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空中庭園で2日かけてゆっくり採取するようになってからは地上に降りるタイミングが3個渡ってからという風になった。地上に降りて2泊したら空中庭園にという感じのサイクルが確立されてた。空中庭園は季節がそれぞれ違うので、入ったら冬とかという場合がある。大体は徐々に季節が移り行く感じのルートである選択を間違ったり寄り道・スキップするとガラッと変わると報告されている。
薬師としての資格があるので、携帯に薬師協会から新しい薬のレシビが来たり売買所から依頼一覧が来たりすることがある。新しく薬効が認めらるた薬草なども情報がくるので、空中庭園に居ながらにして必要な情報を得られるようになる。情報を発信するには理由がある。
普通の空中庭園を巡る人たちは1ヶ月に1回しか降りてこない人が多い。1週間ほど地上で滞在して再びというサイクルであるために地上の状況がわからなくて困ったという人がいる。戦場だったり価値が下がった薬草を大量にと言った事もある。基本的にはバランス良く取って来る人が多いが、どうしても1ヶ月間採取したものなので大量となってしまう。のそために市場を安定させるためと空中庭園を巡る人の生活を安定させるための対策だ
花園に遭遇してからちょいちょい花園に遭遇するようになった。今日も入ったら花が咲き乱れていたので花園だった。しかも木の方で一面桜色に染まっていた。
今年は忙しかった?から地上で花見ができなかったなーと思い出して荷物をおいて花見をすることにした。草の上に座りお茶を飲みながら見上げる。座っているところの近くに紙をおいて降り注ぐ桜が積もらせる。
落ちてきた花びらを魔力でコウティングして押し花にするつもりである。魔力でコウティングしたら劣化することもなくきれいなまま残っているので、大切なものを取って置く時の手法のひとつである
はらはらと降る桜をのんびり見上げながらお茶をすする。幸せだなーと思う。そう言えば空中庭園の桜は恋愛に関するお守りとして売れるんだっけ?ととりとめのない事を考えながら過ごす。
夕食後に桜を見ながらどうだっけ?と携帯で検索したところ恋愛に関するお守りではなくて薬だった。いわゆる媚薬との原料のひとつとして売買されるとの記述である。媚薬かーそれなら良いや。と今日拾った花びらはすべてコウティングして自分用にすることとした。
翌日は花びらが降り注ぐなか下草で生えている薬草を採取する。桜のしたで生い茂っていた薬草なのでと注意事項に書かないとダメらしい。何でも薬効がちょっと違っているようだ。売買所の情報検索にそう書いてあったのでその通りにするつもりである。各種の薬草を分別して違う入れ物に入れて置く。それから再び花見をして楽しむ
婚約してからこうやってのんびり気がすむまで花見をしたことはなかったな。挨拶回りと接待がメインで花を愛でる事が難しかったと記憶している
相方の方は思い人を目で追うことで忙しくて私に気を配ることないし周りはほぼ見知らぬ人だから少しのんびりしてという風にはいかず常に緊張状態だったなーと
最悪なのは挨拶が終わり気がついたら一応婚約者がいなくなっていたということだ。どこにいった?と失礼がない程度の対応をしながら探していたら思い人と逢瀬を重ねていたという事もあった。あのときは本気で殴ってやろうと思ったが、腹をたてても致し方がないし怒る体力も勿体ないから切り捨てたんだっけ。たしか
私が怒ったて何したって反応を返してこないということはわかりきっていたので、逢瀬をしている写真を写して婚約破棄のための書類として兄に提出した記憶がある
懐かしいなーと思いつつ2泊して次の空中庭園にいくと今度は色鮮やかなバラ園だった。
バラか。と思って荷物をおいてぐるっと庭園内を回ってから咲きが終わって枯れてきた花を採取してく。そうすれば新しい花も咲きやすくなる。採取したバラの花を広げて乾燥させる。ポプリにしてもいいしなーと思い付きでやっていたが、薬師協会からの依頼情報で終わりかけのバラとあった
何でも化粧品にするらしい。あとは咲ききったバラもあり香水の材料となるらしい。どちらも乾燥させずに紙袋に入れてほしいと乗っていたので広げていたバラの一部を紙袋に入れて置く
バラの香りは好きだが、化粧水や軟膏として使用するには強すぎて肌荒れの原因となるために私は使用しない。というか基本的に薬草を採取するときも花を採取するときも手袋を使用して採取している。草に負けて炎症を起こす事があるからだ。採取し終わってから数時間後にかゆみを伴い腫れるのが常である
それがわかったのも婚約者が贈ってくれたバラのエキス入りのハンドクリームだった。もとも肌荒れがという話をあちらのご両親にしていたらだったら試しに使用してみないかという感じで奨められ、使用した翌日に見事に炎症が出て病院に言って治療をした記憶がある。ドクターストップを受けてその診断書をあちらの家に送ったのにも関わらず次にあった時につけていないとねちねちといってくる家の人だったので。信頼しないなら先生に直接電話をかけて確認してくださいと確認して貰った事がある
もと婚約者関係で良い記憶なんて皆無といって良いほどないが、元々彼がそういう風に家族にいっていた節があるからなーと
そこまで嫌なら何故婚約の話を親からされた時に断らなかったのだろうと思うが、顔もまあまあよかったから婚約者は他の面倒な女性からアプローチをかけられないように女避けとして受けたとしたら納得ができる対応である
関係ない・関係ないと言っても人生の半分以上を彼と婚約者として過ごしてきたので、記憶をたどると出てくる出てくる。思いでと言い切れるくらい割りきって過ごしていたから別に痛みの悲しもないのだが、少々不快である事は確かだなと思いつつバラ園を堪能する
バラ園の次は?とドキドキして入ると普通の空中庭園だった。と入っても水がきれいで。きれいすぎて清水として採取して香水や化粧水または薬を精製するときに使用する水として売りに出せということだろうなと思いついて荷物から空瓶を取り出す。時々こんな綺麗な水がわき出る場所に出くわすので空瓶を何個かストックしているのである
綺麗な水は用途がひろいから高値で売買されるし。魔道具を作る時にも使用するらしい。あとは水の浄化に使うとかなんとか言われた気がするけれども、きちんと覚えていないのはもと婚約者関係の人が話していたからだ。遅いか早いかの違いではあるも、あんたがたの次期トップとは結婚しないから詳しく教えなくても良いよ的な考えで聞いていた。態度はきちんと教えをこう人その物だったけどね。
綺麗な水を回収したら普通に飲む水が出ている場所に行き煮炊き用の水を回収する。やはりきれいな水がわき出ている方が薬草の繁りかたが違うなと思いながら荷物をおいて薬草を採取する
水場を荒らさない程度の薬草を採取してから種類別に分けてから箱に入れていく。今回は別入れの薬草が多いなと思いつつも荷物に入れて食事の準備をしていると携帯がなる。はて?と思うと依頼一覧が送信されてきた
ざっと見るとちょいちょい結婚式のものが多い。空中庭園を巡る私たちに依頼する人なんて大企業しかない。ということは元婚約者たちが結婚の準備をしているということかしら?それ以外にも今年婚姻をあげるところが数組みあるからなー。違うカップルなら卸しても良いけどな。地上に降りたらちゃんと確認してから売りに出そうと思う
嫌な人に私が採取したものを使用してほしくないし。そもそもなにかあったら言いがかりをつけてくるに決まっているからな。そう頭にメモをしておいた
地上に戻って売買所で依頼を見て持っている薬草を売買する流れである。依頼書を見ながら関係を持ちたくない人間と繋がりのある人たちが出している依頼を弾いて売買をする。受付のお嬢さんに依頼を勧められる事もあるが、そこと関係を持ちたくないんでと断ること数回。持ち物の大半は売買できた。売買できなかったのは、薬師協会で加工して売りに出すことにした。
お金を払って調合室に入って依頼が出ている薬や化粧品。下処理してから売買できる物を加工していく。大体2時間を一区切りにそれ以降は30分過ぎるごとに追加料金がというシステムなので、手早く行わないとお金が少なくなる
2時間以内に目標のものを作成して売買したら宿に予約を入れてから移動する。
今回の宿は湯治施設でもあるため洗濯機があるから洗濯場にいかなくても良い。宿について風呂に入って身綺麗にして洗濯をした後に近くの神殿に顔だしして安心して宿泊できるように祈願する。食事は自炊となっていたが、調理器具は貸し出してくれるらしく自前の鍋以外を借りて少し手の込んだものを作成して夕食とする
夕食後は再び温泉に入ってのんびりして鋭気を養う