13話『男なら』
スウは、孤児院に来てから4年が過ぎ12歳になった。
髪を短くしたことはギルーツに驚かれたが気にしなかった。
4年間の間はギルーツとフラハイトと共に鍛錬を続け、そして法律の本屋戦い方、戦術、法律、商売の本を読み漁った。
通貨の価値もお婆様との買い物について行き、分かっており、料理も普通に手伝っていたので出来るようになっていた。
買い物の手伝いや料理の手伝いでウルセルとユーエル感謝されていた。
そして、その買い物の手伝いによってその日運命が動く。
「馬車? 早いな、でもあれはギルーツの馬車とは違うか」
見覚えの馬車であった、しかしもしかしたらギルーツの父親クストが買い換えたのかと思っていた。
すると見覚えのない男たちが出てきた。
身なりを見るなり兵士だと思われる。
「やあ、こんなところに亜人の孤児院があるとはびっくりだね」
兵士の一人が言うと、ウルセルが
「何の用だ! この子たちに手出しはさせないぞ!」
と威嚇する。
「まあまあ、今日は喧嘩に来たんじゃない、その子を兵士として迎えに来たんだよ」
それを聞いて、ウルセルとユーエルは
「やめて! まだ子供なんですよ! 魔王に殺されるなんて嫌です!」
「はっ! 12歳の男は兵士になるためにまずは訓練だが、テスト次第では確かに優秀であれば即戦場送りだな、まあどうなるかはまだ俺らでもわからんがな」
「あ、一応これは法律上の話だから従わなければ法律違反だがな、もちろん貴様が捕まるだけでは済まんだろうな、ここの亜人たちはどうなるんだろうな~」
「「!!」」
それを見て兵士たちはニヤつき
「それが嫌ならこのガキは連れて行くからな! それでいいな」
「「……」」
するとスウは
「分かりました、行きましょう」
「スウ!」
「そっそんな!」
「往生際がいいな」
スウはウルセルとユーエルに言った。
「僕が行けばいいだけですし、いいんじゃないですか」
「……スウ、ごめんなさい! 守れなくて、ごめんなさい!」
「すまない、君だけを犠牲にしてしまって」
ウルセルとユーエルは泣きながら言った。
「それに秘密もありますし」
スウが小声で言う
「「え」」
2人は少し驚きながら言った。
「……分かりました、絶対に無事に帰ってきてくださいね」
「……お願いするよ」
2人はスウを信じることにした。
「行ってきます」
2人は思った、これがスウの最後の姿になるんだと思い、
そして、2人は泣き崩れた。
兵士にスウは連れて行かれる。
「……スウ」
それをたまたまフラハイトが見る。
「ウルセル、ユーエル、どうしてスウを行かせたんだ! どうして止めなかった!」
フラハイトはやり切れない怒りをぶつけたが、泣いている2人を見て我に返った。
「すまない、俺は亜人だから連れて行かれなかったがスウは人間だ、そして俺たちのことが国にばれるのはまずかったんだよな、俺たちはいつかスウを犠牲になることに目を背けてたのかもしれないな」
フラハイトも悔しそうな顔をしながら泣いた。
するとそこへギルーツの馬車がやってきた。
「どうしたんだ」
ギルーツは馬車から降りて聞いた。
フラハイトは
「スウが、魔王と戦う兵士に去れるために連れて行かれた」
と言った。
「は、何を言ってるんだ、どうしてスウが」
「だって、国の決まりじゃないか! 12歳の男は兵士として訓練に駆り出されるって」
フラハイトが言うと
「「いや、スウは女の子だぞ」」
とクストとギルーツは言った。
「「「え!」」」
それを聞いて3人は驚愕した。
「え、嘘だろ、スウの奴そんなこと一言も」
ギルーツはそれを聞いてため息をつきながら言った。
「多分、スウは自分の性別に対して関心が無さすぎるんだ、それで彼女にとってどっちでも良かったんだろうな、だから黙ってたというより放置していたんだと思う」
「え、でも女の子なのに男の子と一緒に水浴びしてたけど」
ユーエルの質問にギルーツは
「あの子は僕の前で一回裸になったことがあるぐらいだ、それにすらもあまり抵抗もなかったんだろう」
「でも、女の子なのに髪の毛を短くしていたぞ、髪は女の命と言うのに」
「昔から長い髪をしていたが時々、バッサリ切ってスッキリしたいと言っていたからね、僕は女の子なんだからと言っていたけど、ここで短くしたときはあなたたちもそれでいいのかと思ったぐらいですから」
ギルーツは呆れながら言った。
「……てことは、スウは男じゃないのに兵士と一緒に行ったってこと? 何で?」
「多分、夢のために自分の実力を見せておきたいんだろ、そうしたらかなりの地位になることを王様が約束するかもだし、勉強ができることもアピールできるし、有能であれば兵士以外のいい仕事にありつけると思ったんだと思う」
「つまり、あいつ自身も兵士としては興味はないがその夢を叶えることに必死だから行ったってことか?」
「そうだと思うよ」
3人は倒れ込んで
「「「心配を返せ」」」
と言った。
「まあ、法律上女を兵士にしたことがバレたら容赦なく知っていることが露見した兵士は全員処刑だから女であることをスウは教えると思うしすぐ帰ってくると思うよ、就職先を持って」
ギルーツは言った。
「てか、夢って何だよ、王でも殺すのか?」
フラハイトの質問にギルーツは答えた。
「分からないけど、それではないと思うよ」
フラハイトは聞いた。
「ギルーツも知らないのか?」
「ああ、何度か聞いたが教えてもらえなくて、叶ったらわかると言ってはいたが」
フラハイトはそれ以上気かなかった。
「それよりもだ、俺たちに性別のことを指摘しなかったのは許しがたいな、帰って来たらとっちめてやる」
「僕も手伝うよ、負ける気しかしないけど」
ギルーツとフラハイトは
「「あいつ、男の俺らより強いからな」」
と言う。
「お前ら、女の子相手に情けないぞ」
とクストは言ったが
「「お前も戦えば分かるよ」」
と言い返される。
「フラハイトの実力は分からんが、ギルーツがそれを言うとは、相当の実力だろうな、男なら即戦場で活躍できるレベルだな、ただ戦術は分からんが」
「まあ、本物の戦争はやったことないしね」
「「手伝うよ」」
ウルセルとユーエルも言った。
「「「「「手伝いたい」」」」」
孤児院ので一緒に育った亜人たちも言った。
「「性別が一緒なのに言わないなんて」」
「女の子との楽しい会話したかったのに、スウの馬鹿」
「「フラハイトと俺たちも女と水浴びしてたんだぞ、未だに顔が真っ赤だ! 仕返ししないと気が済まん」」
と言う。
「「「「「「「「「よし、やるぞ!」」」」」」」」」
皆結束する。
「ところで、俺は君がスウに思いを寄せてるのを気づいてしまった時お前にその気があると思っていたぞ」
フラハイトの爆弾発言に
「! 気づいてたのかよ!」
と驚くギルーツ
「スウにも聞いたら知ってると言われた」
「……そうか」
ギルーツは恋が届かないとナイーブになった。
「頑張れ、息子よ」
クストは小声で言った。




