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空中庭園  作者: 桃花
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最近こう言うこと多いな。たどり着いた空中庭園で思う。草が珍しくぼうぼうと生い茂っているところで休憩所が入り口のすぐ近くにあった。荷物をおいて寝袋を干してからどうなっているのだろうと首をかしげて中を見回すことことにした。休憩所を見ると草刈り鎌と背負子があった

その空中庭園に必要なものが置いてあるから疑問に思う必要はないが・・・

「整備しろっていう事か」そう呟いてから手袋を装着して置いてあった草刈り鎌と背負子を背負って取りかかる。ぼうぼうと生い茂っている雑草だと思っていた草はすべて薬草だった。回収してというのが面倒なのですべて終わってから選別するのもありだとそのまま放置する

休憩を挟みつつ草刈りを進めていくと一番奥に鈴の木が聳え立っていた。ふさふさと葉を生い茂らせてシャンシャンと鳴る鈴の音。邪気を払い気を浄化するといわれている鈴の木。実としてなっている鈴を加工してお守りとしても使えるし食べても体に良い。酒に付けて正月に飲む縁起の良い酒として販売されたりしている。

ただし、鈴の木がある空中庭園に入れる人間は少なく流通している数の少ないために市場に出れば瞬時になくなるといわれている。一度食べたことがあるがそれは父の友人が空中庭園を巡っている人に分けていただいたものを福分けしてもらったものである

すごいなーと思って見ていたが、木の周辺の草刈りが未だ終わっていないと思い出して草刈りをし始めた。風が吹く旅にシャンシャンと鳴る鈴の音が耳によく気分よく草刈りを終えた。鈴の木に一礼した後に休憩所に戻る道すがら草刈りして放置していた薬草が消えていたが、これも空中庭園のシステム上のなにかが働いたんだなと疑問にも不思議にも思わないようになってしまった。

草刈り鎌と背負子をしまって休憩室に入るとどこからともなく出現していたお湯が張ったたらいがあった。汗をかいたらそれで流せという訳だな。汗をかいたら体を拭こうと思っていたから有り難いと遠慮なく使うこととした。汗を吸った下着を脱いでたらいに入る前に体にお湯をかけてから石鹸で全身を洗う。たらいのお湯で泡を流してからたらいに入って体を暖めながら流し切れなかった泡をタオルで拭いていく。小さな桶でお湯をかけたりして体が冷めないようにして風呂を満喫する。

着替えた後にたらいに余ったお湯で下着や服を洗い休憩室の横にあった干場に干しておく

自分以外の人間が入ってこない空間だから好きにできているが、人が来たら大変だなーとも思うがそう言うことがない空中庭園だからと油断していた私も悪かったのだろうか?

夕食を作っているときに歪みを感じた。誰かが無理矢理私の空間に干渉している感じである

なんだ?と思って休憩室を中心にして鈴の木を含む広範囲に守りと防御を一応かける。防御のなかには他人には空間の中が見えないようにする種類もあるのでそれを採用した。広範囲を地上で行えば確実に倒れて数日起きることができないが魔力が充実している空中庭園だ。倒れることもなく実行できた。

さて、誰がこんな馬鹿げたことをしたのだろうと入り口だけを残して魔術を施行したので身動きができるのはそこだけだなと警戒をしておく。一応あれだからと下着たちをなかに入れて置いたんだが入ってきたカップルには丸見えだったみたいだ。少し驚いたような反応をして男性が視線をずらしたように見えた。

休憩所は見えるようになっているんだと思って洗濯物を外から見えない位置に移動してあげたら女性に言われて視線を戻した。なにか声をかけてきたようだが、外の音が聞こえないようにしていたし聞こえていても無視しただろう

調理を終えたご飯を休憩室のなかに持っていき食べ始める。デザートは1つ前の庭園でとっておいた桃だ。桃も効能があり売買されるが、売りには出さない。果物酒にしておこうかな?とは思って腐らない亜空間に少し取り置いているが、大体は生食するためにとって置いている。ゼリーとかも良いかもと考えている

果物は大体果物主として取っておいているのと生食用に亜空間にしまっているのがあるので、私の空中庭園での食卓は豪華だ。ちなみに最近乾燥物は魚介類と干し飯だけで野菜は亜空間にしまっておけるようになった。バックのアクセサリーとして売っている亜空間が施されたものをつけているのである。薪も亜空間にしまって置いている分があるので冬季は引きこもり用の空中庭園で引きこもる予定である

食事を終えて洗い物のために外に出ると困惑した顔の侵入者が見える。あちらが見えるがこちらが見えない様になっているのだろ。空中庭園のシステムが私の魔術に干渉してそうしたようだ

見えても無視するけどな。と元婚約者とその思い人であり現在の彼の婚約者である人をちらっと見て思う。

明日はどうするかな?と思いながらもシャンシャンと風が吹くたびに聞こえる鈴の音を子守唄に寝袋にくるまる

朝日と共に起き上がり顔を洗って昨日の残りを食べたら採取に出掛ける。背負子が残っていたからそれを背負って庭園ないをぶらぶらする。完全にあちら側から私の方を見られない様になっているので最初は気にしたが今は気にしていない

散歩しながら昨日刈った歩いていると枝が落ちている。実がついたものとそうではない普通の枝。実が着いているのは背負子にいれて普通の枝はそのまま亜空間にしまう。そう言う風にして鈴の木の大樹の所に行く

今日も響きが良い鈴の音が聞こえてくる

そうだ。実がついた枝をゲット出来たのだから他の場所にも植えたらどうだろうと思っていると半透明の人が見える。幽霊ではなく空中庭園のシステムさんである。人と交流するときに出る姿だと以前聞いたことがある。はじめてなので驚いたが、怖い感じはしない

「できればそれは止めて欲しい」と他の空中庭園に鈴の木を植えるのは拒否された。それなら仕方がないなと思って断念すると

「冬の引きこもり用はここの場所でよいだろうか?他の場所は予約が一杯で」と言ってきたので

「良いですよ。鈴の音も好きですし。のんびりしていたいので」と鈴の木以外なにもないここの庭園で引きこもることを了承した。

「侵入者はどうする。あちら側は話があるようなことを呟いているが」

「どうせ自分達の都合が良いような話しを持ち込んできただけでしょ?私と話して関係を修復したとか地上で言いふらすつもりだろうから会う気はしませんし」

「了解した」とシステムさんが居なくなったがどうするんだろう。普通に地上から無理矢理侵入してきた感じがするけど、地上では何を代償にしたんでしょうね。とは思うけどまあ良いや。私には関係ないことだし

手にいれた鈴の実を食べながら思う。結構な数を得られたので福分けで兄弟に少しあげようと今まで私用で集めた物をいれて地上に降りたら郵送できるように荷造りをおする。

友人たちにもと数個作り亜空間にいれておく。そう言えばと枝も香木として人気の商品だったけ?と思うが、もらった人間がどうするかは私の責任の範疇ではないので気にしない

残った食べるようの鈴の実を亜空間にしまっておいて午後からのんびり休憩所においてあった本を読んで過ごす

読書中に兄から連絡が入ったのでなんだろうと出ると

「そっちに恥知らずものが来ていないか?」と聞かれた

「恥知らずってだれ?もと婚約者とその人の現在の婚約者なら無理矢理侵入してきたけど。入り口以外は侵入できないでいるけど」そう言ってちらっと入り口付近を見ると未だにいるカップル

「いるんだな。空中庭園にハッキングして無理矢理お前に会いにいったみたいだと報告を得てな。大丈夫か?」

「無害だよ。入り口以外の空間を確保できなかったみたいだから私に話しかけようとしているけど声すら通って来ないし。そろそろ地上で払った対価が切れる頃なんじゃないの?」

「それならば良いが」とこちらを案じているような声が聞こえる。良い兄を持ったなと感謝しつつ

「それにさ。こういう風に傍若無人に自分の思い通りに進めようとする人間に今後人が付いてくるか?今回の件で空中庭園関係者には嫌われただろうし」

「そうだな。お前の件でも結構な人間に見限られたようだ。家の関係者やその関係者たちを筆頭に。以前からお前たちの関係を見てきた人間たちは少しずつ手を引いていたようだしな」政略結婚でも相手を大切にしない人間を仕事上の契約を大切にする人間だと評価できないと考える企業もあるだろうとは思っていたが。

身から出た錆だろう。気がついたらという感じで焦っての行動なのだろうか今回は。焦って悪手をしたという感じしか見受けられない

「無害なら良い。それとあちらが勝手にお前と和解したとか言いふらさないようにこちらで手を打っておくから」と言って兄が連絡を切る。その後も姉や妹からも心配しての連絡が来たし珍しく両親からも来た。私のことなど意に関していないと思っていた両親が個別で心配だからと連絡をしてくるなんて今までなかったことなのにと驚いた。

親から連絡が来て驚いている私に娘の心配をしない親がいるはずがないと。今まで関心がないと思われるような対応しか示せなかったが、そんなことはなかったと言われて一応愛されていたんだと涙が浮かんだ。正月には顔を出しなさいと言われてしまったが少し悩む。初詣するために年末に一度地上に降りることは降りるが直ぐに庭園に戻って引きこもる事にしているのだが、家に戻れば絶対に数日は家を出られないだろうと予想される

少々面倒だ。しかも、顔だしとかで忙しい家族に迷惑だろうし。どうしようかなーと思っていると兄弟からメールが来て年末地上に降りたら迎えに行くから連絡してねとのこと。黙っていたら後々大変だからなーと年末に地上の滞在場所が家に決定された。少しだけ幸せ気分に浸っていると攻撃の波動が感じられたので視線を移動させると癇癪を起こしたのかこちらに向けて攻撃を仕掛けてくる元婚約者

「いい加減にしろ。こちらが下手に出ているに付け上がりやがって」と憤怒の表情である。少しの違和感を感じたが何にたいしての違和感かわからずに放置した。私には害がないようだし

「なんのことやらわかりませんね。そもそも空中庭園ないでの攻撃は禁止されています。現在あなた方の取り巻く環境が悪いのはあなた方の身から出た錆びでしょ?その原因を私だと勝手に思い込んでこんなことをして。それが更に評価をお落とすことだと理解できないのでしょか?」ため息混じりにそう答えるがその態度が気にくわないと攻撃を更に増やしてきた

「貴方たちが描いた未来予想には皆が祝福しておしまいとなるような感じなんでしょうが、婚約者がいながら他の女に恋をして手にいれようと画策しているのが周囲にバレているなんて思いもしなかったようですね。私に対する態度が周りにどんな風に評価されているかもわからずに策士気分で楽しかったですか」もと婚約者に問いかける

「好きな人が居るのに婚約者がすでにいる。隠れての逢瀬楽しかったですか?表では婚約者をたてる良い女としてカモフラージュしていると思っていても。貴方の目には前の婚約者何て写っていないのは確か。それが婚約破棄の茶番に繋がったとは考えなかったのでしょうか」そう現在の彼の婚約者に問いかける

「貴方たちがしていた行動は周りに顰蹙を買うものであったと判断できずに自分達の都合の良い様にしか考えられなかった。ただそれだけでしょ?それなのに私が悪いとか言わないでください」私が言いたいことを言い切ったら強制退場させらていったカップルたち。退場させられるならなぜ今まで滞在させていたのかよくわからないが、誰かの思惑があったのかしら?と少しだけ考えるが無意味なことなのでやめておく


 


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