45話『宗教戦争が』
「あーあ、完全に戦争の雰囲気だなこれ」
「そうですね、あなたも行くんでしょ」
スウとチレイたんは話していた。
周りは完全に自分の宗教も巻き込まれてスウを敵視していた。
「まあ、でも向こうから味方になるように言ってくるのはなんとなくビックリだ」
「まあ、向こうのエリートのギルーツと戦ったのも、兵士と戦ったのもあなただけだからだし、魔王の魔力を利用できるのも私と一緒にいるあなただけだから利用しようとしてるのではないでしょうか?」
チレイたんとスウは話を続けた。
「まあ、そうだよな、多分この戦争が終わったら次は俺に刃を向けるみたいだな、全く自分たちの考えこそが正しいと思った人たちは怖いね」
「それはあなたも含まれるのでは?」
「まあそうだけど、でも俺は他の人の考えを強制しようとは思ってないよ、ただ俺は自分の大好きなチレイたんを信仰して死んだ後も一緒に居ようと願っただけだからね」
それを聞いてチレイたんは言った。
「やっぱり前世で死んだときに、私のフィギアを話してしまったことを悔いているんですか?」
「そりゃそうえしょ、そうじゃないとこの世界で神様として証明しようとは……思ってたかもしれないな」
それを聞いてチレイたんは複雑そうに言った。
「結局あなたの頭の中は私でいっぱいだったんですか?」
「うむ、その通りださすが俺の崇拝するチレイたんだ! キャワイイゼ!」
スウはそう言いながら立ち上がった。
「さてと、戦争の準備でもするか、店で買った魔力を回復させる実で作った飲み物と、魔力を一定時間増強させる薬、そして筋力と戦闘力を高める薬を持っていこ」
「薬漬けですか? 体に悪いのでは?」
それを聞いて
「まあまあ、俺の目標とする寿命は40歳だから別にいいかなって」
「え、早すぎません?」
「え、俺前世でも同じ考えで生きてきたよ? それに、死んだあとは君のいるアニメの君がかわいがっていた動物と同じ種類に生まれて、君に愛でてもらうことを目標として生きていたからね」
「えー」
チレイたんはドン引きしていた。
「それより出来ないですよ」
「え、何言ってるのチレイたん? 出来るよ?」
チレイたんは
「いや、出来ていないじゃないですか! 現に今この世界にいるじゃないですか!」
「あ、……まっまあ、チレイたんと今一緒にいるから大丈夫だよ絶対に!」
スウは苦し紛れの言い訳をした。
そして準備を整え、そして
「この新しい剣はギルーツが魔王との戦いでかったお祝いとして買ってくれたものだ! 丁重にギルーツを斬ることにしようか!」
「彼はきっとそんなことは望んでいなかったでしょうね」
「まあ、分からないよ、意外とそうでもないかもしれないよ」
「ああ、こんなことになることは予想してたけど、まさかここまで早くに宗教戦争になるとは、しかも僕前線だし、僕が買ってあげた剣で斬られるのかな? いやだな~、そんなことのために買ってなかったんだけどな~」
スウの予想は完全に外れていた。
ギルーツは自分の部屋で唸っていた。
すると、
「ギルーツ? ちょっといいか?」
「ん? 何お父様?」
「ああちょっとな、スウちゃんとのことだ」
クストは言った。
「お前、本当にいいのか? 勝っても負けてもお前は苦しむだけだぞ、今なら王様にお前を戦線から外せる、話してこようか?」
「そのことですか、大丈夫です、僕も衛兵です覚悟はできています、彼女が来ても斬れます、それは彼女も同じ、いや多分容赦されません、本当に、ハハ」
「ああ、ごめん」
「良いんです」
ギルーツとクストはスウの容赦のなさを知っていた為、諦めた。
「まあ、ギルーダも母さんも妹も他の使用人たちも覚悟はできてるそうだ、思いっきり行って来い、お前が死んでも葬式はやるがスウを恨むことはない! 約束しよう」
「まあ、恨むとしたら王様でしょうね」
ギルーツが言うと
クストは笑顔で
「だろ!」
と言ってギルーツの緊張を解いた。
「まあ、戦いまで時間はあるし、時間のある間はスウとデートにでも誘ったらどうだ」
「そうだな、そうしようかな」
「へえ、意外と素直だな」
するとギルーツは
「今更肝も据わったよ、スウのおかげでね、何で好きになったかは未だに分からないが、でも自分の気持ちに素直になろうと思えるようになったよ、大人になって」
「それが子供の時に出来たらな……」
「……」
ギルーツはクストの一言に、しょんぼりした。




