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『無能』と言われてきた俺が”隻眼”になってしまった。  作者: 柴田優生


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運命

そうして次の日、俺はEnterクラスに登校していた。ざっと内容をまとめると、世界戦争に発展することを確信した学園長は、より異能力政府軍に対抗するために、新クラスのEnterクラスを設立した。その一員として、俺が選ばれたわけだ。そうして、俺はその教室に手を掛けて、扉を開ける。席の数を見た時、俺が最後の生徒なんだと分かった。そうして、教師は・・・

「え?」

「大和。座れ。少々遅刻しているんだぞ」

思ってもいなかった。だって、こいつは、ただの一般人のはずで、学園に関与しているはずがない。と思っていたから。俺が席に着くと、待っていたかのように、その教師は宣言を始める。

「Eクラスを担当することになった、『大夢』だ」

そう。このクラスの担任を勤めていたのは、あの時に出会った大夢だった。

「な、なんで、おっさんが」

「あぁ。そういえば、知らなかったか」

一拍をおいて、その男は宣言する。その、衝撃的な内容を。

「忽然と姿を消した世界最強とは・・・俺の事だよ」

と。

「は、はぁ!?どういうことだ!?」

突然、教師がそんなことを吐露する。いやたしかに、世界最強は姿を消した。が、このおっさんからはそのような気配は一切感じ取られなかった。

「な、なに言ってんだ。おっさんが世界最強なはずが・・・」

「まだ、信じないか」

すると、

「っ!!なんだ!?」

目に見えない何かに、俺は押し潰されそうになる。

「これだけ、言っておこう。今、俺は異能力を発動させていない」

「は?」

そう言われたので、俺はすぐさま相殺の異能力を放とうとする。が、しかし、

「異能力が、発動できない!?」

まったく、何が起こっているのか分からなかった。同時に、矛盾を感じる。異能力を発動していないのに、異能力を発動させることが出来ない。これには、展開を使用しないと異能力は封じ込めないはずだ。しかし、どうして?

「大和。そしてお前ら。これが答えだ。なぜ、異能力を発動させることが出来ないと思う?答えは簡単だ。俺の威圧が、お前達は耐えきることが出来なかったからだ。そのせいで、異能力を発動させるときに使う筋肉が、圧迫されている。ということだ」

なんだよ、それ。チートじゃねぇか。このおっさん、こんなにも強かったのか。

「さて、それがわかったところで、改めてよろしく。ということだ。おそらく、学園長から話は聞いていると思うが、これから細かな仕事について説明する」

さて。と空気感は一蹴され、大夢は細かな仕事内容について話し始める。

「このクラスは、幹部やボスの討伐に携わる。しかし、異能力政府軍は、他にも多数の組織が存在する。故に、お前達生徒だけじゃ厳しいだろう。だから、この戦争には、俺や学園長も参加する」

「だったら、俺らの圧勝じゃねぇか!!こっちには世界最強がいるんだぜ?」

「いや、一概にそうとも言えない。少し、昔の話をするとしよう。昔、俺が最強として君臨していたとき、あちらの組織に突如として新たな最強が誕生した。その最強は、当時世界最強の俺でも、決着を着けることが出来なかった。そんな最強だ。そんな最強を、世間はこう呼んだ。『魔帝まてい』だと。そして今も尚、魔帝は存在し続ける。その魔帝に勝つためには、俺と学園長が携われば勝てるはずだったんだが、俺も学園長も、互いに衰えが出ている。だから、今回の戦いは正直言ってむずかしいだろう。しかし、そんな俺たちは最強兵器を産み出した。少し前、試験のトーナメントの時に、一つ異妙なクラスを耳にしなかったか?」

「あぁ。たしかJクラスだったな」

「そのクラスに在籍していた、生徒を紹介する。そこに座っている”進治郎”だ」

「・・・え?」

進治郎?進治郎って、まさか!!

「どうも、Jクラス在住の、進治郎です。そして、やっと再開を果たすことが出来たね。大和くん」

クラス内の視線が、一気に集まる。しかし、そんなことはもうどうでもよかった。

「嘘だろ?進治郎?本当に進治郎なのか!?」

「あぁ。お前の相棒、進治郎だよ!!」

「やっと。やっと。だ・・・」

「二人。今はそんな場合じゃない。とにかく、説明を行う。俺たちの学園は、新たなる最強の新星を産むために、とある実験を行った。それは、特殊異能力と身体能力を無理矢理引き出すこと。それを、何度も何度も行って、そして、出来上がった。それが唯一の成功例の、進治郎じゃ」

「え?つ、つまり、こいつは・・・」

「大和。申し上げにくいことだったんだが、そういうことだ。しかし、平和のためなら仕方ない選択だったんだ。あまり、責めないでくれ」

「そういうことだ。それじゃあ、一旦授業は終わりにする。また次集まるときは、全員を召集する。それまでは、好きなように時間を過ごしてくれ」

そう言って、教師は去っていった。俺は即座に

「進治郎!!」

「大和。久しぶり」

俺たちは、抱き合っていた。

「君なら、強くなると信じていたよ。ようやく会えたんだ。だから、また、一緒に目指そう」

「あぁ。当たり前だ」

覚えているだろうか?俺と、進治郎が交わした約束を。

「もう、誰も。失わせないんだ。だからこそ、俺たちは平和な世界を目指して戦おう」

そして俺は、いや俺たちは、口を揃えて宣言する。

「世界を___救おう______」

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