過酷
次の日、生徒は全員登校をしていた。
「久々の休みは満喫できただろうか?お前たちよ。さて、本番はまだまだこれからだ。今回は休みを取ったが、これからはそう休みは入らないぞ。早速、報告だ。来週から、試験祭りの日だ」
試験祭り?全く聞いたことの無い祭りの名前だ。
「その試験祭りは、様々な試験が連続して行われる。さて、順に発表をしていこう。まずは、また無人島生活だ。しかし、この前のようなただの生活ではない。3日間、その無人島でとあるバトルをしてもらう。そのバトルとは、『バッジ争奪戦』だ。ペアなしの一人組で、島内の生徒全員と戦って、基準のバッジを所持し続けて3日間生き残り続けると、晴れて合格だ。
そして、次は学園内バトル。最弱クラスFクラス~Sクラスの人間の中で、トーナメント式の試験を行う。勝てば勝ち進むほど評価は上がり、負ければ評価は下がる。誰と当たるかは、戦闘の直前になるまではわからない。
そして、最後が大本命と言っても過言ではないだろう。最後は、普通の試験だ。現在の実力を全て測って、そして各クラスの基準に分ける。もし、Fクラスより上のクラスの基準を満たしたら、昇格も有り得るだろう。せいぜい。頑張ることだな。そして、合否の件について。一日目、二日目で両方、もしくは片方の試験で不合格になれば評価は下がる。合格できるように、この一週間をどう過ごすか考えることだな」
長々と、教師が説明をした。思っていた以上に、試験の頻度が高いようだ。一週間後、か。そして、前回と違う点がいくつかある。その中で、一番大きな点は、Sクラスまでの生徒が全員参加をすることだ。実力が低い人間のみの試験じゃない。噂で聞いたことがある。試験に不合格し続けると、やがて退学となる。と。最弱の俺は、流石に焦りを感じるしかなかった。
(これはまずいぞ)
学園に入ったからには、最上級クラスまで上り詰めて、そして願いを叶えたい。どうすればいいものか・・・。そんな悩みが、脳内を駆け巡るのだった。
それからみるみる時間は過ぎていって、気づけば試験当日となっていた。練習は積んだが、ほんの少ししか上達しなかった。このままじゃ、まずい。そんな焦りが俺を襲う。
「それじゃあ、試験を開始する。いいか。チームプレイはなしだぞ」
そして、俺にとって何よりも厳しい条件というのが協力プレイが出来ないということだ。前回は夢が手助けをしてくれたお陰で、試験に合格をすることが出来たが、今回は手助けが与えられない。もしルールを破ってしまったら、きっと面倒なことになること間違いなしだろう。
「それでは、よーい・・・」
そして、高々と開始の合図が響き渡る。
「スタート!!」
生徒は一斉に移動を始める。最初は拠点などを探すために、30分攻撃禁止の時間が儲けられている。サバイバルの知識はある程度身に付いているから、生活には困らないとしても、最終的には条件の数のバッジを集めないといけない。現在、手元にあるバッジは最初に配られたバッジ1枚。そして、最終日までに所持しておかなければいけないバッジの数は8枚。Fクラスの生徒を重点的に狙えば、回収は無理でもないが、この試験にはFクラス以外の生徒も参加をしている。もし、Aクラスなどの高い階級に所属する生徒が俺を狙いに来たら・・・・・・いや、俺は間違いなく狙われる。だって、俺は最弱だから。この試験は、俺のような最弱にとっては過酷すぎる試験だ。弱いものが重点的に狙われる。だったら俺がやることはひとつ。日中はただひたすら逃げ続け、夜に寝込みを襲う。それしか、俺は生き残る方法が残されていないのだ。さて、もうすぐ、攻撃可能になる。果たして俺は、逃げきることが出来るのだろうか・・・・・・。
それから数多くの敵に出会したが、異能力を駆使しながらなんとか回避し続けることが出来た。そうやって逃げている間に、辺りは暗闇に包まれていた。日中は逃げ回っていただけなので、バッジの数は変わらず一枚。しかし、ここからが本気だ。普通の人はもう睡眠を取る時間。その時間を狙って、俺は動き出すのだった。
「いた」
優雅に眠りについている生徒を発見した。見ると、バッジの数は2個。合格するにはまだまだ足りないが、塵も積もれば山となる。2個でも十分な収穫になる。寝ている隙に・・・。
「閉壁(wall)」
「っ!?なんだ!?って、体が、動かない!?」
「すやすやと眠っていたもんでな。絶好のタイミングだったぜ」
「お前は、・・・・・・無能のくせに!!」
「確かに、無能だ。が、油断をした末、お前は無能に負けたんだよ。それじゃあ」
と言って、俺はバッジを回収して立ち去る。
「奪うなっ!!おい!!覚えてろよ!!無能!!」
背後からそんな叫び声が聞こえてきたが、振り返らずそのままバッジ集めに出掛けるのであった。
それから一夜で安定してバッジを回収することに成功し、日の出が見える頃には20個回収することが出来ていた。これで多少奪われても、大丈夫になった。あとは、2日間いもって過ごすことが出来れば、晴れて合格することが出来る!!そんな希望を抱き、俺は洞窟の奥深くで身を潜めるのだった。




