33話『そんなもの』
「王様、教会が破壊されてるそうですよ」
「そうだな、たまには魔王もいいことするな、これで間違って認めてしまった萌え教団を破壊することが出来る、そうすれば奴の教団も自然消滅するといいな」
「フン」
秘書は鼻で笑いながら見下すように見た。
「なんじゃその顔は? 何か文句でもあるのか?」
「いえ、別にそう言うのでありませんよ、ご安心を」
「……わかったよ」
王様は腑に落ちなさそうに言った。
「でも、希望と待つだけで叶うような願いではないと思いますよ」
「何故だ、魔物は強いから実戦経験のない奴が戦えば負けるのは必須だろう二」
それを聞いて秘書は呆れて言った。
「弱いモンスターなら倒せるでしょうし、それどころか実践なしでもパーティーに入れても大丈夫だと思ったぐらいです、勇者が旅に出てなかったら雇っていたぐらいですよ、今回はたまたま旅に出てしまってた上に、兵士にすることが出来ない法律だからそう言うわけにはいきませんでしたよ」
「なんか面倒臭い法律だよな、私の父が作った法律で男は女を守るべき存在であることこそが、あるべき姿だと言ってたぐらいだしな、ワシは働けるのならだれでもいいと思っておったがな」
「そーですね」
秘書は生返事した。
「何じゃその返事は、腹が立つからやめろ」
「失敬」
秘書は顔をキリっとさせた。
「まあ、冗談抜きで奴だと魔王とか上位の手下はダメでも中級モンスターだと普通に倒せると思いますよ、聖剣がないから魔王は絶対無理でしょうけどね」
「うう、それほどだとは、どうしたものか」
「やめてくださいよ、僕が来たってのに僕の殺害計画を立てるの」
「わあ!! 来てたのかお前!」
「お久しぶりです、スウ様」
「おい秘書あんたは普通に気付いてたでしょう」
「? 当たり前でしょう、そんなに堂々とやって来て気づかない人なんて……ああああ!! 1人いたような!」
そして秘書は王様をチラッと見た。
「くそ、絶対こいつが必要無くなったら処刑してやるからな」
「へえ、そんな日が来るんですかね?」
悔しそうに王様は秘書を睨む。
スウはその光景を見て微笑ましそうに見ていた。
そして、スウは本題として袋を見せた。
そこはどす黒くなっており、そこから垂れている。
「そうだ、これ持ってきました、すごいでしょ、なんかに使えたりしますか?」
「何だそれは」
王が聞いて、スウは袋から魔物の生首を2つほど取り出した。
「!!」
「ほう、流石は……」
「どうですか、これで僕が教会を続けることが出来るんですよ、これからも魔物が来たら殺してやる所存です、もし必要であるなら僕のところに魔物を集中するように誘導してもらうことってできますか?」
それを聞いて王様は呆気にとられた。
「なっ何故じゃ! そんなことをして貴様に何の得があるのだ! あれか、地位か? 地位が欲しいのか? しかし貴様はそんなことに興味がなかったはず、理由を述べよ」
スウはそれを聞いて王様に笑顔で言った。
「そんなの、王様には感謝をしてもし足りないぐらい色々なことでお世話になったからですよ。僕の夢も王様は受け入れてくれました。今はさすがにそれを後悔されていますがでも!……それでも感謝は尽きないんです!!」
ついにはスウは涙を流しながら言った。
「お……お前……そんなことを……」
王様は少し嬉しそうにした。
秘書とスウは同じことを思った。
((チョロイ))
そして王様は嬉しそうにしながら
「分かった、ワシも教会を潰すと共に住民を傷つけられるのは悲しいと思うからな。なんてったってワシは優しいからなあ」
「うわあ、何言ってんだこいつ」
「おい、さすがに正直すぎるだろうが秘書!」
秘書はドン引きしていた。
それを怒った王様であった。
そして話を元に戻した。
「では、秘書頼む」
「結局俺頼みかよ、糞じじいが、……分かりましたお任せください、うまく誘導します、しかし、上位種だとさすがにスウ殿が死んでしまうでしょうからうまく選別してみますよ、後は眠る時間は魔物も行動はしないそうですし休みはあると思いますよ、後倒したたびに報酬金は払わしていただきますね」
「そんなことできるんですか? 僕が頼んだのにあれですが、かなり難しいのでは?」
「何を言ってるんですか、スウ殿、私は王様の変な命令を聞きまくってすべてを実行に移してきたんですよ、あなたの教会を潰すように命令されたときは無理でしたが、法律以外のことでしたら何とかなります、多分……」
秘書は笑いながら言った。
「ではスウ! 後は頼んだぞ」
「は! お任せあれ」
そう言ってスウは褒美の大金を持って退出した。
「たまにはいいことするなあいつ」
「はあ、そうですか……」
秘書は呆れながら言った。
「全くあなたはバカなんですか、まあ、多分それまでには私も力ぐらいは強まるでしょうが何を言ってるか分かってるんですか? 全く」
「ごめんよチレイたん、でもこうすれば君の力が入ってくると分かったんだ、ならばチャンスを生かせるときは勝手でも危険を冒さないと手に入らないんだ、まあ、普通はだいたいそれを生かせずに死んでしまう人が多いだろうね、でも僕にはチレイたんがいるだからそれだけど頑張れるんだよ」
「ありがとうございます、しかし確かにあなたが初めて村で殺した魔物から何かが私に入ってくるような感覚はあったんですけど気のせいだと思っていました。気づくのが遅くてすみません」
「ああ、大丈夫だよ、僕だって気づかなかったんだからいいんだ、それに大丈夫君がいるから力が着けばサポートが出来るかもしれないから」
「そうですね、2人で頑張っていきましょうね」
スウとチレイたんは嬉しそうに見つめ合いながら
「「これからもよろしくね」」
と言った。
そしてギルーツは不思議そうに見ながら。
「何やってんだ、スウ」
と言った。
ちなみに亜人・魔物たちは魔力が人間より強いため見えて、普通の人間はどんな天才でもまだ見ることが出来ない。




