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聖夜とシャンパンと執着執事

やっぱり小説を書く企画は楽しいですね~♪

ヒロインに執着する執事を是非楽しんでいって下さい(´艸`*)

「……あなたにこのシャンパンを()いでもらうのも、今年で終わりなのねえ」


 私、セシリアは、シャンパングラスに注がれるピンク色の液体を見つめて言った。ここは、私の住む屋敷にある食堂。今私は夕食後のシャンパンを飲む所だ。執事のトラヴィスは、ボトルをグラスから離すと(うやうや)しく答える。


「セシリアお嬢様が公爵家へ嫁ぐまであと一か月。それまで、このトラヴィス、誠心誠意お嬢様にお仕えさせて頂きます」


 私は、不満げな顔でピンク色のシャンパンを一口飲んだ。この執事は、私が嫁に行こうがどうしようが顔色一つ変えないんだわ。


 トラヴィスは、私が子供だった時からこの子爵家で下働きをしていた。私より一歳年上の彼はとても優秀で、一年前には執事に就任した。当時まだ彼は十九歳だったのに。

 ……まあ、この子爵家が貧乏で、あまり優秀な人材が集まらなかったのもあるけれど。


 私は、シャンパングラスを置くと改めて執事を観察する。清潔に整えられた黒髪。宝石のような黄色い瞳。相変わらず、綺麗な顔をしてるわ。


 私は、賢くて美しいトラヴィスの事が大好きだった。でも、子爵家の令嬢である私と平民であるトラヴィスの結婚が認められるわけが無い。私は、自分の気持ちに蓋をして生きてきた。


「……そういえば、トラヴィス。あなたは、恋人とかいないの? あなたももうニ十歳。そろそろ結婚していい年頃よね?」


 私が聞くと、トラヴィスはゆるゆると首を横に振った。


「恋人はいません。私には、お嬢様が全てでしたから」


 私は、苦笑して言った。


「そこまで言ってもらえるなんて光栄だわ。でも、新しい恋人くらい作りなさい? 私は、あなたには幸せになってほしいんだから」


 そう。トラヴィスには、恋人を作ってもらわないと困る。そうでないと、私はトラヴィスの事を諦めきれないから。


「私は、お嬢様に幸せを願って頂けるような人間ではございません」


 トラヴィスが、目を伏せがちにして言った。私は、目をぱちくりとさせて聞く。


「どうして? あなたは優秀で素敵な執事じゃない」

「……私が、お嬢様の幸せな未来をぶち壊そうとしているからです」

「え? それはどういう……」


 私は、言い終わる前にガタンと椅子ごと床に倒れ込んだ。何? 一体何が起こってるの? 身体が動かない……!

 床に横たわる私の元に、トラヴィスが歩いてくる。コツコツという足音が、静かな食堂に不気味に響いた。

 トラヴィスは、光の消えた目で私を見下ろして言う。


「ああ、やっと睡眠薬が効いてきましたね。……安心して下さい、お嬢様。お嬢様は、私が閉じ込めて、ずっと世話をして差し上げます。そう、ずっとね……」


 ……これは誰? こんなトラヴィス、知らない。


 私は、困惑しながら意識を失った。


       ◆ ◆ ◆


 トラヴィスは、気を失ったセシリアを横抱きにして、門に停めてある馬車に乗せた。夜中である為、その姿を目撃する者はいない。

 トラヴィスは、これからセシリアを連れて、自身の故郷に戻るつもりだ。賢いセシリアの言う事を聞かず領地経営に四苦八苦している旦那様の事など、どうでもいい。今も旦那様は、金策に走る振りをしてギャンブルをしているのだろう。


 それに比べ、セシリアはどうだ。賢いばかりか、自分達使用人にも優しい人格者だ。艶のあるブロンドの髪や青い瞳もとても魅力的で、トラヴィスはすぐにセシリアに惚れてしまった。


 クリスマスの時期だけセシリアが飲むシャンパンに睡眠薬を入れたのは、セシリアを自分のものにする為。

 例え公爵家の令息に嫁ぐ事がセシリアの幸せだったとしても、トラヴィスはセシリアの事を諦めきれなかった。

 トラヴィスは、馬車の中で眠るセシリアを見つめて呟いた。


「身も心も、早く私のものになって下さいね、お嬢様」


きっとヒロインは、何だかんだ言いながらトラヴィスと楽しく(?)過ごす事でしょう~(´艸`*)

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よし、ハッピーエンドだな!
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