59話『死にかける』
スウとルレーテの戦いは激戦としていた。
ルレーテは武器は持っていないが、悪魔からもらった鉤爪と牙、そして大量の魔力を使ってスウを襲っていた。
しかしスウは戦い慣れしているため、ルレーテの行動を先読みして上手く躱していた。
「どうした! お前のギルーツへの愛はそんなものなのか! チャンチャラおかしいぜ!! これは俺のチレイたんの愛が圧勝だな!!」
『黙れえええええええええええ!! ぶち殺してやるあ!!』
ルレーテは攻撃が当たらない為、イライラしながら攻撃していた。
しかしそれのせいか、今度はスウの攻撃が当たり始めていた。
「おお! 煽ったら攻撃が完全に単純化されたぜ! これはもう勝ったな! ヒャアアアハハハッハハ!!」
『ぐうう!!』
ルレーテは涙を流しながら攻撃をし続けた。
スウはそれを笑いながら躱してそして剣で腕を切り落とした。
『ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああ!!』
「はははは!! もうお前は終わりだ! これが終わったらお前は天国だぜ!」
スウはもうすぐチレイたんとの平和な日々を思いながらとどめを刺そうとしていた。
『私が、こんな慣れない体で何の勝算もなくここに立っているとでも思ったか!』
すると体に穴が開いてそこから黒い煙のようなものがスウを包んだ。
「!! 何だっこれは!! 来るな!!」
『久しぶりだな、小娘、お前のせいで私は死んだ』
「!!」
スウはこの声に聞き覚えがあった。
昔練習として木を魔力のこもった拳で倒した時に泣いていたお爺さんだ。
「あのことは謝っただろうが! それにお前は俺の腕を折ったろうが!」
『あれだけで許されるとでも思っとるのか! 小童が!!』
そして他の黒い煙も
『私はお前のせいで愛する者を抱きしめることが出来なかった! ギルーツ君を!』
「誰だ!!」
スウも覚えていない男だった。
だがふと思い出した。
「あ、あのギルーツを愛していた確か何かで死んだオッサン! てか逆恨みだろ!!」
『うるせえ!! お前のせいだ!』
お構いなしに男はスウの体を包み抑え込んだ。
『俺の事も忘れるな! お前のせいで人生を潰した!』
「今度こそおまえは誰だよ! 俺の前世生きていたころの奴が着てそうな服なんて着やがって!!」
すると男は言った。
『お前をひき殺したことで俺の人生は終わったんだ! 刑務所に入れられて! そして釈放された後は酒浸りになって橋を渡っている最中に落ちて死んだんだぞ! 悪いと思わなかったのか!』
「それこそ俺のせいじゃねえ! てかおめえかよ! 俺を殺したのは!!」
そして様々な者がスウに恨みを持ち襲ってきた。
『税金が高い!』『子供が生まれなかった!』『働くのがダリい!!』
『お前のせいで俺の正義を貫けなかった!』
などであった。
「ちょっと待て! 最後のは覚えがあるがほとんど俺関係ねえだろうが!」
『皆、お前に恨みを持つ者と、誰を恨めばいいか分からなかったものだ! どうであれお前は苦しめ!!』
ルレーテはすべてわかってるような顔で言った。
「糞ったらガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
グシャアアアアアアアアアアアアア!!
「あああああああああがあああああああああああああああああ!!」
スウは下痛に襲われた。
腹部を見ると
噛み千切られていた。
『はっはははははは!! お前はもう終わりだ!!』
スウは意識がどんどんと薄れていった。




