嘘がバレた!?
戻って早速、俺はボス?とやらに問い詰められていた。
「だから、どこへ行っていたんだね?」
スゥーっと抜け出したはずだが、何故かバレていた。
「学園へ、行っていました」
「ほう。それはなんでだ?」
「学園の人間にバレないように忍びながら偵察をしていました。俺は、死んだ設定なんで、堂々と歩くこともできない。それに、もし見つかっていたらこっちには戻ってきていません」
「なるほど。それもそうか。まぁ、お前には位置情報を付けているからどこへ行こうと丸分かりなんだがな」
俺のプライバシーねぇのかよ。あと、怖いよ。
「ま、そういうことならいい。それじゃあ、会議を行う。来い」
「あ、はい」
言われるがままに、俺はボスについて行くのであった。
「計画は、進みつつある。新入りのお前は知らないかもしれないが、それ以外はしっかり把握しているな?」
計画?もしかして、学園のことに関してだろうか。
「知っているのとおり、クローンの生成もうまく行けているようだ。それが、この前の襲撃でだな」
クローンの生成。ってまさか。敵が減らなかったのは、クローンを生成していたから?しかし、あの量の母体数を生成しようと考えると、相当な体力を消耗するだろう。一体、誰が。
「ファズ。体力は増したか?」
「えぇ。相当消費し続けないと尽きないくらいには」
「あれはお前が耐えてくれたから、多少なりの被害を出すことができた」
ファズ。というのか。後に、マーキングするべき対象になるだろうから、覚えておこう。
「それで。だ。一応、元はこいつは学園の人間だ。そして、世の中では殺したこととしている。学園側からしたら、この存在を失くしたのは手痛いだろう。そして、また俺たちに恨みを抱くことだろう。そこで俺は考察をした。いや、これはこうなる未来なんだ。と、確信をしている。というのは・・・。恐らく、戦争になるだろう」
まぁ、そうだろうな。世の中では、俺は死んだことになっている。しかし実際は、俺は学園長に生きていることを証明している。いつか学園側が俺を救うべく、この組織へと乗り込んでくるだろう。恐らくそれが発端となり、やがて、戦争に発展しかねない。そうなってしまったら、もうあとには戻れなくなる。
「そこで、だ。お前、学園に調査へ行っていたんだよな?なにか情報はあるか?」
・・・。あ。やばい!!完全に油断してた!!それを聞かれるとは、想定もしていなかった!!まずい、どうしよう。適当に嘘をつくのもいいが、万が一バレたらスパイだっていうことがバレてしまう。だったら、どうすれば!!一瞬考えて、そうして思い付いたことを口にする。
「俺が死んだことを知ったようで、学園長が悲しんでいました」
そんな、丸分かりな嘘を。しかし、ボスの反応はというと。
「はははははっ!!!それは滑稽だ!!あぁ、これだよ。これ。その絶望の淵へと堕ちていく姿を見たかったんだよ!!大和、よくやった!!よく、俺らの組織へと加入してくれた!!もし、あいつがそれを知ったらどうなるか・・・!!あぁ、楽しみで仕方ない!!」
まったくバレている気配はなかった。よ、よかった。なんとか一難を避けることができたようだ。
「気を取り直して。俺らの組織と、相手の組織が衝突するのも時間の問題だろう。早ければ、一週間の内には起こってしまいそうだ」
実際そうだ。学園長のことだ。そんなに1ヶ月ほど長くも放置しないだろう。
「そこでお前ら。いつでも戦うことができるように、準備は欠かすなよ?」
「はい!!」
「それじゃあ、会議はこれにて終了だ」
そうして、俺は部屋を出る。
自室で、考える。どうしたもんか。いつ抜け出すとしよう。学園が襲撃を行ったときに、隙を見計らって出るか?いや、実際それが一番だろう。学園も、人数が少ないわけではない。生徒だけでも、ざっと数千はいる。そして、ファズといった人物が、学園の生徒の侵入を妨害するために、クローンを産み出す。そこでごちゃごちゃとなっている間に抜け出すのが適作だろう。しかし、情報を収集するといったが。
「集まったのは、ファズという人物についてのみ。か」
これじゃあ、全然有利な状況には持ち込めない。さて、どのようなものがあるか。と、考えていると。コンコン。と、ドアがノックされる音が響く。そのノックした人物を招き入れると。そこには、見知らぬ人物が立っていた。
「どうした?」
「少し、疑問に思ったことがある。今は、空いているか?」
「あぁ。空いているよ」
丁度寝るまで暇だったし、その疑問を聞くとしよう。
「まず、俺に見覚えはないか?」
「いや、ない。はず・・・」
「そうか。それじゃあ、本題にはいる。ボスも言っていた通り、お前は学園の人間なんだよな??」
「元、だがな。まぁそうだよ」
「なんで、急に組織に入ろうと思ったんだ?」
「俺が異能力を覚醒させたのも、全ては異能力主義であるから。前はあんまり知らなかったから、学園に入ったが、この組織があると気づいてから、こっちに入った方がいいと思ったんだよ」
「そうか。それじゃあ、再度問う。俺を、知っているか?」
「だから、知らないっての」
その男の質問の意味が分からず、思わず首を傾げる。すると、その男はこんなことを言い出した。
「お前、スパイだろ」
と。




