プロローグ『離れていく』
初投稿です。
色々と言われると思いますが完結を目指し、自分らしい小説を書かせていただきます。
他にも投稿すると思いますので、そちらもぜひ閲覧してみてください。
街中で男は歩きながら疲れたようにつぶやいた。
「はあ~昔から面倒見てきたとはいえ久しぶりに妹三人の世話はきついなあ、里見がいてくれたから助かったよ」
「別に構わないわよ、子ども好きだしいつかあなたと出来たときにも慣れておきたいし」
隣を歩いていた里見と呼ばれた女は笑いながら答えた。
「しかし、あいつらまったく遠慮なしに言いたい放題だな、少しは遠慮というものを覚えて欲しいものだよ」
「それだけお兄さんであるあなたを信頼しているんだと思うわ、それに哲也はそうは言いながらも、妹たちがかわいいと思っているからわがままを聞きたいと思うのかもね!」
哲也は文句を垂れたが、里見に言われて、
「まあ、あいつらも俺が家を出てから一応はしっかりしていたみたいだし、安心したのもあるかな、多分わがままを言ったのも俺に久しぶりに会えたからだと思うし、久しぶりにあいつらのわがままを聞くのも悪くないと思ったよ」
照れながら言った。
「私たちが結婚して、子どもが生まれたら、ああやって楽しく過ごしていきたいと思うなあ」
「そうだな、もっと会社でも頑張って、子供と楽しく過ごしていけるってすごく幸せなことだと思うから」
「会社って、お父さんが社長の秘書を務めている会社で、いずれは哲也がお父さんが辞めた後、秘書を継いでもらうって聞いたよ、大変だと思うけど、無理しないでね」
「ありがとう里見、絶対に幸せにするから」
哲也と里見は楽しそうに話しながら歩いていた時、
「おい!トラックがっ!」
という声が遠くから聞こえた。
すると、トラックが目の前を歩いていた少女めがけて、猛スピードで迫ってきた、それに真っ先に気づいた哲也が、
「っっ危ない!」
と言って反射的に少女を助けに行った。
「哲也 !!」キキッ――――――ドォォン!
トラックはそのまま建物の端にぶつかった。
その音を聞いて店の人も
「てつやああああああああああああああああああああああああああああああ !! 」
里見は泣きながら叫んだ。
「返事して!お願い返事してよ――!」
周りにいた人も心配そうに見ていた。その時
「大丈夫だ!! 俺も女の子も無事だ!!」
その声が聞こえて里見はあわててトラックの後ろから哲也がいるところに向かった。
すると哲也と少女は奇跡的に軽傷で済んだようだ。
里見は泣きながら言った。
「……! もう、いきなり飛び出したからびっくりしたじゃない……っ、二人とも無事だったからよかったけど……グスッ……」
「ごめん、でも大丈夫だよ、」と言いながら哲也は泣いている里見の頭を撫でた。
「間に合ってよかったよ、怪我は大丈夫?」
と少女に言った。
少女は泣きながら頷いた。
すると運転手がトラックから出てきた。
男は明らかに酔っぱらっていた。
「あーんだ~ヒック、だいひょうぶか~」
呂律が明らかに回っていない
「おいあんた、自分が何をしたのか分かっているのか!下手したら人が死んだんだぞ!」
哲也は男をにらみながら言った。
「いいじゃねえか~誰も死ななかったんだし~」
しかし、男は反省する様子もなく、言い逃れをしようとした。
「っっ! このクソ野郎!」
哲也は胸ぐらを掴もうとしたが、
「哲也やめて!それよりも早く警察を呼ばないと!」
里見の声を聞いて、哲也は冷静になった。
里見は目を腫らしているが、落ち着きを取り戻しているようだ。
「そうだな、まずは警察に電話しよう、それが先だな!」
哲也の言葉に里見は頷いた、
するとそこにいたおじさんが
「警察はもう呼んだよ時期に来るだろう」
と言ってくれた。
「そうですか、ありがとうございます」
と哲也はお礼を言った。
「お願い、私は女の子のところに行くわ!さっき怖い思いをしてまだ不安だろうし」
「わかった、お願いするよ」
そして、里見は女の子の傍に行った。
すると、
―――――ピシャッ
と音がして里見は足元を見た
「……っっ!!」
時間は遡って事故の前
「いや~特典付き夏風チレイたんのフュギアが買えた時の喜びといったら !! 神がかってるぜ !!」
男は、小声ではあるが嬉しそうに言った。
男の名前は木屋 良
趣味はアニメ鑑賞、グッズ集め、ゲーム、エロゲー等である。
事務員の正社員をしている男である。
(基本、会社ではあまりにも手際が悪すぎて自分が無能ではないかと、ずっと考えてしまうからなぁ~、こういう至福が俺にとっての心の栄養剤だぜ!)
「いや~やはり萌えだな!ってやべ、なんか声漏れた、聞かれたらさすがに照れくさいな」
と言いながら周りを確認すると、自分の後ろを反対方向に歩いていた女二人が木屋をチラチラ見ながらクスクスと笑っていた、そしてそのまま曲がり角を曲がって見えなくなった。
「うん、聞かれたな、そして笑われたわ、まあいいか、愛が漏れたんだ仕方ない、致し方ない。愛じゃあ仕方ないわ、リア充だって恋人に愛の言葉をいつも投げかけてるし、大して変わらないだろうに、笑うほうがおかしいな、うん、そうだな」
と言いながら気にしないようにして歩いて行く、
そして、すぐに足を止めた。
(待てよ、特典付きフュギアだが、ちゃんと特典入ってるのかな、箱から見た感じ分からないが、ちゃんと入ってるよな、なんかすごい気になるな、前なんか家に帰ったら入ってなかったことがあってわざわざ店まで行ったし、まあ別の店だけどだからと言って今回の店は大丈夫とは限らないしなあ、気になるなあ中身確認したいがさすがにここであけるのはさっきみたいに笑われかねないからな、わざわざバカにされるような行為は夏風たんに失礼だしな~う~ん)
と思っていると、前方のすぐ近くに路地裏があった。
(仕方ない、あそこに入ってちょっと開けて確かめるか、入ってなかったら店にすぐに行けるし)
と考え、路地裏のほうに行った、そして入ろうとしたとき、
「おい!トラックがっ!」
という声が聞こえたので
「なんだ」
と言いながら振り返るとすぐ近くにトラックが来ていた。
「っっな!」
木屋はそのままトラックに轢かれた。
そして、レジ袋に入っていたフュギアの箱が自分の血に濡れながら、衝撃で飛んで行ってしまった。
(ウソだろ……マジかよ……死ぬのか、いやだ……離れていく、俺の愛した子が、離れていく、そん……な、い……やだ……い……っしょに……ず……とい)
グシャアアアアアアアアア
里見は自分の足が血で濡れたことに気が付いた、そして足元を見ると大量の血がトラックから流れ出てきていた。どうやら路地裏に隠れるように入ってしまったので死体は見えないようだ、そして自分と哲也と少女の他に人はいないと勘違いをしていたことに里見は気づいた。
哲也が、少女を助けたことによりそちらに意識が周りもう一人の存在に気づくことが出来なかったのだ。
「……っああ……」
里見は震えながら後ずさりした。
哲也も里見の異変に気づき、里見の見ている方を見てようやく気づいた。
「……っまさか他にも人がいたのか! 」
周りも人が死んでいることに気づき、
「救急車! 救急車を呼べ! 早く! 」「……え、嘘……」「きゃああああ!」
という声が聞こえる。
「わっわざとじゃねえ!あんなとこにいたあいつが悪いんじゃねえか!」
運転手は状況を把握して酔いがさめたのか、言い逃れをした。
すると警察が到着した、そしてそのまま男を取り押さえた。
「くそぉ!気づけなかった、気づいてやれなかった!」
哲也は悔しそうに言った。
その後、救急車も到着し、トラックが運ばれた後、血まみれの男が発見された。
リア充書いてたら精神削れたけど頑張ります。
拙い文章力で申し訳ありませんが、流し読みでもいいので閲覧して頂ければ幸いです。