30話『進行する魔王軍』
「フン! やはり勇者の皮を剥いだ物を使うのは不便だな、愚かな人間に見せれば圧倒的な絶望をまき散らせるからいいのだがな」
そして男は人間の生首をポンポン投げて遊んでいた。
「魔王様、その勇者の生首、どうされますか?」
魔王と呼んだ男は不気味に笑いながら話しかけた。
「ゴールか、何、このバカそうな首をどうやって人間共に見せて絶望させるかを考えているのだよ」
「成程、さすが魔王様です、しかし口を出すようで申し訳ないのですが、勇者を殺して絶望したものはまだまだ少ないのです」
「ほう、お前が言うんだ、どうしてか答えて見せよ」
魔王に聞かれたゴールは答えた。
「宗教団体です、奴らは例え勇者が殺されても神の加護があれば何も恐れる必要はないと言うのです」
「フン! 人間はまだあんなものに忠誠を誓っておるのか、全くバカ共だな! どれ、そうしたらそのバカ共からその神とやらを奪えばどうなるのか楽しみだな」
「全くです、奴らの本陣である教会を全て壊してから世界を取るとしましょう、どうせ奪っても奴らの祈るものがあれば希望が生まれてしまいますからね、では私は早速部下たちに命令を下しましょう」
「頼むぞ、ゴール」
そしてゴールは魔王の命により動き始めた。
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「皆の者! 聞け! 魔王様の次なる命令だ!!」
ゴールが移動したそこには
村人から奪った生娘や魔法使いの女の子、そしてエルフの女性や様々な者が慰み者になっていた。
そしてゴールは1人の女性の元へ行った。
「どうだ、お前の信じていた勇者が殺されてお前自身はずっと魔物たちの慰み者になっている状態は、悔しいだろう、これから魔物たちにお前の家族も知り合いも友達も殺されるのを黙って見てるんだな、まあまだやることはあるから後回しだが貴様の絶望の絶叫を聞くのが私と魔王様の楽しみだ」
「!! ……や……めて……」
女は絶望の表情を浮かべて泣きながら言った。
そして
ドゴッ!
「うぐっ……」
「寝てろ糞が……」
ゴールは女を蹴って気絶させた。
そしてゴールは魔王の命令を魔物たちに伝えた。
「皆の者今度の標的は教会だ、奴らは勇者が殺されてもなお、神と言う希望を持っている、魔王様のエネルギーの源は愚かな人間共の絶望である、圧倒的な! 魔王様に誰も敵わない圧倒的な力を与え、そして人間界の世界を滅ぼせ!! そうすることにより我々魔物の世界が生まれ神ですら敵わない力を手にすることが出来る!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
その場にいる覆う税の魔物たちは笑いながら歓声を上げた。
いや~ついに俺たちの時代か!
人間共を犯し放題だ!
ハハハハハハ!! 俺は人間を頭から千切り喰ってやる!!
大切な者を目の前で惨殺するのもありだな!!
その様な声がさまざまに上がる。
それを聞いてゴールは、
「浮かれるなああああああああああああああああああああああ!!」
ザシュウウウウウウ!!
持っていたナイフで1匹の魔物の頭を投げつけて切り殺した。
「お前ら、まだ人間の絶望が少ないと言っただろうが!! 浮かれるのはそれからだ!! 魔王様の命の為私だって我慢してるのだからな……フフフフ! ははははははははははははははははははははは!!」
そう言ってゴールは笑いだした。
「流石魔王様の右腕だ! 俺たち以上に素晴らしく恐ろしい方だ!」
「それを超える魔王様はいったいどんな方なんだ! ぜひ会って……」
「無礼者」
ぐしゃああぐしゃああああああああああああ!!
ベリベリベリイイイ!
「ゲフッ」
そう言ってゴールは1人の魔物を喰い殺した。
「さあ、皆の者進軍だ、遅れたものから殺していくから覚悟するように」
ハッハイ!!
そう言って魔物たちは一斉に走って行った。
「そう、それでいい貴様たちに魔王様と会う権利すらないのだからな」
ゴールは不気味な表情で他の魔物たちを見下しながら言った。
「さあ、貴様はこっちだ、確か勇者と同行していた中の1人と恋仲になったそうじゃないか、目の前で拷問してやるから相手の絶叫でも聞いて苦しむんだな」
「やめ……て、お願い……わた……しはどうなっても……いいから」
「そうだな~……イヤダネ!」
ニタニタと笑いながらゴールは笑った。
「いや……いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
女の絶叫を気にせずゴールは引きずって女を連れて行った。
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「はあ、ギルーツ新聞観た、進軍だって、見学に行く、礼拝の後」
「能天気すぎだろ! もっと危機感持とうよ!!」
「いや、まだ大丈夫だろ、多分先のことだろうしいきなりこの町を襲ったりしないだろ、他にもいっぱい国はあるんだし、ちなみに最大都市ってどこ?」
ギルーツは呆れながら言った。
「この国だよ」
「マジか……この国そんなにすごかったとは知らなかった、今度チレイたんと一緒に観光でもするか、楽しみだね~チレイたん」
「いや、ギルーツ君には見えてないんだから自重してください」
ギルーツはその様子を見て小声で言った。
「君はこのままの状態である方がいいのかもしれないね」
「どした、なんか言った?」
「いや、人生楽しく生きたほうが絶望するよりいいなって思って」
「……はあ、まあ、そんなもんだろうな」
そしてスウはチレイたんの崇拝をした。
そしてのちにスウは知ることになる、
魔王が絶望のために自分と深くかかわることになることを




