救世主
学園長を探そうとしていると、突然空から雷が鳴り始める。
「ま、まさか!?」
学園長、アレを使用して?
「急いで、向かわないと!!」
そうして、俺が屋上の扉を開けると。
「あ、あぁ。学園長・・・。それを」
「来てしまったか。大夢君」
「そう、ですか。覚悟を決めたようですか」
「あぁ。可愛い子供達のためなら、俺は手段を問わない」
「そう、っすか」
もう、戻ることは出来ない。そして、俺はその男へ視線を向ける。
「なっ!?お前は・・・!!」
「知っている通り、元世界最強の、大夢だ」
「なんでお前がここに!!クソッ。悲運すぎるじゃねぇか!!」
「んだよ。学園を壊しに来たんじゃねぇのか?たった俺と学園長が集まっただけで、怯んでいるのか?」
「い、いや。なわけねぇだろ。ここより、復讐の時だ。覚悟しろよ!!」
そう言いながら、そいつはこちらへ向かってくる。しかし、
「遅い」
そんな突進を軽々と避け、隙を作ったこいつに一発蹴りをお見舞いしてやった。
「うぐっ!!」
「幸い、まだ全然動けるようか」
そうして、俺が再び蹴りを入れる。
「うがぁっ!!」
「はははっ。案だけ大口叩いておいてそれか?」
俺が、そう嘲笑う。
「っ!!許さねぇ。だったら、学園長、お前だけは殺してやるよ!!」
そうして、その男は立ち上がる。しかし、
「俺が、許さねぇ」
この人を、すぐに死なせるわけにはいかなかった。だから、俺はそれを放つことにする。あぁ、久しぶりに使うことになるか。まぁ、いい。覚悟は決めた。
「隻眼」
「うっ!!クソがぁ!!!!!ふざけるな!!それを、それを放ったら・・・!!」
「黙れ。俺がやったことだ」
騒ぎわめくそいつを裏目に、俺は久しぶりにそれを放つ。
「異眼魔切」
そうして手に入れたナイフで、
「終わりだ。クズが」
<<シュパッ>>
歯応えあり。だったが。
「だから、言っただろ。簡単には負けないって」
そいつは、また立ち上がってみせた。
「やるじゃねぇか」
まさか、異眼魔切を耐えられるとは思わなかった。だが、俺もこれだけっていう訳ではない。
「しかし、やられっぱなしというのも癪だ。俺だって!!」
何をやろうとしているのかは分からないが、とりあえず防御を張っておく。が、
「爆弾焔」
「なるほど。そう来るか」
防御を張っても意味なくなったか。しかし、逃げようにも、この異能力は一瞬で拡大する。だったら、
「一回受けるしかないか?」
いや、だめだ。この異能力はエネルギーが強力だ。下手したら死ぬ可能性だってある。いったい、どうしたら。と、考え込んでいたら。
「俺を忘れるな。大夢」
一つの声が、上がった。
「あぁ。任せたぞ」
そうして俺は、それを放つ。
「封印」
「・・・は?」
その火玉は、一瞬にして消されていた。何故なら、学園長が、その火玉を封印させたから。
「お前さん、昔の俺を忘れていただろ?昔の俺は、こんなことだって出来たんだぜ?」
「っ。だるいなぁ。だったら、どうすりゃいいんだよ」
「知るか。じゃあ、それなら・・・」
「いや、気が変わった」
「は?」
突然、そんなことを言い出す。
「もう、お前らは狙わない。しかし」
と言って、そいつは告げる。
「世界は、壊す」
刹那、ゴゴゴっと、大きな音がなる。
「っ!!地震か!?」
地面は、大きく揺れていた。立っているのも、ままならないくらいに。
「だったら、だったら・・・いい。俺が、世界を壊してやるよ・・・」
そう言って、そいつは手を空へ向けて大きく掲げる。すると、
「うわっ!?」
「はぁぁぁぁぁぁ!!!」
突然、雷がその男一直線めがけて落雷した。
「これで、俺は更なる力を手に入れた!!やってやるよ。終わらせて、やるよ!!」
そうして、そいつは放つ。
「天性」
あぁ。終わった。そう実感した俺は、目を瞑る。・・・が、しかし、どれだけ経っても何かが起こった様子は感じ取られなかった。何があったのか。それが気になった俺は目を開けていた。すると、
「やま、と?」
「おっさん。世界最強なんだろ?だったら、止めることくらい出来ただろ」
そこには、大和が現れていた。
「ヒーローは遅れてやってくる。とはこの事か?」
「ったく。ヒーローと言えるような実力はまだ持っていないだろ」
「うっせぇな。とにかく、だ。あとは任せろ」
少しだけ、大和が格好よく見えた。謎の信頼感があって、今のこいつなら、この男をやってくれそうだ。そう感じ取った俺は、首を縦に振った。すると、
「覚悟しろよ?ザーラ」
そうして、
「あがぁぁぁぁぁ!!」
大和が入れたパンチが、そいつの腹にめり込む。そして、
「バースト」
その男は、屋上から落ちていった。また追い討ちをかけるかのようにして大和は、屋上から飛び降りていった。
「ははっ。大胆が過ぎるぜ」すると、したから悲鳴が上がってくる。それは、討伐を表していた。
「制圧完了」
「よくやってくれた」
そうして、これで一件落着かと思われた。しかし、
「まだ、街の方は襲撃が続いている」
「まぁ、だろうな」
「世界を救うためだ。いくぞ」
「あぁ」
全く、いい生徒を持ったもんだ。元は、無能だった落ちこぼれの人間が、今日という日は、かっこよく見えるのだった。




