入隊試験試合2 剣一対雪菜、そして菊の天才児
「次は私、新選組2番隊組長、永倉雪菜新八が相手よ・・・・・・」
最初の試験相手である原田左之助に勝った剣一だが次の相手はショートヘアーが特徴の少女、永倉新八だった。長倉新八といえば新選組幹部の中で戊辰戦争を生き抜き一番長生きした剣客で、彼・・・・いやここでは彼女か。で、彼女が書き残した『新選組顛末記』は現代でも貴重な資料となっている。
「さあ、どうしたの?さっさとかかってきなさい。それとも怖気着いたのかしら?」
と、永倉さんがそう言うと俺は刀を握りなおしそして正眼の構えをした。。そして
「では第二試合。入隊希望者の藤田剣一と新選組二番隊組長長倉新八の試合を始める、では・・・・・はじめ!」
と、土方さんの号令で永倉さんが刀を構え突っ込んできてそして突きを炸裂させる。俺は紙一重でそれを躱すが、その時、永倉さんは怖いくらいの笑みを見せていた。その瞬間。ものすごい殺気がし俺はさっき永倉さんの持っていた刀を見るとその刀の刃が俺の腹の方へ向いていた。
「(やばい!これって平突きか!?)」
俺は永倉さんが横薙ぎの攻撃をする寸前すぐに腹の方へ刀を下下げてこれを防いだ。永倉さんはいったん俺から距離を取り
「へ~なかなかいい反射神経をしているわね・・・・・あれ受け止めていなければ今ごろ腹をバッサリ斬られていたわよ」
「・・・・随分エグイことを言うんだな」
「ええ、ここは即戦力を必要とする場所であって剣術道場じゃないのよ。半端な腕だったら切り落とす。それが新選組の入隊試験よ。ただあの突き躱されてわかったは。あんたにはこの構えでやった方がいいってね」
と、そう言い永倉さんは突きに似た構えをする
「試験で出す気はなかったけどあんたには私の流派天然理心流のの構えで全力で相手をするわ・・・・覚悟はいいわね!!」
そう言い、彼女は俺に横薙ぎやら突き技やらいろんな技をさくれるさせた。その一撃一撃が重くまるで一葉義姉さんや春日義姉さんみたいだ。俺はその一撃を防ぐのに精いっぱいだった。だがそれを見ていた隊士幹部たちは
「あの永倉さんと渡り合っている・・・・・さすが土方さんが連れて来ただけのことはあるわね・・・」
と、三つ編みの少女が呟き、その隣にいた先ほど試験官に志願した幼げな少女も
「あは♪あいつ面白いわね!早く戦いわね」
と、ウキウキしながらそういう。そして近藤こと桜と花桜梨は
「あの雪菜と互角なんてね。やっぱりあの剣一って子いい腕しているじゃないのねえ、花桜梨?」
「いや・・・・まだまだわかりませんよ」
二人はそう話し合いながら試合を見る。そして今、剣一と雪菜は鍔迫り合いの状態でにらみ合っていた。そして互いに押し距離を取った後二人はじっと相手の動きを待っていた。すると・・・・
「・・・・・・まさか。私の天然理心流の攻撃を受けても死なない人がいるなんてね・・・・あなたならここでも生き抜けるかもしれないわね・・・・・」
「え?」
そう言うと、彼女は構えるのを止めて刀を鞘に納める。
「・・・・・合格よ。私からはね」
「え?いいのか?まだ一本とってないぞ?」
「ええ、素性については疑っているけど、あんたの実力は認めるわ。もしあんたが口先だけの半端な腕の奴だったらたとえ私から偶然一本取っても、その後の戦闘で無駄に死ぬだけよ。だけどあなたは違う。あんたの腕ならおそらくここに生き残れる実力があるわ。待っ、今のは私の意見だけどね。・・・・・・花桜梨」
「何、雪菜?」
「私は降参するわ。こいつの勝ちにしてやって」
「わ、わかったわ。勝者藤田剣一!!」
と、そう言うと永倉さんは剣一に一礼し土方さんの方へと歩く
「・・・・・で、どうだった戦ってみて?」
「そうね・・・・・ま、花桜梨の目は正しかったって言っとくわ。」
「そう・・・・・」
そう言い、永倉さんは道場の隅っこに座る。
「さて、次はだれがやるの?」
と、土方さんがそう言うと
「はいはいはい!次は菊代がやりま~す!!」
と、どことなく綾那姉ちゃんみたいな雰囲気を漂わせた歳を見ても13歳くらいの少女が手を振っていう。すると隣にいた斎藤さんが
「副長。私は最後でかまいませんので」
「そう・・・・・わかったわ。じゃあ菊代。前に出なさい」
「はい!」
そう言い、その菊代と呼ばれた子が俺の前に出て
「やあ、次の相手は私だよ。あ、自己紹介がまだだったね。私は新選組一番隊組長の沖田菊代総司だよ♪」
「え!?」
え!?あの少女があの新選組の天才児と、言われたあの沖田総司だって!?俺がポカーンと口を開けていると
「ほら。名乗ったんだから、君も名乗りなよ。それが礼儀でしょ?」
「ああ、ごめん。俺は藤田剣一って言うんだ。よろしくね」
「うん。よろしく♪」
なんていうか人懐っこい子だな・・・・・なんか鞠お姉ちゃんと彩那姉ちゃんを混ぜたような人だな・・・・そして剣一と菊代は互いに剣を構える
「挨拶はすんだ?じゃあ、第三試合始めるわよ・・・・・・はじめ!」
と、土方さんが試合開始の号令をした瞬間、目の前にいた菊代の姿が消えた。俺はいきなりのことに驚くと背後から
「は~い♪菊ちゃんはここで~す!」
「っ!?」
いつの間にか俺の後ろに菊代がいて刀を振り下ろしてきた。俺は間一髪のところで避けたんだがその瞬間頬を切ってしまい血が流れる
「あれ?避けられちゃった?まあ、良いや次は必ず仕留めるから♪」
と、無邪気な笑顔で彼女はそう言うのであった。これは思っていたよりもやばい子かもしれない俺はその時そう思ったのであった。




