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『無能』と言われてきた俺が”隻眼”になってしまった。  作者: 柴田優生


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進化

その拳は、確かに直撃した感触はあった。しかし

「うぐっ!!」

何故か、攻撃を繰り出したはずの俺が、ダメージを受けていた。

「な、なんで」

確かに相手は攻撃を展開していなかった。だというのに、何故・・・

「君に入ったダメージの威力は、さっき君が僕に攻撃を繰り出した時の威力と同じだよ」

それは、ヒントのようで答えだった。つまり、

「俺の攻撃を、跳ね返した?」

「ご名答」

だったら、どうしたらこいつにダメージを与えられる?先ほどの攻撃は、現在の最大の威力で叩き込んだ。それで、ダメージ一つ付かず、なんなら攻撃を跳ね返されて俺にダメージが当たった。

「どうした?そんなに行き詰まって」

「そりゃあ行き詰まるだろ。だって、攻撃しても、ダメージが入らないんだぞ。だったら、どうしたら・・・」

「俺が思う以上に君は無能なんだな。じゃあ、教えてやるよ。君は、自分の弱点は知っているかい?」

「あぁ。もちろん」

「人間ってのは、必ずしも一つは弱点がある。とどのつまり、俺にも弱点がある。だったら、もうわかるんじゃないか?」

つまり、「弱点を突け。ということか」

「そういうこと」

ただしかし、弱点を発見するにはそもそも探りを入れないと見つけられない。相手は、途徹もない強者。戦いながら、弱点を見つけるということだ。そんな芸当、俺に出来るのだろうか?

「さあ。来いよ」

そう言って、そいつは手招きをする。ただ突進すればいいって話でもない。先程のように、相手はリバースを駆使してくる。だったら、どうすれば。

「考え事をするなら戦いながらしろ。でないと・・・」

そうして、そいつは異能力を発動する。

フレイム

刹那、火炎放射のような炎の塊が俺に突進してくる。

「ぐっ!!」

間一髪でその攻撃を交わすことが出来た。このままこの状態が続いたら、そのうち限界が来るだろう。ただ、ここで異能力を展開してしまえば、さらに体力を消費することになる。今は、なんとかして避けながら弱点を探らなければ・・・・・・さもないと。

炎壁ブレスウォール

「まずい」

そんな考え事をしていたら、炎の壁に囲まれてしまった!!どうする。全力でジャンプしても避けきれない高さだ。それに、見る限り温度が非常に高い。この状況、対策なんてあるのか?そんな諦めの言葉が、頭をよぎる。確実に当たったら重傷を負う攻撃なのに。打開策が、思いつかない。そうしているうちに、段々とその壁は迫ってきて、そして・・・・・・。

「そろそろだな」


そうだ。打開策を探さずとも、それをも打破する異能力を解放させちゃえばいい。炎の威力を打ち消す異能力。それは・・・

水防すいぼう

ダラダラと、その水は滝のように流れ落ちる。僕が放った炎の壁が、いつの間にか勢力を失い、やがて消息していた。

「ようやく、か」

倒すまではいかないが、俺は無能に危機を与えてやった。たしかに、これはこいつ自信が覚醒した事ではない。僕は、こいつの異能力を覚醒させるために、あえて危機を与えてやった。人間というのは、自分の身の危機に瀕したら、自動的に異能力の覚醒を始める。やがて、その異能力が放たれる。その性質を利用して、俺はあの異能力を放った。

「よくやった」

さて、面白い状況になってきた。新たな異能力を覚醒させた無能VS最強の僕。結末は、どうなるのだろうか!?

「期待するよ。無能君」

その呼び名は、相変わらず変わることの無い名前だった。だったら、俺が、変わったということを証明してやる・・・・・・!!

陽炎カゲロウ

「なるほど。陽炎か」

まだまだ分かっちゃいない様子だった。もう一つくらい、異能力を出さないと分からないか?

揺れた炎が、そいつに向かって一直線に進んでいった。かなりの速度がある。だというのに、

「っ」

そいつは軽々とその攻撃を受け止めた。そして

かく

俺の攻撃を受け止めたと同時に、異能力を放つ。また、炎系。その攻撃を交わしながら、弱点を探す。なんだ?こいつの弱点というものは。よく考えるんだ。そして、探しに探した結果。やがて一つの結論を発見する。

「まさか」

「ようやく気づいたか。それじゃあ、その弱点を突いてみろ」

言われて、なら。と言って俺はその答えを放つ。

「スプラッシュ」

それは、水の弾丸だった。こいつの異能力の系統は、炎系。つまり、炎の弱点は、水だ。だから俺は、水系の異能力を放つ。さぁ、解答は。

「半分正解だな」

と言って、また軽々とその攻撃を交わした。弱点を突いたというのに、何故?だったら、どうしたら・・・・・・

「埒が明かない。もう一次試験が終わるまで残り1時間と言ったところだ。・・・・・・そろそろ、バッジを回収させてもらうぜ」

そして。

「リミッター解除。10%」

刹那、衝撃波が辺りを襲う。

「うぐっ!!」

飛んできた木々が俺の体を掠めていく。

「チェックメイトだ」

そうして、その男は異能力を放つ。

「強化」

強化された肉体と、叩き込む速度。目で追えなかった。気づけば、俺の意識は朦朧として、やがて暗闇へと堕ちて行くのであった。

「流石に、実力の差がありすぎたか」

ただリミッターを10%解除しただけだが、ただの肉体強化で、彼は眠りについてしまった。しかし・・・

「少しは成長できたんじゃないか?無能君よ」

戦いながら同時に考え事ができていなかったのに、自然とできるようになった。そして、異能力を新たに解放することが出来た。やはり僕は、弱者が好きだ。強者は伸び代がないけど、弱者は伸び代があって見ていて面白い。

「絶対に異能力を解放させることのない、無能力者。だったか」

そんな事実は、もうとっくの前に消え去っていた。僕が見込んだ。この男は、間違いなく強者へと返り咲く。

「期待しているよ。名も知らない少年よ」

そんな期待を彼に込めながら、バッジを手に取り、

「成長できたんだし、元々取ろうと思ってた4個だけ、持っていくね」

そうして、その場を後にするのであった。

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