君の歌う唄は、僕の身体の全ての細胞に行き届いて癒しや活性化させる力があるんだよ!
”君の歌う唄は、僕の身体の全ての細胞に行き届いて癒しや活性化
させる力があるんだよ!“
僕の好きな女性は、歌う事が物凄く大好きひとだ!
いつも僕が彼女を見かける時はみんなの前で歌を唄っている。
彼女の声はみんなを笑顔に変え、幸せを呼ぶ歌声に酔いしれる。
”僕もきっとその一人なんだと思う!”
僕も彼女のあの声の虜になっていった。
ただなかなか僕は彼女に声をかけられないでいた。
僕は彼女の近くまで行くと緊張して何も話せないでいたからだ!
普段、全く緊張しない僕が何故か彼女だけ緊張して何も話せない。
でもどうしても僕は彼女と少しでも仲良くなりたくて遂に彼女に
声をかけると?
彼女は優しく僕に返してくれた。
『”よく私の歌をいつもその辺で聞いてくれてる男性です
よね? 知ってますよ。“』
『・・・ほ、本当ですか? 知っててもらえて嬉しいです。』
『私もあなたが話しかけてくれて嬉しいです。』
『凄く伸びのあるいい声で歌われていて、僕は貴女のその声に
惚れてしまいました!』
『えぇ!?』
『ああ! 変な意味じゃなくて、な、なんかスミマセン。』
『ううん、そう言ってもらえて嬉しいですよ。』
『ありがとう、また貴女の歌う唄を聴きに来ていいですか?』
『勿論! いつでも聴きに来てください!』
・・・僕は緊張しながら少し震えた声で彼女と会話をした。
短い時間ではあったけど凄く彼女に話けて良かったし嬉しかった!
念願の彼女とやっと話が出来た事に僕は興奮して、その日の夜は
なかなか寝付けなかった。
それから3日後、彼女がまたあの場所で歌を唄っていると知った僕は、
直ぐに彼女の歌うあの場所に向かう。
僕がそこに着く頃にはチラホラ人が集まっていた。
彼女も一人で機材を並べて持って来ていたギターのチューニングを
黙々としていた。
僕は彼女の邪魔にならないようにそっと何時もの場所に足を止める。
そうしたら、彼女が僕の方に目をやりニコッと笑ってくれた。
彼女と話す事がなかった時は、”一度もなかった事だった。“
彼女の笑顔は僕にだけ向けられた。
こんな幸せな事はないなとふと小さな幸せを僕は噛みしめる。
そして遂に彼女は集まった人の前で何時ものように歌い出した。
僕やそこに居た人たちみんな、彼女の歌声に耳を向けていた。
ただただ静かにみんな彼女の唄を聴いていたのだ。
勿論! みんなで盛りあがる歌もあり、みんなで彼女の歌に
合いの手を入れたりクラップもしたりする。
決まって最後に彼女が歌う唄は、バラードで昔好きだった男性
の事を想い書いた曲なのかもと僕は想っていた。
最後の曲も終わり、そこに集まっていた人達も各々の時間に戻っていく。
僕はそっと彼女に近寄り彼女に一言こう言った。
『手伝うよ。』
『あぁ、ううん! 今日は来てくれてありがとう。』
『今日もステキな歌声だったよ。』
『えぇ!? そうかな、そう言ってもらえて嬉しい!』
僕は彼女が持ってきた機材の片づけを一緒に手伝う。
ゆっくり片付けが終わると彼女は僕に少し時間あるかと聞き、
近くにある彼女がよく行く喫茶店に一緒に連れてってもらう事になった。
お店に入ると? 喫茶店のマスターが彼女を歓迎してくれた。
『おう! 今日はもう歌は終わったのかい?』
『ああ、ううん! 先ね。』
『じゃあー何時ものでいいだろう、隣の君は何を飲む?』
『・・・ぼ、僕はアイスコーヒーで!』
『”なんだよ今日は一人じゃないんだな~こんなの初めてじゃないかい?“』
『えぇ!? マスターもぉ~やめてよ!』
『ごめんごめん、ふたりでごゆっくり。』
『もぉ~マスターは意地悪なんだから~』
『ココにはよく一人で来るの?』
『”歌った後は必ず来るかな。“』
『そうなんだ、知らなかった。』
『”だって何時も私が歌い終わったら直ぐに帰るじゃない!“』
『・・・えぇ!? そ、そうだっけ?』
『そうよ、だから初めて私に話しかけてくれた時は物凄く
嬉しかったんだよ。』
『そ、そうだったの? じゃあ、もっと早く声をかければ良かったね!』
『ううん、今はこの時間が何よりも嬉しいわ。』
『・・・こ、琴ノ葉ちゃん、』
『”それにね! 最後に私が歌うバラードの曲、あれは貴方の事を想って
書いた曲なのよ。“』
『えぇ!?』
『”貴方が私の初恋の男性だから。“』
『・・・・・・』
*
その後は、彼女と仲良くなって僕らは付き合うようになった。
僕は彼女と付き合うまで全く知らなかったのだが......。
どうやら? 彼女の話を聞くと、僕と彼女はもっと前からお互い
知っていた関係らしい。
僕が小学1年の2学期後半まで居た学校のクラスメイトだったらしいんだ。
その後僕は父親の転勤で転校してしまってすっかりその事は忘れていたのだけど。
彼女はその時に僕に恋をしたらしい。
彼女が言うには? ”僕が初恋の相手だったんだって!“
やっぱり僕と彼女は運命的な出逢いを既にしていたのかもしれないな。
今は僕にとって、”彼女は最高の歌姫であり最高の彼女なんだ!“
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




