1 僕、神狼になる
どこを見ても360°草原・・・じゃないや。河原に居る僕。
川を覗くと・・・・・
蒼い目、綺麗な漆黒の毛、柔らかいピンクのにくきゅう、ふさふさの尻尾、鋭い爪、どこか子犬っぽい顔。
分かるだろうか、
僕は今…………、
「キャンキャウゥゥゥゥンッッ!!(子犬になってるぅーーー!!)」
その原因は、ある夢(?)だった。とりあえず、1時間前に遡る。
「ただいまー……優兄、和兄、何してるの?」
僕の名前は、「犬神 愁」です。僕は3人兄弟の末っ子で、現在小6。今合格発表を見て帰って来た所です♪無事合格です♪
「おぅ、帰って来たか」
今のは犬神家次男の「犬神 和也」です。一人称が“俺”で、僕より2つ年上の中2…の筈。
「結果どうだった?」
この人は、犬神家長男の、「犬神 優護」で、現在高2。一人称は和兄と同じ。
「合格だよー」
「ほぅ、誰かさんと違ってやっぱり偏差値的には愁の方が良いじゃねーか」
「誰かさんって俺か!?」
「なんだよ、大○と筑○は、比べてもしょうがないだろ(笑)」
「( Д )」
「優兄言い過ぎ」
「あ・・・・」
「気づくの遅すぎ」
「・・・・・」
なんだかんだで、両親が出張中なんで、仕切り役は僕なのである。
「じゃぁ、昼寝してくるから」
「「もう昼じゃねぇだろ」」
双子じゃないんだから声揃えるな、うざい。
僕、こう見えても意外と腹黒いよ(笑)
すー………すー………
「……ろ……ろっ」
「…きろ……ろって」
「起きろ、起きろって言ってんだろうが!」
ガバッ
「いきなり、寝ている人に怒鳴るっていうのはどーゆーことですか!そもそもあんた誰!人の家に入り込む何て!…はっ!」
「む…こりゃまた失礼な若者だな…ん、私の正体分かったのか?」
「泥棒か!」
「なんでそうなる!ったく、良いか聞け」
「聞かなかったら?」
「強制的に聞かせる」
「うわーサイテーなおっさんだなおい」
「いいから聞け。愁は異世界に行きたいか?」
「まぁ、行けるなら行きてーけど」
てか、こいつ病気?
「厨二病ではないぞ!私は神だ、正真正銘の神だ!ったく、強制的に行って来い!」
すると僕は光に包まれて、地球から姿を消した。
で、今に戻る。
でもさ、なんで犬なんだろ…。確かに犬は好きだけど、僕が犬になるなんて。
此処は普通人間だろ!答えろし、このクソ神め!
今思ったんだけど、食いもんどーすんだよこれ。
子犬状態じゃ、まともに歩けないんだけど!
すると、遠くからではなく、真上から馬の鳴き声がした。
「ディブどした?」
人の声だ!振り返ってみたら、なんと!
鎧を着て馬に乗っている大勢の人たちがいました。