10話『突然』
スウ・アンベート、ギルーツと出会ってから3年ぐらいたち年齢8歳である。
剣術
スウは、魔法なしでギルーツに勝つよう、踏ん張った、今ではギルーツの模擬剣を避けたり、ギルーツに当たるようになっていた。
振るわれた剣の力を利用して、バランスを崩すようにしたりなどもうまく出来るようになってきた。時には力で押し切ることも出来た。
だが、その分ギルーツも同じことが出来たので、ほとんど引き分けが多かった。
組手に関してもギルーツの力を利用して投げ飛ばしたり、ガードも出来るように相手の動きが分かるようになってきた。
そして、どのように攻撃したら相手がひるむかどの部分を殴れば効果的かなども分かってきた。
ギルーツも同様
いわばほとんど互角までお互い成長している。
そして、ギルーツはスウが生まれてこの方知らなかった村の名前を聞いて自分が知らないことに驚いていた。スウもお婆様に聞こうとしなかったのと、村の人にスウ自身が嫌われていたからだ。
そのことで、ギルーツは
「やっぱり村のこと仲良くなれないのか?」
と聞かれ
「嫌って話を聞こうとしないのだから、好かれようがない」
とスウはもう諦めていた。
ギルーツに町にも買い物で行くのだから町のこと仲良くしたらと聞くが、
村のことは違うが、よそ者にあまりいい印象がないのか結局同じであったと言った。
それを聞いてギルーツはお手上げになった。
スウは、
「村の子は少しお金があるだけでなぜ嫌うかまでは分からない」
と言うと、
「それは、国王に作物税を納めてるからで、スウのお父さんが戦士で税を免除されているのも原因かもね」
と聞いた。
それを聞いてほとんど諦めた。
「まあ納得だね、仕方ない、そういえば君のお父さんはお婆様とどういう関係だい? 父さんの知り合いとか?」
スウが聞くと
「そうだよ、父さんと君の父親は親友同士なんだ、だから今君の父親が戦士で働いて稼いだお金を持って来たり、君のお父さんが必要だと思って買ってほしいと言った本を届けてあげたりするんだ、代金は君の父親が払って君に渡ってるって感じかな」
「そうなんだ」
スウは納得した。
「でも、それ以外でも村の子は嫌ってる気がするな」
「君が何考えてるのか分からないのもあるんじゃないの?」
とギルーツはスウの質問に答えると
「あ、悪口言われた」
とスウはからかう。
「いや、そういうつもりはないよ! 僕は君のこと嫌いじゃないしね、一生懸命なところがいいと思うよ、それに……」
ギルーツは真っ赤になった。
それを見てスウは、またかと思ったが面白半分で
「どうした、ギルーツ?」
と言って顔を近づけた。
「わあ!」
と言ってギルーツは真っ赤にしながらその場でこける。
そして、ギルーツが自分の町に帰った次の日
お婆様が咳をしていた。
「お婆様風邪ですか? きょうは休んでいてください、無理をされては大変だと思うので」
「ありがとう、スウちゃん」
そう言ってお婆様はベッドで横になった。
そして、スウはお婆様の代わりに買い物をした。
町の子供には睨まれていた。
「なんだか、前世ではいつも買い物を親について行って、荷物持ちしかしてなかったからな、異世界で初めて一人で買い物したな」
となんとなく前世を思い出す。
「チレイたん僕はここでも君を愛することが出来たよ、だからこそ僕は君を神と証明する」
そして、ブツブツといつも村でやっているように祈りを捧げた。
そのことも村の子供に気持ち悪がられていることを知らずに
「おや、今日は1人かい? えらいねえ野菜美味しいよ」
「魚かっていくかい?」
等々、必要なものをスウは買っていき、夜ご飯のおかずなどをかって行った。
途中で女の子の髪飾りを勧められたが、元男のためあまり興味なかった。
(趣味でチレイたんのフュギアがあればよかったんだが、やはり異世界にはないよな)
スウは、そう思いながら家に帰って行った。
そして、家のドアを開けて
「ただいま帰りました、お婆様」
「……」
「? 寝てるのかな?」
そう思いながらスウはお婆様がいる部屋に言った。
そしてお婆様はベッドに横たわっていた。
そして、スウは
「お婆様、今帰りましたよ」
と言って、お婆様を揺らした。
しかし、お婆様は起きない、そして気になり口元に手をかざすと
息をしていない。
「! お婆様……」
流石にスウは動揺した。
これまで一緒に過ごしてきたお婆様が直感で分かってしまった。
お婆様は死んでいた。
あまりにも前触れもなく突然に、
咳が原因すらも分からない
「ああ、チレイたん、ついにお婆様が死んでしまいました。僕はこれほど悲しいことはありません。……僕も人間ですので涙が出ます」
スウは思った。
(人の死は突然だ、僕が事故で殺されてしまったように、お婆様は病気でいきなり死んでしまった。もうこの声が聞けないのか)
そう思って、スウは涙を流した。
結局友達を作ることが出来なかったので、お婆様に
「申し訳ございませんでした」
と言った。
お婆様side
(ああ、私は死んだのですね)
お婆様は魂になって、スウを心配した。
(あの子は友達が1人だけ入るけど、その子はこの村や村に一番近い町から遠く離れているためたくさん会えることが出来ないですね)
お婆様はスウが心配になったいた。
すると、
「大丈夫ですよ、いつも私が見守ってますから」
(?)
お婆様は声のする方に顔を向けるとかわいらしい女の子が立っていた。
(あなたは?)
「あなたのお孫さんを見守るものです。名を夏風チレイとお申します」
「あなたは姿がスウに見えるの?」
するとチレイたんは
「見えませんが、彼女は私を感じているでしょう、それがある限り彼女は一人ではありません」
そう言ったことによりお婆様は安心して
(これからもあの子をよろしくお願いします)
そう言って消えた。




