おじいちゃんちで
目が覚めた。
少し焦げたような畳のにおいがしておじいちゃんの家に泊まりに来たんだと思い出す。振り子時計が一秒間隔でかんたの耳に届く。
窓の外からはぼんやりと浮かぶ金色の満月がひっそりとした住宅街に一人いるぼくを照らす。
近所の家々はまったく灯りがついてなく、畳のにおいと遠くに見える田んぼの広大な土地が僕の交感神経を刺戟する。
僕以外の人間は今、僕のいる世界とは違う、別の世界をさまよっているんだと想像する。今この光景を見てるのは自分しかいない、そんな背徳感に今日の光景を独り占めしてやろうと思った。
ふいにかんたは二階からくせっけの強い髪の女性が歩いているのを見つけた。
女性は美しい赤のワンピースを着ていて顔は髪にかかって見えなかった。
しばらく見ていると女性はなぜか一軒一軒ドアを開けようとドアノブにてをかけてはまたかけてを繰り返していた。
なんでだろう?一軒一軒鍵が開いてないか調べているのだろうか?そう思うと背筋に寒い電流が走った。
そういえば、おじいちゃんの家に来た時に鍵を鍵を閉めなくていいと言われたのだ。
僕はそれを注意するとおじいちゃんは笑顔で田舎は都会と違って泥棒の心配がないから鍵を閉めなくてもいいと言っていた。
急いで走り1階の玄関まで駆ける。額からしょっぱい汗が口の中に入った。
カチっ
「ふーっ、よかった...」
ガチャガチャガチャガチャ
ドアはあかない。すりガラス越しにワンピースがぼくを凝視した。男の顔をしてた。身の毛がよだつ程、怖かった。




