☆1話 ~あいみん、ってよんでねっ☆♪~
ちょっとノリがウザいかもしれませんが、あまり深く考えず、軽い気持ちでお楽しみいただければ。
◇
はい。雅弥藍美16才、今日から高校生です♪
妹の朱璃と一緒に、ここ魔術学園都市にやってきましたのん。人工の島らしいんだけど、女の人しかいないんだって。
そうそう、わたしたちが入学する学校ね、アストリア学園っていうの。制服は普通にブラウスと、チェック柄のプリーツスカートだよ。あ、それとカーディガン。
スカートの色はちょっと特殊で、生徒の属性によって違うんだー。ちなみにわたしは水属性だから青色ね。
髪の色も青だから、ちょうど合うや。
あ、今日の髪型もいつも通り、右サイドアップテールで気合いいれたよ♪
朱璃も普段と一緒で、左サイドアンダーテールだね。かわいいよ!
そいで今はですね、教室で自己紹介タイム中です。
お、前の子たちが終わったみたい。次はわたしたちの列の番だね。
よしっ、やってやるですよん!
朱璃と他の子たちと一緒に、前に出て並ぶ。
まずはわたしか。ふふん、まかせろ!
「雅弥藍美、水属性です! あいみん、ってよんでねっ☆♪」
「ちょ……」「まじか……」「わたしら……」「このあと、っすか……」
「バカ姉……」
「こら朱璃っ、おねーちゃんに向かってバカとはなにごとですか!」
「あたしを巻き込むなっ!」
むうぅ、冷たい……。
まいっか、クラスメイトのみんなもちょっと笑ってるし。続き続き~、っと。
「そんで、お胸のとこでねんねしてるこの子。使い魔の妖精サフィーナちゃんです。えへへ、かわいいっしょ~♪」
「カーディガンの襟から顔だしてるー」
「かわい~」
「姉ちゃんいいおっぱいしてるね、ぐへへ」
「「「ぐへへ~」」」
「先生も~、そのお胸を味わいたいです~」
「いやん、もう♪」
なんか最後のだけブルッてしたけど、気のせいだよね。
「なんでもう意気投合してんだよ……」
「おや、ヤキモチですか朱璃ちゃん」
「ちげーよバーカ!」
ほっほ、お顔がちょっと赤くなってますわよ。
あいかわらずおねーちゃんのこと大好きなんだね、わかります。
「ツンデレあかりん、か~わい~♪」
「うっせえ!」
「なんかヤンキーっぽい」
「でもなんかかわいい」
おお、あかりんのことかわいいってさ。
あ、てれちゃってるね。お顔がもっと赤くなってるよ。
「はい、じゃあ次、あかりんの番だよ」
「……おう」
「ファイトだよっ、あかりん!」
小さくガッツポーズで応援! がんばれっ、おねーちゃんがついてるぞっ。
「あかりん、がんばれー」
「緊張しなくて大丈夫だぞー」
「あかりんファイトー」
おお! みんなも応援してくれてる。ありがとうね!
よし、じゃあ朱璃が自己紹介に集中してる隙に、っと――。お、あったあった、電子チョーク。
「……雅弥朱璃、火属性」
「そっけない」「ヤンキーっぽいな」「ていうか……」「姉がなんかやってる」
しーっ! 最後の子、しーっ!
……朱璃にはバレてない。セーフだっ。
よし書けた、おっけいっ!
「腰のカーディガンにはさまってねてるのが使い魔で、サフィーナと同じ妖精。名前はルヴィニア」
「ちょ、電子ボードみてw」
「なになに、『3才。あかり、おねーちゃんとけっこんするの』」
「『4才。おねーちゃんはあかりのだもん……ぐす……』」
「『全才共通。おねーちゃんだいすきー♪』」
「「「「「か わ い す ぎ っ ! !」」」」」
「は、え……? ――あ」
「あ」
バレちった♪
おー、朱璃がすっごい勢いで赤くなってくや。
「……て」
「『て』?」
「てめええええええええええええええええええええええええーーっ!!」
『あかりん、げきおこっ! がおー』のまき。
あ、今ので次の列の子が起きた(さっきからずぅーっと寝てた)。なんか髪とか目とか、いろいろ黄色い子だ。
あとなんかギャルっぽい。髪型もアゲアゲな感じのポニテだし、ブレスレットとかつけてるし。
「使い魔おきちゃ……おきないな」
「ぐっすりマックスだね」
「かわい~」
あー、ゆうべ2匹してベッドでイチャイチャ遊んでたもんねー。かぁ~わいかったなぁ~、むふふっ。
「あ、そうだあかりん」
「あ゛あんッッ!?」
「うわお、やっぱヤンキーだ」
「生のガンとばし、初めてみた」
「ごめーんちゃい☆♪」
「…………………………………………あ?」
「すいませんでしたあ!」
「ちっ……最初から素直にあやまれよな、バカ」
「なんだかんだゆるしてくれる朱璃ちゃん大好き、ちゅっちゅ!」
「帰れ!」
残念だったな、いま帰るとサボりになっちゃうからして、それはできませんのよ。
((((なっがいなー、この姉妹……))))
「あ、雅弥姉妹、以上ですっ(ビシッ)」
「……以上です」
「待たせてごめんね。じゃ次のひと――」
「ちょっとしつもーん」
お? さっきの黄色い子だ。なんだろ。
……ていうか、
「おっぱいでかっ!!」
「あははー、Gでーす」
「「「「「なん……だと……!」」」」」
「うわああああんっ、うらやまじいいいいいいいい!」
「不公平だあああああああああーーーーーーーーっ!」
「神さまのばっきゃろおおおおおおおおぉぉおおお!」
「「「ばっきゃろおおおおおおおおぉぉおおおーー!」」」
「んー、Gカップかー。おっきいねー」
「ウチのお姉はもっと大きいよー」
「なんと! ちょっとでいいからわけてほしい……!」
ほんとマジで。
ほんとマジで(2回目)。
「……で? 質問あるんじゃねえの?」
「ああそうそう、そうなのよあかりんー」
「あかりんいうな」
もう朱璃ってば、クラスメイトなんだからもっとこう、やわらかくさー。あの黄色い子は優しいっぽいからまだあれだけど、そんなツンツンしてたら友達できないよ?
「えっと、雅弥ってさ、あの美容会社の『~MIYABI~』だったりする?」
「おお、よくわかったねワトソンくん」
「山吹琥菜でーす」
「おお、よくわかったねココナちゃん」
「ここなんでいいよー」
「おお、よくわかったねここなん」
「あははー、あいみんおもしろいねー」
よく言われまーす。
あと中学のときの友達には「ウザいw」とも言われましたんー。
「え、美容会社『~MIYABI~』ってたしか……」
「すっごい有名なやつじゃん! あのたっかいの!」
「でも効き目ほんとすごいらしいよ?」
「たしか、おばあちゃんがCEOやってるんだよね」
「ウワサだと、めっっっっっっちゃ若々しいとかなんとか」
「あ、おばーちゃん? そうなの。ほんと小学生にしか見えないんだー」
「うっは、それすごいねー。ねえねえあかりん、マジなの?」
「あかりんいうな。マジだよ」
「私おこづかいためよ」
「バイトしよ」
「お父さんにおねだりしよ」
「ちなみに先生もお世話になってますよ~」
まいどでーす♪
((((…………マジなげー))))