36話『なぜだ』
「……」
「すみません、まさか全滅するとは思いませんでした」
部下は殺される覚悟をした。
だが殺されなかった。
「もう、イラついただけど殺してる場合じゃないな、仕方ないここで兵力を無駄にするわけにもいかなくなった」
ゴールはイライラしながらも殺意を押えていた。
部下は安心したようにホッとした。
「何ホッとしてる……お前は自分が死なないと思ってるのか、その魔物を全滅にした奴を殺さないといけないと言うのに、お前1人で殺せるのか? ならホッとしたのも頷ける、なら1人で行って来い、殺すか殺されるまで戻って来るなよ」
「え!!」
それを聞いて部下は真っ青になった。
「何真っ青になってんだ、行って来いよこのバカ……俺がお前を殺す前にな」
「……はっはい」
(あーあ、絶対に死んだ、はい終わった、もう無理だ)
部下は仕方なく1人で行った。
「ゴール様、あいつ大丈夫ですかね」
「あいつは報告役だろ、戦力にもならないやつだから大丈夫だ」
「いや、戦力の心配ではないんですけど」
「ああ、殺されるだろうな、送った魔物を全て殺されたのならあいつ1人で殺せるわけがないだろ」
冷徹にゴールは笑った。
-------------------------------------------------------------------------
「何であんなに魔物倒したのに、チレイたんは未だに他の人間の目にはぼやけて見えるんだ」
「あれですかね、もしかしたら成長するには弱い魔物だけではなくてもっと強い魔物を倒さないといけないんではないでしょうか?」
「マジかー、まあ、他の人の目に見えるようにするのが目的ってわけじゃなくてただいることが分かれば他の人も神だって認めてくれるんじゃないかと思ってのことだからぼやけても……いや未だに反発が強いってことはダメってことか、くっどうしてほかの皆は認めてくれないんだ! やはりかわいいことが証明するのも必要なのか!」
「なっ!!」
チレイたんは真っ赤になりながら顔を隠した。
そして、
「きょっ教会を襲いに来たぞー……」
「「……」」
「……」
無言が続いた。
「えっと、やあ」
「うわああ」
腕をスウが振り上げると
魔物は取り敢えずガードするふりをした。
スウは袖に隠していた剣を出した。
グシャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
「!!」
魔物の腕が切断された。
「あっあっああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
魔物は腕を押えながら泣き叫んだ。
「なあ、君やはり魔王は魔力が強いのか?」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「あああじゃ分からんでしょうが!!」
スウは怒ったがチレイたんは肩を叩いて
「いや、腕切断されたら誰だって悲鳴あげますよ」
と呆れたように言った。
スウは、取り敢えず腕の傷を治癒魔法で治した。
痛みが取れたのか魔物は泣き止んだ。
「では話してもらうぞ」
「鬼ですか」
チレイたんは呆れたように言った。
「腕が、俺の腕が……もう妻も抱きしめられん!! あああああああああ!!」
「治したのに何で? どういうこと?」
「そりゃ自分の腕がないんだからしょうがないかと……」
スウは呆れたように
ザン!!
魔物を切り殺した。
「どう、やっぱりあまり変わらない?」
「そうですね、溜まっていくんですが強さに直結するという感じはしませんね、何だかきっかけみたいなのがないみたいな感じです」
スウとチレイたんは悩んだ。
しかし答えは出なかった。
「フン! やはり殺されたかあのバカは」
「まあ、そうでしょうね」
部下はゴールの言葉に冷や汗をかきながら言った。
「仕方ない、私が行くとしよう」
「え、ゴール様自信がですか」
「当たり前だ、お前らは俺の盾として期待してるぞ、隙があったら俺が攻撃するから」
「「「「「「「「はっはい……」」」」」」」」
部下たちは悲しそうに言った。
------------------------------------------------------------------------------
「は!! 何か強いのが来る予感が!!」
「当たるといいですね」
2人は少し期待した。




