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異世界でも、二次元キャラを崇拝する。  作者: 糖来 入吐
第一章転生から幼年期編
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11話 『住むところ』

スウは、お婆様が死んで涙を流していたが、もはや今は涙が流れない、なぜなら

「……どうしようか、お母様が運悪く帰ってきてお婆様の死を知った時、トントン拍子で捨てられた。このままでは僕のチレイたん神様証明をする前に死んでしまうかもしれない」

スウは、度重なる不幸にさすがにナイーブになった。

しかも今まで愛用していた服ですら売られ、ボロ布を渡された。

反撃も出来たがお母様を攻撃したら逆に自分が法で裁かれる可能性が出るためお母様が法に裁かれるまで待った方が有意義だと思い仕方なくその通りにした。

それに、村に友達もいないので自分を守る者もいない為仕方ない。

そして、唯一の友人ですら1ヶ月はこの村に来ない為それまでに処刑されてはたまらない。

父親は戦場のため当然何処にいるかも分からない。

「しかし、前世なら諦めていたが、なってしまったものは仕方ない、ギルーツも後1ヶ月はこの村に来ないからな、いつも町に行くがそこには孤児院的なものがあるかだな、取り敢えず住むところを探そう、証明が出来ない可能性より出来るように可能性を作ることを考えよう」

スウは祈った。

「ああ~、チレイたん今でも見守っていますか、これが前世で神様に祈っていた人たちと同じような気持ちなのですね、例え助けがなくとも愛さえあれば人は生きていける。愛を与えられることではなく愛する心が大切であることをこの世界に来て理解できました。さて、僕は今から死に物狂いで生に執着します。でも、法を守り悪いことだけは避けるようにします。僕の夢を叶えるのであればそれは必ず守らなければいけないのだから」

スウはそうつぶやきながら歩き続けた。

それを見て村人が

「……あいつ、またブツブツ言ってんぞ」

「お婆様が死んでも涙を流してもいねえ、この狂人が!」

スウは聞こえていたが、

(ああ~試練があればあるほど心の愛が溢れてくる、罵られることなんてどうでもよくなってくる)

と思いながら村を出た。

そして、町に行く途中

「おい、小娘お前1人か、金になりそうだな、奴隷にしてやろう」

知らない男たちがスウを囲んだ。

(奴隷商人か? この世界にそんな存在もいるのか、逃げることを優先に戦うか、それが最善)

そう思い火の魔法で奴隷商人に当たらないように放った。

「!! きっ貴様、魔法を!」

奴隷商人たちがひるんでいる間に風の魔法で飛んで逃げた。

「あ! 待て糞ガキ!」

どうやら奴隷商人たちは魔法が使えないようである。

それに気づいて思った。

(そうか! このまま空を飛べば、こんなことには合わないのか!)

と思い魔力に余裕があるため町まで飛んで行った。

そして町について

「着いたはいいが、ちょっと魔力も減ったし休憩してから孤児院を探してみよう」

取り敢えず休憩することにした。

「はあ~、疲れた結構飛んでたな、魔力が切れそうになるといつもこんな感じでダルさが出るな、戦いのときはあまり魔力を使わないように節約しないと連戦しないといけない時大変だからな」

そして、少し休憩が終わると孤児院を探し始める。

「さて、買い物で行かない場所もよく探さないと今までそんなとこ見たことないしな」

スウは、町の人に聞きながら街の隅々まで探したが、全く見当たらなかった。

1時間後

「ヤバイな、気候も暑くなってきた死にそうだ、日陰で取り敢えずは休憩しよう、水があればそれを飲もう」

汗だくになりながらスウは日陰を探した。

するとフードを被った女と男が話しかけてきた。

「君どうしたの、どうしてそんな布だけで町を歩いているの?」

「それに汗だくじゃないか! 僕が持っている水をお飲み」

「うわっ!」

スウはいきなり話しかけられびっくりした。

しかし、水を貰えると聞いてすぐさま貰飲んだ。

「ぷはあああああ! はあ、はあ」

スウは喉の渇きが酷かったので一気に飲んで解放されたような気分になった。

「君大丈夫? 家はどこだい?」

「え、捨てられた孤児ですが」

「!! それ本当かい?」

男の人が聞いてきた。

「はい、今日捨てられました」

それを聞いて男と女は悲しそうな顔をした。

「大変だねえ、僕たちは君たちみたいな子を引き取っているんだ良かったら来ないかい?」

スウはそれを聞いてさっきの奴隷商人を思い出した。

(行ってみないと分からないがもしかしたら奴隷として売るための新しい手口の可能性もあるな、取り敢えずは行ってみるが慎重になった方がよさそうだ)

「わかりました、ところでどうして女性の方はフードを被っているんですか?」

「……そうですね、そのことは孤児院についてからでもよろしいでしょうか?」

そう聞いて、

「取り敢えず行ってみます」

と言った。

スウは覚悟を決めた。

(そうだ、ここで止まっても仕方ないリスクを負わないのも大切だが時には必要だ! 僕が前世で怠ったのはこれだ、リスクを恐れやることがすごく少なかったこと、だから夢も希望も無く絵空事のことしか考えてなかった。だが神の証明なんて長い歴史により成り立ったもの、今ここで踏ん張らなけれあチレイたんが神である証明も絵空事になる、行くしかない!)

そして、男と女の後を置きかけた。

すると、森の奥まで歩いて行く。

どこまで行くのか分からないしかし、ここで逃げても意味わないことである。

「着いたよ」

20分ぐらい歩いてようやく建物が見えた。

「……」

スウは目の前で楽しそうに遊んでいる子ども達を見た。

そこには耳がとんがっている者、トカゲのような容姿をした者、背が異様に低い者、毛耳な者等々様々な子どもがいた。

「……個々の子供は」

「そうです、ここは亜人がいる孤児院です」

「ここにいる子供たちは魔王によって親を失った亜人、国によって処刑された親の亜人の子がいるんです」

スウは思った。

(僕がここで暮らせばめっちゃ浮くだろうな~)

なんせスウが見る限り人間の子はいない。

「ここで遊んでる子で全てですか?」

「そうです、そして私も……」

女はやっとフードを外した。

そしてフードからヒョコッと猫のような耳が出た。

「私もここで育った獣人族です」

「あなたもそうなんですか?」

「そうだ、髪の毛が長いから見えなかったと思うが私は……」

髪の毛をかき分けるととんがった耳が出た

それを見てスウは、

「エルフですか?」

と言った。

「いや、天使だ」

(なんでやねん)

スウは心の中で思った。

「私は、亜人がこれ以上減らないように神によって派遣された天使だ、人間を孤児院に入れたことはない、君が初めてだなぜなら君を見て直感だが亜人を毛嫌いするものではないと思ったからだ」

スウはそれを聞いて

(まあしないけど)

と思った。

「私もこの方に親を失った時育てられました。人間の子と会った時毛嫌いされ石をぶつけられました。しかしあなたは私の姿を見ても、この子たちを見ても顔色一つ変えませんでした。なので私もあなたは大丈夫だと信じています。一応、たまに来る人間の方も普通に接してくれるのでその人には感謝をしています」

女は嬉しそうに言った。

「僕もその人たちを見て少しは人間を信じるようになってきた、だから君が架け橋になってくれ」

「そんなことには興味もない、僕はやりたい事のために生きている、君たちの道具ではないそれだけは理解してほしい」

スウは突っぱねるように言った。

「っ!! ……そうだね、確かに君は道具ではない、勝手なことを言って悪かったよ」

男は少し悔しそうに言った。

「いえ、まあ僕も住んでた町では人間に嫌われてたので大丈夫ですよ、亜人は初めて見たので存在を知らなかっただけですしね」

(アニメや漫画では見たことあるけど)

「そうですか、ありがとうございます」

そして、スウは子供達に紹介されることになった。

「皆さん、今日から人間の子供も入ります、仲良くしてくださいね」

女が言うと

「人間なんて信用なるかよ」

「どうせ軽蔑するんでしょ」

「「はーんたーい!!」

ブーイングの嵐だった。

「おい、お前ら人間と同じ事やって楽しそうだな」

スウは、威嚇するように言った。

「「「「……」」」」

それを聞いて皆黙ってうつむいてしまった。

「いいじゃねえか、別に」

すると耳のとんがった1人の男の子がこちらに来た。

「何かあれば俺が何とかするからよ」

「まあ、信用ないのは仕方ないことだからな、僕もまだ誰ひとり信用してない、それが人間であっても同じことだ」

男の子とスウは見合った。

「ま、そうだろうないきなりここにきて育ててもらうとはいえすんなり信用出来るなんて難しいぜ、俺もそうだったし」

「ま、それでいいでしょう、別に毛嫌いしてるわけじゃないし、ここに来る前に奴隷商人にもあったし、まあ普通に魔法使って逃げ切れたけど」

それを聞いて男の子は

「へえ、強そうだな、こりゃいい練習相手になりそうだな」

「喧嘩か?」

スウが聞くと

「なかなか骨のある男だな」

と言われた

(男に見えたんだ、別にいいけど、前世ではそうだったし)

「俺の名は、フラハイトよろしくな」

「スウ・アンベートです。よろしくお願いします、面倒だと思うのでスウと呼んでください」

住居確保に成功した。


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