということはわかっているわよね?」


「ああ、それとこの封筒なんの関係が?」


「簡単な話、あんたに仕事をあげるのよ。任務はこの封筒を奉行所の役人に届けること。それがあんたの任務よ」


「なんだ。簡単な・・・・・」


「言っておくけど、その封筒の中身はとても大事なことが書かれているから、落としたり無くしたら場合は即切腹だから。気を引き締めなさい」


「は・・・はい」


「よろしい。ではすぐに行ってきなさい」


と、そう言われ現在に至る。


「う~ん・・・もうそろそろ奉行所につく頃なんだけどな~」


俺は地図を見ながらあたりをきょろきょろと見渡していると


「おっ!お前剣一じゃないかよ~!!」


「あれ?美虎?」


そこへ多数の隊士を連れた美虎が槍を担いでやって来た。おそらく街の見回りだろう


「ん~どうしたんだ地図とにらめっこして?新しい遊びか?」


「いや、俺は花桜梨に頼まれて手紙を奉行所に届けに行くんだよ」


「手紙ね~ま、私には関係ないことね。で、剣一。手紙を奉行所に届けるのに何地図とにらめっこしていたんだ?」


「ああ、実はその奉行所が見つかんなくって」


「たくしょうがないな・・・・ほら、地図貸してみろ」


「え?ああ」


俺は美虎に地図を私美虎は地図を見る


「ああ、この奉行所か。それならこの地区とは反対の方だぞ」


「え!?まじか!?」


「ああ、本気と書いてマジだ。お前、逆の方を歩いていたんだな。それじゃあ見つかないわけだよ。バカだな~剣一は方向音痴にも限度があるぞ」


と笑って言う美虎。


「そんなに笑わなくてもいいじゃないかよ。俺、京の町初めてなんだし」


「アハハ~悪かったって。それじゃあ、その地区まであたいが案内・・・・・・ん?」


美虎がそう言おうとすると美虎は剣一の背後の建物の陰で剣一を見ている美風に気付き、そして美風も美虎の目を見て


『余計なことするんじゃないよ美虎!!』


と、ものすごい形相で睨んでいた。それを見た美虎は


『わかってる。わかってるって』


と、目線でそういうと、


「悪い剣一。あたい見廻りの途中だった。だから一緒に行けないよ。すまんな」


「まあ、仕事だから仕方ないか。大丈夫だよ。場所も教えてくれたし、それにこれは俺の仕事だからな。ここは頑張るよ」


「よく言ったな!まあ、がんばれよ」


と、そう言い美虎は去って行った。それを見届けた俺は


「さて、美虎が言っていた地区は・・・・・あそこか」


と俺は美虎に教えられた道を行くのであった





「・・・・ふぅ~まったくひやひやさせる」


一方、建物の陰で剣一を見守っていた?美風はため息をつく。するとそれを見ていた町の人たちは


「何?あの人、先ほどからあの少年を追いかけているけど?」


「不審者かしら?役人呼んだ方がいいかな?」


と、ジト目で美風を見るのであった。そんな視線に気付かず美風は


「さて、あいつがちゃんと奉行所につけるか監視しないとね」


と、そう言い再び剣一をこっそりと追いかけるのであった

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