34話『力が』
「……何やってるの? ていうかその異質な物体は何? 怖いんだけど」
ギルーツは真っ青になりながら言った。
ギルーダはドン引きしている。
「え、何してるのこの人、世界でも滅ぼすつもり、魔物の魔力がやたら溜まってるみたいだけど、超怖いんだけど」
「失敬な!! これはチレイたんが姿を現すためにしてるんだ!!」
「「は!!」
スウが質問に答えると2人は驚愕した。
「え、これ君が崇拝している神様? え、何でこんなことなってるの?」
「お前は自分の神に何をさせたいんだ?」
「え、魔物が来るたびに殺してたら魔力がチレイたんに溜まってどんどんとチレイたんの姿が形成されてるのと力が付いていて行くみたいだからサポートを……」
ギルーツはさすがに頭を引っ叩いた。
「バカか! 君は! そんなことしたら君は制御できるのか!」
「制御? 何で僕が制御する必要があるんですか? すべてはチレイたんの赴くままに」
「頭おかしいんじゃねえの?」
ギルーツの制止を気にも留めずに答えると
ギルーダは見下しながら言った。
「はあ、まあ君は絶対に何を言っても止まらないだろ……こんなことをしてどうなるか分からいが、君が今でも生きてるのを見ると大丈夫ってことでいいのかな?」
「その通り」
「いや、兄貴、こんなことで見逃すのは良くないと思うが」
するとギルーツはギルーダを引っ張ってコソッと話した。
「いや、悪い賭けかもしれないがこのまま力をつけたら運よく魔王を倒すかもしれないぞ、……それに、崇拝してるってことは少なからず伝説の聖剣並の力で魔王を倒せる可能性かもしれない、取り敢えず今の現状を考えるとどんなことでも試すしかない! 出ないと皆魔王に殺されるか奴隷にされるかだ! 一応王様に伝えたらもしかしたら法律関係なしに処刑するかもしれない、もしもの時は僕が責任取るから、ね」
「えー」
ギルーダは腑に落ちなさそうにしている。
ギルーツは取り敢えず内緒にするように言う。
「仕方ないな兄さん、しかしもしもの時は全責任は兄さんが引き受けてくださいね、僕が巻き込まれるようなことはしないでくださいね」
「少しくらいは庇ってくれても……」
「断る!!」
「うん! 元気いいな!!」
苦笑いでギルーツは顔を歪めた。
「おい、酷いぞ、僕の神様が野蛮扱いするのはやめてもらえませんか?」
「どの口が言うんだ」
ギルーダは怒り気味で言った。
「まあまあ、大丈夫だって、多分」
「多分じゃない、僕は毎日話してるが悪意があるとは思えないよ」
それを聞いてギルーツは笑いながら
「君、悪人にも同じこと言って騙されそうになったことなかったけ?」
「あのころは若かった」
「いや、あれからそんなに時は経ってないけどね」
「不安だらけじゃないか!!」
スウとギルーツのやり取りにギルーダは怒った。
「まあ、チャンスは基本賭けだと思うよ弟君、まあ100%大丈夫だよ、だってチレイたんだもの酷いことが怒るはずがない! それは絶対ない! 断言する!」
「賭けって言ったよなお前」
「まあまあ」
ギルーツが弟を宥めるて仕方なさそうに
「ああ、もういいよ、確かに現状はそれしかなさそうだし人もたくさん死んでるし、僕の愛する人も死んでほしくないし」
「!! ギルーダ! いつの間に出来たんだ!!」
それを聞いてギルーツが驚愕しながら聞いた。
「いや! その! 先週に……結婚も……」
「では、話は終わったようですし僕は礼拝をしますね、お2人はどうしますか?」
「「興味なしかよ!!」」
ギルーツとギルーダが怒った。
「はいはい、恋人おめでとうねリア充……ノロケはもういいでしょ」
珍しくスウは機嫌を悪くした。
「「何で機嫌損ねてるの……」」
「いえ、別に……」
取り敢えず2人はあまり触れないようにした。
「じゃあスウ、僕たちは仕事があるから帰るね、ちゃんと制御するんだよ」
「制御じゃない、御心のままに働くだけだ」
「はいはい、分かった分かった」
ギルーツの注意に反発してスウが答えた。
面倒臭そうにギルーダが適当な返事をした。
「ダメですよ、お2人は心配して言ってくださってるんですから機嫌を悪くしては」
「それは分かってるんだがリア充と分かる前世の癖が出てしまうんだ」
「なっ成程」
チレイたんはドン引きしながら言った。
すると
「おい、何でここはまだ大丈夫なんだ、ふんどうせ雑魚しか来てないんだろ! この俺様が殺してつぶしてくれるわあああああああああああああああ!!」
魔物が襲い掛かるが
チレイの目が光り魔物の動きが止まった。
「なっなんだ! 何をした!!」
「チレイたんナイスサポート!!」
「はい! あなたの剣は私の祈りで出来た魔法がかけてあります、魔物や魔王に有効になりますよ」
「やたああああああああ!!」
そうしてスウは剣を魔物に斬りつけた。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
魔物は悲鳴を上げながら絶叫して死んだ。
「フッ! 悪は去った」
「そうですね、良かったです! これで町の皆も安心ですね」
「チレイたんは優しいね、今までご神体を潰されてもあなたは他の者を見捨てないのですね! さすがだぜ!!」
チレイたんは
「そのたびあなたが作ってくれることにも感謝してますよ」
と笑顔で言った。
それを聞いてスウは涙を流しながら
「おお、僕にも慈悲と愛をくれるとは、なんと嬉しい、なんと神々しい、なんと素晴らしい、なんと尊敬に値するお方なんだ!!」
と言った。
「もう!! わざわざそんなこと言わないでください! 照れますでしょう!!」
顔を真っ赤にしながらチレイたんは言った。
スウは
(可愛いなあああああああああああああああああああああああ!!)
と心の中で喜んだ。
「心の中も今の私には読めますよ」
「もっと読んでください!! お願いします!!」
スウは嬉しそうに言った。
「はあ、呆れますね」
「ご褒美です」
チレイたんは少し引いた。




