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『無能』と言われてきた俺が”隻眼”になってしまった。  作者: 柴田優生


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スパイ潜入

「ふざけるな!!!」

そんな、怒号が飛び交う。

「絶対に始末するように言っただろ!!あんな危険因子を生かしておいてはいけないのに!!なにしているんだ!!」

「は、はい。申し訳・・・」

「謝って済むもんじゃねぇんだよ!!今回の戦争で負けたことによって、劣勢となっているんだぞ!!」

俺たちは、あの学園の襲撃に失敗した。学園の襲撃、というよりも、とある二人を捕らえる命令。あの二人は、予想以上に規格外だった。最初は、何てことないと思っていた。それもそのはず、情報によると、元は世界最弱と言われていたから。そしてもう一人は、学園には入っているが、言っても最弱クラス。そもそもなんでそんな奴を捕らえる必要があるか。とも思ったが、ただ弱いだけだ。余裕だと思っていた。しかし、違った。

「どうするんだよ。俺の計画を一気に崩しやがって」

「次は、絶対に!!」

「次があると思うなよ!!!ったく、近いうちに、またあいつを殺さないといけない。そうだ。お前、最後のチャンスをやる。あの学園、『新聖学園』にスパイへ行ってこい。そして、情報を抜き出せ」

「は、はい。わかりました」

「もし失敗したら、次はもうないと思え?」

「ひ、ひぃぃぃっ!!!」

思わずの迫力に、体が震える。くそっ。あいつら、絶対許さねぇ!!なんとしてでも、

「殺してやる」

そんな、殺意が溢れるのだった。


次の日、何事もなくSクラスへ登校する。教室に入ると、いつもの風景が広がっていた。が、少し違和感を感じる。その違和感というものは、

「あんな生徒、いたっけな?」

一人の人物に、違和感を覚えた。元々、Sクラスには人数制限が存在する。10人のはずだが、何か、一人多いような気がする。

「気のせいか」

最近過労しすぎていたし、恐らく疲れているだけなんだろう。そうして、俺はそれを無視することにした。


「はっ。案外カモな奴が多いな」

俺は、異能力を使って、学園に紛れ込んでいた。なにやら、Sクラスには人数制限があるそうだったもんで、10人の人数制限を、11人に変えて、こっそり名簿にも俺の名前を追加しておいた。結果、教師も気づいていないようだった。

「なんだ。意外と楽勝じゃねぇか」

しかし、今日の授業は、

「調査だぁ?」

俺たちの組織の捜査らしい。こいつら、影でこんなことしてやがったのか。結局、やっていることは同じだった。俺らが実力主義のために平和主義の奴を殺そうとしているのと同じように、こいつらは平和主義のために実力主義の人間を殺そうとしている。つまり、互いに自分達のことしか考えていないのだ。

「俺らを悪者に仕立て上げやがって・・・」

今は、その怒りを抑えることしかできない。流石に、スパイであることはバレてはいけない。まぁ、なんとか乗りきるとしよう。


いや、流石に怪しい。なんで、誰も気づいていないんだ?敵の調査をしながら、模索する。いたと言われれば、いたような気がするけど、いないと言われれば、いないような気がする。そんな、奴だった。これは、探りを入れるしかないか?恐らく、この違和感に気づいている人間は俺だけだろう。だったら・・・。

そうして、放課後に俺は夢を呼び出していた。

「どうしたの?」

今回の俺が考えた作戦では、夢は欠かせない人物だった。

「なぁ。お前は違和感を覚えなかったのか?」

「違和感って?」

「ほら、なんかいただろ。たしか、”レイ”ってやつ」

「あぁー。なんかいたね。それがどうしたの?」

「あいつ、本当に学園の生徒かなって思って」

「どうして?私は全くスパイだと疑ってないけど」

「なんか、怪しいんだよ。本当にいたのかがわからない。今、俺の記憶は曖昧になっている。そして、学園にスパイなどいたらいけないだろう?」

「そうね。それはもちろん」

「だから、俺、探りを入れることにしたんだ」

「どうやって?」

そうして俺は、その作戦を夢に伝授する。

「なるほど。たしかに。けど、リスクあるよ?失敗したら、最悪死んじゃうかもよ?」

「そうなったらそのときはそのときだ。最悪、イフでなんとかするよ」

「それ、重要だよ?今死なれたら、学園的にも、そして私にも迷惑だよ?」

「わかってる。安心しろ。俺は、死なない」

「・・・言ったからね?私、信じるよ?」

「あぁ。そうしてくれると助かる」

「だったら、実行しましょう」

さぁ。この作戦が吉と出るか。はたまた凶と出るか。それは、まだ俺には分かっちゃいなかった。しかし、やってみる価値はあるだろう。もしこの方法が成功したら、他の場合にも活用できるかもしれないからな。そうして、おれは招待を暴くべく、その男の元へ向かうのだった。

そうして、おれはその男を呼び出す。

「どうしたんだ?なにか用か?」

「あぁ。少し世間話を。なぁ、お前はこの世界について、どう思う?」

突然、意味のわからない質問を繰り出してきた。この世界?もちろん、能力あってこそだろう。しかし、それを言うわけにはいかないので、それっぽい嘘をつく。

「もちろん、あっていいわけないだろう」

「なるほど。そう言うか」

まったく、この男は何をいっているんだろうか。すると突然、この男はこんなことを言ってくる。

「なぁ、分かっているんだよ。お前、スパイだろ」

刹那、俺は瞬時にその男に攻撃を繰り出した。本当に、生かしてはいけない奴だ。そうして、その攻撃は。

<<グサッ>>

何故か、月に照らされるナイフの先端には、大量の血が滴っていた。

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