殺された・・・?
「あぶねぇ・・・」
なんとか咄嗟に、イフを発動できてよかった。でも、見つかるまでは一緒か。だったら、攻撃される前に不意打ちを___
・・・見えなかった。なんで?たしかに、タイムリープを行ったはず。過去に、戻れたはず。なのに、なんで?さっきよりも、速いスピードで。まったく、視認することができなかった。そして、ここは、どこだ?俺は、死んだのか?辺りを見渡しても、ただ、真っ暗なだけ。
「なんで、やられた?」
本来、タイムリープは他者は記憶を持たない。俺だけが、数ある世界線を渡って、過去に戻っているだけだ。故に、他の人間はその世界線の記憶しかないはず。なのに、初手からあれだけのスピードでくるわけがない。だって、過去に戻ったこと以外に変わる世界線はないから。だったら、尚更どうして?しかし、なにか違和感が・・・。
「はっ!!まずい!!」
なんでかはわからないが、突然身の危険を感じる。そういうことか。俺は昏睡していただけだ!!今すぐ、起き上がらないと!!
「あぶなぁ!!」
目を覚ましてすぐ、目の前にはナイフの先端が映っていた。なんとか、ギリギリで回避することができた。
「ちっ。面倒くせぇ」
「お前は、なんなんだ?なんで、対策することができた?」
「分かるだろ。俺の周りが、答えを言っている」
「その生徒達は、生きているのか?」
「あぁ?わからない。生きているか、死んでいるかなんて。俺からしたら、どうだっていい。俺は、目的を果たしに来た」
「その目的の人物の一人が、俺か?」
「ご名答。さっさと、死んでくれ」
「悪いが。世界の悪のために動きたくない」
「だったら、実力でねじ伏せてやるよ」
刹那、その男が突然消える。今が、試し時か。なんか、できる感じがしていたんだよな。
「ふんっ!!」
「っ!!」
見事に、その拳は的中したようだ。なるほど。わかった。分かってきたぞ。
「な、何故。わかる」
「さぁ。それを教えることはできねぇな。ただ」
そうして、俺は告げる。
「お前がなんなのかは知らねぇが、負ける自身は1ミリもねぇぜ?」
そんな挑発をすると
「うるせぇ!!」
また、姿を消す。しかし、そんなのやったって意味がない。何故なら・・・
「がぁぁぁぁっ!!!」
また、命中したようだ。そう、命中したのも、俺は新しい異能力を使用した。それは、『降霊』自分の霊魂を一時的に覚醒させて、自分の視界を幽霊状態にすることによって、透明になった人間でも見透かすことができる異能力。故に、男の位置が分かる。
「はぁ、はぁ」
「もう息を切らしてんじゃねぇか」
「なるほど、まさか、降霊か?」
「さて。どうだろうな」
「じゃないと、見える理由が説明付かん」
くそ。厄介な奴だ。ボスに始末命令が下されたから、ちょうど目の前にいる始末対象を殺そうと思ったのに。この男、強すぎる。降霊が使えるなら、もう透明化は使えない。だったら、どうする?他の異能力で、こいつを木端微塵にするか、最悪、封印するか。しかし、封印魔法を使ったら、最悪俺も死ぬ可能性がある。俺は、組織の中でもトップクラスの実力を誇る。流石に、俺もプライドがある。世界最弱と言われた男になんか負けたくない。
「あぁ、面倒な奴だ」
「あぁ、そうだよ。面倒だろ?なぁ、諦めてくれないか?その方が楽だろ」
くそ。どうすれば、こいつを、殺せる?やはり、封印を使うしか。でも、俺が死んだら。その時、脳内から声が響く。
「構わない」
「・・・え?」
「死んだって、構わない。たしかに、お前という戦力が死んでしまうのは少々手痛いが、対象の男を封じれるならば問題はない。そのうち、捨て駒と引き換えにでもしてお前を蘇生する。だから、今は命を張れ」
「わかり、ました」
正式に、命令は降った。これは、ボスからの命令だ。命にでも引き換えて、こいつを封印するとしよう。
正直、このままいけば勝てると思っていた。しかし次の瞬間、俺は思いもしない異能力を受けることとなる。その男は、大きく手を掲げて、そして、
「結束封印」
「うそ、だろ・・・?うわぁぁぁぁぁ!!」
抵抗する力もなく、俺は闇の中へと吸い込まれるのであった。
「なにか、おかしい」
妙に、ソワソワする。果たして、大和は無事なんだろうか?私は、本当に籠っていていいのだろうか?段々と、ダメな気がする。んー。ダメだ。
「大和が、気になってしょうがない」
あいつも抹殺対象だっていうのに、一人だけ戦ってなんてして。近くの窓から、こっそり外を見る。すると、
「や、大和!!」
大和が、黒いなにかに吸い込まれていった。まずい、大和が!!気づいたら私は、走り出していた。大和が、殺された?いや、そんなはずがない。ない・・・よね?いや、今はそんなことどうだっていい。とりあえず、大和のところへ向かわないと!!
その場についた時には、もう遅かった。そこには、大和の姿はなく、変わりに黒い球体があった。
「おっと、二人目がお出ましか」
「ねぇ、大和は?大和を殺したの!?」
「大和?あぁ、こいつか。そうだなー。あぁ、殺した」
「うそ、でしょ?やま、と・・・?」
大和が、死んだ?いや、いやいやいやいやいや。そんなはずがない。ねぇ、そうだよね?大和?死なないよね?貴方なら、死なないよね?
「あぁ!!それだそれだ!!その絶望した顔が見たかったんだよ!!どうだ?仲間が目の前で殺された気持ちは!!」
うそでしょ?本当に死んだの?でも、大和が・・・。
「絶対に、許さない!!」
そんな怒りが、込み上げてくる。
「怒ったって仕方ねぇ。こいつはもう死んだ」
決めた。私は、大和の分まで、そして絶対に。
「敵を討つ!!」




