8話 『知り合い出来る』
ある貴族の少年は父親の知り合いに会うために、ある村に向かっていた。
「父さん、ぼくはまだ父さんの知り合いってどんな人ですか? 何度も父さんとそこに出かけますが一度も会ったことがないんですから興味があるんですが」
「まあ、また今度会わせてやるさまずは村の子供と友達でも作ったらどうだ、お前家で鍛錬や勉強だけど友達なんていないじゃないか」
呆れながら少年の父親は言った。
「いや、僕は作るつもりなんですけど、むしろ何で僕の日常は鍛錬と勉強ばかりなんですか? たまに出かけるのってこれぐらいなんですが、むしろもっと母さんに言って頂いた方がいいのではそれ」
「そうだったな、あいつは教育ママだったな、忘れてたよ仕事ばかりで」
少年は呆れながら
「いつか愛想突かされそうな発言ですね」
「やめてくれないかギルーツ」
父親は頭を抱えた。
そして村に着いた。
「じゃあ、俺は言ってくるからお前は村のことでも遊んで待っておけ」
「……はあ、わかりました」
そういって父親は行ってしまった。
すると、
「久しぶり、ギルーツ君私のこと覚えてる?」
「ちょっと、何あんたが話しかけてんのよ?」
「はあ、お前ら私が声を掛けようとしてたのになに勝手なことしてんのよ」
「ふざけんじゃないわよ! 彼は俺の男よ!」
いきなり話しかけられたと思うと急に喧嘩が始まった。
そして一人男も混ざっていた。
村の子たちは自分を慕っているように見えて男以外明らかに玉の輿を狙っているように見えていたギルーツはため息をついた。
男に関しては身の危険しか感じないくらい目がやばかった。
正直うんざりしていたギルーツであった。
(まあ、それでももう一人隠れてるのは確かルレーテと言った女の子か、あの子は純粋に僕の子とを好きだが話しかけれないと言う感じかな、僕自身恋を感じたことがないからあの子の思いに応えられないが、やはり僕はまだまだ子どもってことかな8歳だし)
そう思っていると、一人の女の子がチラッと見て興味もなさそうに通り過ぎた。
ギルーツは何度もこの村を訪れていたが見たことがなかった。
「なあ、あんな子いたかい? 会ったことがないと思うんだが」
すると村の子は、
「ああ、あいつ嫌な奴だよ、自分の家が少し裕福だからって鼻にかけるのよあんまり関わらない方がいいわよ」
「そうそう、あんな奴どうでもいいわよ」
「そんなことより、そこの草むらで俺といいことしよう」
「お前、ヤバイなギルーツ君に近づくの本当にやめてくれない」
「ああん」
再び村の子の剣かが始まる。
(なぜだろう、自分で聞いといてなんだが、すごく嘘くさい)
そう思っていると隠れていたルレーテが出てきて
「さっき言ってたことは嘘だから、あまり信用しない方がいいよ」
とギルーツに教えてくれた。
「あっありがとう、ルレーテって言ったけ、話すの久しぶりだね、妹さん元気かい?」
「……元気、ありがとう、話し戻すけどあの子は確かスウ・アンベートっていう子だよ、いつも村の外で何かしてるみたいだからギルーツ君もい会うことがなかったみたいだけど、でもあの子からはちょっと危険な感じがするからあまり深くかかわらない方がいいと感じる」
ルレーテは赤くなりながら答えた。
ギルーツは疑問に思った。
「話したことはあるの?」
「一回だけ、でもなんだか怖くなってそれっきり話してない」
ギルーツはそれを聞いてますます興味を持った。
「……ごめん、ちょっとあの子を追いかけてみるよ、忠告ありがとう」
「……そう、一応気をつけてね」
「わかったよ、ありがとう」
そういってギルーツは行ってしまった。
「もっと話したかったな」
ルレーテは少しつぶやいた。
ギルーツはその少女の後をつけた。
すると、スウは魔法と剣術と護身術を彼女なりに研究していた。
(村の外でずっと鍛錬していたのか、すごいなあの年で僕より魔法の方は上なんじゃないかな? よし、少し話しかけてみよう)
スウside
スウは現在5歳である。
(ああ~僕のことを見ていてくれてますかチレイたん、今僕はストーカーにあっています。僕に発情するオスがいるのです。でも、たとえあの男が僕にナニしようとも僕の心はチレイたんに捧げ続けます、僕は例えあなたに嫌われようと愛し続けてしまうことをお許しください)
そうチレイたんに崇拝を捧げながら男のいやらしい視線を無視して鍛錬を続けていた。
(僕は、あなたを絶対に神様だと証明してみます。そのために僕は努力をやめません、何があっても、絶対に、絶対に!)
その思いを捨てずにスウはずっと努力をし続けていた。
すると、
「君、ちょっといいかな?」
さっきまでストーカーをしていた男が話しかけてきた。
「はい、何でしょうか? 僕は今忙しいので出来たら手短にお願いしますね」
スウはいきなり話しかけられたが普通に答えた。
「いや、さっきから君のことを見ていたんだが」
「ああ、さっきから僕のことをいやらしい目で見ていたことですか、別に気にしてはいませんので次からしないようにしてくださいね」
「いや、別にいやらしい目で見てないんだが!」
「そうですか、僕の勘違いですか、申し訳ありません」
自分の勘違いに気づきすぐに謝罪した。
「いや、分かってくれてありがとう、でもすごいね魔法をそんなに使いこなせるなんて、びっくりしたよ」
「まあ、赤ちゃんの頃から無意識に使ってたみたいだし」
「!? 赤ちゃんの頃から! それはウソだろ!」
「お婆様は、それを見ていたらしいですよ、まあ意識して使ったのは1歳の頃からかな」
ギルーツは唖然とした。
(まあ、本当は赤ちゃんの頃から意識して使っていたが、前世の記憶があることは一応黙っておくか、チレイたん私は嘘をつき罪を犯します、それでもあなたへの愛はやめませんので)
そう思うとギルーツは
「そうだ、僕と組み手をしてみなか? 護身術や剣術も鍛錬していたみたいだし相手がいる方が分かりやすいと思うよ、どうかな?」
「おや、女に暴力とは面白い趣味ですね」
「いや、そういう意味では」
ギルーツは慌てて言った。
「冗談ですよ、本気にしないでください」
「ごっごめん、取り敢えず君の実力に少し興味が湧いてね、それに一緒に練習したらお互いライバルが出来てより強くなると思うよ」
それを聞いて
「まるで少年マンガみたいなことを言うのですね」
「? 少年マンガ?」
ギルーツはキョトンとした。
「いえ、こっちの話です、いいですよ勝負ですね、これで私も夢に近づけると言うわけですね」
「夢……か、分かった、じゃあ始めようか」
「はい」
そう言って二人は向かい合った。
(取り敢えず、組手って何をするんだ? 魔法使ってもいいのかな? まっ使ってみよ)