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本格的に空中庭園をめぐる流浪の旅に出て1ヵ月。実家では慰謝料請求が完了したと数時間前に兄から連絡が来たが最早どうでもいい案件である。
降り立った空中庭園の休憩スペースに荷物を置いて採取にかかる。基本的に売れる傷薬用の薬草をベースに食べるための果物を採取したりする。空中庭園に生えている薬草は基本的に下の薬草より質がいいため高額で取引される。
数種類の傷薬のもととなる薬草を採取して置く。今の季節でしか採取できないが、販売するのは秋とか冬とかのものもあったり。アレルギーや各種臓器の治療薬のもととなる薬草も採取しておく。先ほどあげたものは生えている数が少ないので、少しずつ採取して纏まった量になったら販売するようにしている。
ある程度採取できたら休憩スペースで汚れを取ってから種類別に分別してバックにしまって置く。薬草別に入れておく小さな篭を目印をつけていれているので問題ない。
人によって休憩スペースの内装が違うらしいが、私は和風の内装になっている。薬草を採取している時についでに集めた薪を生活魔法で火をつける。普通の令嬢ならこんなことできないが、学校で基本的な魔法という授業で習った。普通はスキップして攻撃魔法とか防御魔法とかをとるけど、基本は大切だよねというスタイルを偽装してガッチリ取得した。逆に攻撃魔法は難しいとか防御魔法はちょっとと言った感じで手を授業中は抜いたが、休みや習い事がない日は空中庭園でガッチリ防御とか回復とかの練習をした
そのお陰で、回復も防御も無詠唱でできるようになったが、そんな事を知っているのは友人と兄くらいではないだろうか。余計な話だが
囲炉裏に火をともして干し飯と乾物をにて夕食にする。昼に採取した果物はデザートである。完全に日が沈んだら後は寝るだけだ。食事をとった後は今日採取した薬草と通ったルートをノートに記入して置く。
どのルートを何回使うと変化が出るのか記録しているのだ。空中庭園は一定のルールで新しい空中庭園に進むためのルートが出たり薬草の種類が増えたりする。人によって休憩スペースが違ったり同じルートで入っても空間が違ったという特殊な魔法がかけられているのである。
しかも中継地点というか終点というか。一度地上に必ず降りるようになっている。その人に依るらしいが、私は4日目で地上に降りるようになっているし、もと婚約者とその思い人の縁の地には降りないようになっているらし。どのように設定されているのかわからないが、使用している人間が不快になるルートは開かない仕組みだと以前降りた地の売買所で聞いた
今日寝たら明日は降りる日だな。と思いながら眠りにつく
翌朝空中庭園を降りたらそこから近い売買所がある地に降り立った。まずは売買所でお金を作ってお金をとり大衆浴場に向かう。売買所がある場所には必ず大衆浴場と洗濯屋がある。
ざっと汚れをおとして湯船に入ってのんびりする。風呂を堪能したら洗濯物を洗って乾燥させる。これも生活魔法である。洗濯は水を使って乾燥は火と風を絶妙に使って行う。人によっては魔力の無駄遣いだという人もいるが、それでも飯と思って使っているから問題ない
さっさと洗濯を終えたら宿に泊まる手続きをして少々の荷物をもって神殿へ。
神殿で一晩お世話になりますと挨拶してから薬師組合へ。そこでお金を払って調合室を使用する。自分用の傷薬や痒み止めの軟膏や化粧水を作っる。簡単な傷薬は売買許可を学生時代に取得していたので多目に作って売買する。それを使って足りない乾物等を買っていく
今回の場所は衣服系統が多い場所みたいなので、服と下着などの小物を新調して古くて使用できないものを廃棄する事とした。
どんな服があるのかな?と古着と下着やを見ながら自分の好きな感じの物でお手頃なものを数枚新調していく。令嬢ではないので、1度着た服はもう着ないというような勿体ないことはしない。
ある程度買い物をすませて宿に戻り荷物を整理していたら夕飯の時間となる。宿の下では食堂をしているということで久しぶりに手の込んだ料理を食べられるとうきうきしながらしたの食堂へ。
サラダとスープ。それにパンと肉料理を注文して待つ。夕食なので軽いお酒も頼んで自分で作っていない料理を楽しむ。地元でも有名?な店見たいで、結構な人数が入っている食堂の隅っこで食事をとっていると色々な話が小耳に入って楽しい。耳に挟んだ噂では元婚約者どのと思い人は婚約を結ばれたとか。で、婚約の記念にと花を贈られたとかなんとか。私の時は親に言われて渋々だったが、今回は嬉々として送ったんだろう。以前からかの令嬢にと花を自ら作っていたからそれを送ったんだろうと簡単に想像できる。
私にも彼女を思って似合わない花をよく贈ってくれたと思い出してあの花たちはきちんと送られるべき人に送られたんだと思うとホットした
食事も終わり部屋に戻って眠りにつく。これで面倒な案件も苦々しい記憶もすべて片がついたようだと安堵して。珍しく昔の夢を見た。まだ、彼の関心がわからないくて自分を見て欲しくて空回りしていたときの頃の自分にもう大丈夫だよといっている現在の自分がいる夢を。決着がついたから見たんだろうなと起きてから思う
食堂に降りてご飯を食べて別料金を払ってパンを数個購入する。今日の昼飯ように買ったふわふわのパンをもって空中庭園に戻る。今回のルートは懐かしい庭園にたどり着いた。はじめて開ける人には特別な空中庭園が開くことがある。私の場合もそうだったのだが、正規のルートでたどり着いたのははじめてだった。
かわいい花が咲き乱れる花の空中庭園。花の中には薬効があるものもあるが、今日は採取せずに干渉するだけにした。
きれいだな。懐かしいなと花の絨毯を歩きながら昔の事を思い出すが、すべて元婚約者が閉めているのに苦々しく感じるがしょうがないとも思おう。それでも、彼に関する思いで以外で兄弟と遊んだ思い出や両親がちょっと出てくのもあった。
始めて上の兄弟とここに来て花冠を作ったりして遊んだ記憶が一番鮮明だなと思いながら昼のパンを食べてのんびりする。たまにはゆっくりしろと言うことだろうなと思ってだらだらする
翌日に少しだけ採取した薬効がある花と自分によく似合うと兄弟や友人に言われた花を採取して分別しておく
自分用に採取した花は押し花にするか亜空間にしまうか悩んだが、押し花にして持ち歩くことにした。
自分に似合う花を持っていると幸運が得られると言われているのでお守りという意味合いもあるし。今まで頑張ってきた自分へのごほうびとしての意味合いもある
今の今まで頑張って来たのだから好きなものをひとつだけ持っていても罰は当たらないだろう