22話 『初体面』
「そっそんな、私以外に転生したものが……」
「へえ、あなたも転生したタイプですか」
それを聞いてスウはへらへら笑っていた。
「私は、結婚にも恵まれずに意味もない人生を過ごしたよ」
「童貞のところも同じとは」
スウは少しため息をついた。
ベルーはそれを聞いてキョトンとしながら
「いや、童貞は卒業した」
と言った。
「……はあ」
スウは、少し悲しくなった。
それを見てベルーは
「すまない」
と言ったが、
「いや謝られると余計悲しいんですけど」
沈黙が続きたが、
「そう言えばベルーさんは日本人でしたか?」
「え……ああ、そうだが横田 幸次郎と言う名前だ」
「へえ、僕は木屋 良と言う名前の男でした」
それを聞いてベルーは悲しそうに
「お坊ちゃまは困難な道を進んだんですね」
「困難と言うか不可能ですけどね、僕にそういう趣味はないので」
そうスウはきっぱりと言った。
それを聞いてベルーは頭を抱えた。
「まあ、仕方ないですね、それよりあなたが転生したと聞いて気になったんですけど、あなたの神様にしようとしている者は日本の女性の名前では?」
「正確にはアニメキャラの名前ですけどね」
それを聞いてベルーは唖然とした。
「……え、いやアニメがどんどん人気になってきていると聞いたことはありますがそこまでしますか?」
「するでしょ普通に」
それを聞いてベルーはため息をついた。
「まあ、いいですよ、そういえばあなたは最後まで人生を生きましたか? 私は一人寂しく悲しみにくれながらも享受しました、おじい様が信じていた神様を信じながら生きていましたが、やはり後悔がありましてね、死ぬ前に次の人生は輝きのある人生を過ごしたと願ったら今この世界にいるみたいですよ」
「それは羨ましい、僕の場合はなぜか突撃してきたトラックに轢かれて死んでしまったんです、せっかく買った夏風チレイたんのフュギアを離してしまいすごく失った気分死んで離れたくないと思ったらこの世界に来ていた」
それを聞いてベルーは呆れたように。
「この違いはなんだろうか」
「なんだ、見下してるのか?」
「いや、そういうわけじゃないんですけどね」
また沈黙が続いた。
「そういや、ギルーツの家系とはどこで知り合ったんですか?」
「妻がそこに使えていたメイドで今はもう死んでしまったんですけどね、優しい妻でし……」
「あ、いいやその奥さん自慢は、従者になった理由が知りたい」
「まあ、妻に誘われてそのまま従者になりました、ここで働いてもう40年になります」
それを聞いて
「そんな長いんですね」
「ええ、あの方々にはすごく良くして頂きました、とてもそれが温かく感じております」
スウは共感するように
「わかるわあ、ぼくもチレイたんを神にした瞬間すごく温かく感じたもの」
「それとは違うと思いますが」
ベルーは容赦なくツッコんだ。
そして、スウの家に着いた。
「では私はこれで、興味深い話を聞かせて頂きましてありがとうございます」
「いえ、まあこの世界に来た理由は分からないままですけどお互い頑張っていきましょう」
それを聞いてベルーは
「そうですね、スウ様もしっかり頑張ってくださいね、神様を作ったんですから最後まで諦めないでくださいね、応援してますよ」
「ありがとうございます」
そうしてベルーは帰って行った。
「まさか、僕の他に異世界転生していたものがいたとはな」
それを驚いた状態でスウは寝た。
次の日に
「よしご神体も出来たし後は教会が出来るまで待つだけだな」
そろそろ始める萌え教団の夏風チレイたんの崇拝することのできる施設、それを一身に楽しみにするスウである。




