一体なんなんだ?
やがて、最後の試験となっていた。最後は、試験というより、検査。曰く、現在の実力を測るらしい。俺にとっては、超が付くほど大事な検査だ。いち早く上り詰めるためには、ここで高判定を戴かないといけない。今は、順番待ちだ。
「にしても、だいぶ大成したよな」
「貴方だって、まさか試験は全合格して、トーナメントも決勝まで上がってくるとは思っていなかったわ」
「まぁ、互いに途徹もない成長を遂げたってことだよな」
「そうね」
そうしてやがて、俺の順番が回ってくる。
「う、うぉぉ、」
一気に緊張してきた。恐る恐る、部屋のドアを開けて。
「し、失礼します」
「はい。それじゃあ、そこに座ってください」
どうしよう。これで変わらずF判定とかだったら。いや、流石に無いだろう。条件も満たして、トーナメントも準優勝だろ?ないない。少なくとも判定は上がるはず。そして、判定が表示される!!と思ったが
<<ピーッ、ピーッ>>
「え?」
エラー音が、鳴り響く。
「あら?おかしいわね。もう一度測ろう」
しかし、何度も、何度も測っても、結果は同じで、エラー音が鳴り響くだけだった。
「おかしいわね。故障かしら」
嘘だろ?こんなタイミングで?
「仕方ないわね。後で、学園長に相談しておくわね。一旦、戻って」
「あ、はい。失礼しました」
一体、なんだったんだろうか?
後日、再検査を行うということで、俺は一旦寮に戻ってきた。ちなみに、他のやつの証言によると、他の人間はしっかり作動したらしい。本当に、一体なんだったんだろうか?
「早く結果が知りたいというのに」
無駄に焦らされるのであった。すると、
「大和。学園長が呼んでいる。学園長室に来いって」
「お、わかった」
思った以上早くに再検査か?とにかく、早く向かうとしよう。
「失礼しまーす」
学園長室のドアに手を掛ける。
「すまない、休暇中に呼び出して」
「いえ、大丈夫です」
「それで、だが。話したいことがあるんじゃが」
「もしかして、検査のことですか?」
「それもそうじゃが、わしの疑問を、解決させたいんじゃ」
「ほ、ほう?」
「大和、わしの記憶が正しけりゃ、お前は無能と唱われた男じゃったのぅ」
「はい、その通りですが」
「それで、だ。たしかに、わしはお前さんを見込んだ。しかし、それが尚更疑問なんじゃ」
はて、一体学園長はなんと言いたいのだろう。
「えと、つまり?」
「大和然り、夢もそうじゃが、お前達は、Fクラスの人間じゃったはずじゃ。なぁ、大和。何故お前は、決勝まで上り詰めることができた?」
「そんなの、分かるわけがないですよ。ただ、運が良かっただけかもしれませんし、解放させた異能力が効いたのかもしれません。その辺は、俺には分かんないっす」
「お前は、おそらく、とんでもない人間になるぞ」
突然、そんな予言を受ける。
「な、なに言ってるんすか。たしかに最近伸びてはいますが、流石に見積もりすぎですって」
「まだ、とぼけるか?わしは、しっかりこの目で見た。なぁ、大和」
そして、学園長は、俺が解放させたその異能力について問う。
「お前さんは、IFを解放させたな?」
な、何故、バレた!?本来、バレるはずがない。イフは、言霊を発っさずとも発動できる。故に、相手にバレにくい。
「な、なんで、わかった?」
「たしかに、常人であれば察することは不可能に近い。じゃが、わしという存在を、見誤ってないか?わしとは、なんじゃ」
「正真正銘、学園長っすよ」
「そう。つまり、学園の長、そんな、学園のトップが、弱いはずがないじゃろ?」
たしかに、そうか。じゃあ、つまり、
「雰囲気で、察したということか?」
「一理正解じゃ。ただ、勿論それだけじゃない。もう一つ、お前が起こした異能力がある。お前自身で、もう分かっておるじゃろ?とぼけたって無駄じゃ。自分の口で、吐きたまえ」
「はははっ。やっぱり、学園長には隠し通せないか。そうっすよ。俺は、『タイムスリップ』を発動させましたよ」
そう、決勝戦で、違和感を感じたものはいるだろう。学園長は、それに気づいていた。しかし、それ以外の人間は、デジャヴとしか認識していない。その中で、唯一俺のタイムリープに気づいた人間が、一人いた。
「IFの力を使い、過去に戻ったな?何故、最弱クラスのお前がそんな芸当をできる」
「ただ、突然覚醒しただけっすよ」
「にしても、初使用なのに、あんな大胆なことができるか?」
「・・・」
言い返す言葉もなかった。異能力というのは、初使用では制御が難しい。しかし、俺はそれを完璧に発動させた。さらに、学園長は続ける。
「お前は、謎が多すぎる。新たなる異能力を発動したかと思えば、一発でそれを成功させる。それに、今日の検査だって。エラーが表示された。他の生徒は、正常に判断が下されたというのに。なぁ、お前は、何者だ?」
そんなの、俺が分かるわけがない。
「ぜんぶ、たまたまにしか過ぎないっすよ。だから、見積もりすぎですって」
「絶対に、そんなことはないはず。だって、おかしいんじゃ・・・」
その時、突然警報音が鳴り出す。
「な、なんだ!?」
「ま、まずい」
と、学園長が吐露する。
「何がまずいんだよ!!」
「侵入者警報が、作動した」
うそだろ?つまりは、
「襲撃が来た」
近くの窓から外を見ると、そこには、
「うそ、だろ?」
数えきれない量の人間が、学園に押し寄せているのであった。




