異能力者
そんな無能力者の俺にも、友達という輩が存在していた。一応説明をしておくが、この世界は、『異能力』が当たり前のように存在する世界だ。そんな俺は、無能力者のみが通うことが出来る学園に通っているのだが・・・・・・。
「大和」
「おぉ、進治郎」
こいつは、能力がない俺に関わってくれる進治郎だ。こいつも、実は能力を持ち合わせていない無能力者だ。
「学食行こうぜ」
「・・・・・・行ったところで、何もないだろ」
そう。実はこの世界は、無能力者には生きにくい世界なのである。だから、この学園の学食に行こうとも、学食には廃棄物しか売られていない。
「でも、無いよりかはマシだろ?」
「いや、俺は食べない」
「なんでさ」
「・・・・・・だって、体に悪いからな」
「そりゃそうだけどよ・・・。まぁ、俺は行ってくるわー」
「体壊すなよー」
そんな冗談をいれておく。ちなみに、昼ご飯はどうするかと言うと・・・。
「うめぇ」
街の郊外にある、給食を食べているのである。ここの飯はとても上手く、無能力者にも上手い食事を提供してくれるから、毎度御馳走になっている。そんなこんなで、俺はその後も授業をしっかりと受けるのだった。
無能力者は無能力者なりに、体を鍛える。能力がない分、身体能力を高めないと、何時如何なる時も、安心して毎日を過ごせないからだ。そんな俺は、毎日筋トレをしていた。最近は、筋肉もよく付くようになってきた。それこそ、身体能力強化を使ったときの肉体ほどに成長した。これで、ある程度面倒事に遭遇しても、なんとかできるだろう。と、そんな甘いことを考えていた俺は、後に痛い目を見るのであった。・・・・・・そんなこんなで、俺は日課の散歩をしていた。夜風を浴びることは、最高に気持ち良い。疲れきった体が、一気に癒されるような、そんな感覚がする。そんな夜風に癒されつつ、俺がいつもの散歩コースを歩いていると・・・・・・。
「おい。兄ちゃん」
突然、背後からそんな声が響き渡る。そちらに視線を飛ばすと・・・・・・。
「どうかなされましたか?」
一応、戦闘態勢に入っておく。雰囲気でわかる。・・・・・・こいつらは、能力者だ。
「そんなに身構えなくても良いっての~。・・・・・・それで、なぁ。兄ちゃん」
「なんでしょう」
「お前は、『新聖学園』って知ってるか?」
「あぁ。あそこですか」
新聖学園とは・・・・・・。能力を所持する人のみが通うことが出来る、そんな異能力者が集う学園だ。「俺さぁ~。そこの生徒なんだよねー」
「はぁ。そうですか。・・・・・・それでは」
「待てって。なぁ。兄ちゃん。お前、其処らじゃ、そこそこ有名な無能力者さん。だったよな」「よくご存知で・・・・・・」
「俺さぁ~。ちょーっとその学園内で嫌なことがあったから・・・・・・」
そして
「ちょっとサンドバッグになってくれね?」
・・・・・・刹那、その能力者が尋常でないスピードで此方に迫ってくる。対応するうちに、ソイツと俺の距離は気づけば零距離になっていて・・・・・・。
「朧火」
彼がそう言い放った刹那、
「っ!!」
なんとか、クリティカルヒットを避けることが出来た。その瞬間、目の前に淡い炎が現れて、あと一歩でも遅れていたら、恐らく即死していただろう。・・・・・・そんな異能力が放たれていた。・・・・・・本当に、この世は言ってしまえばクソだ。とにかく立場が上の人が弱者を殺そうとも・・・・・・そいつは罪に問われない。だから、弱者は毎日に怯えながら必死に生きていかないと行けない。俺に、異能力があったら・・・・・・”こんな世界を変えたいのに”。異能力を引き出すことが出来たら・・・・・・絶対に、俺はこんな世界を変えてやる。弱者も、強者も平等に生きれる世界を、創ってやる。・・・・・・そう誓った以上、俺はここで生き残らないといけない。必死に逃げているだけじゃだめだ。何か、打開策を考えないと・・・・・・。ただ、考えているうちにもソイツは攻撃することをやめない。
「すばしっこく逃げるなよ・・・・・・!!なら、絶対逃げれないような、そんな異能力で仕留めてやる」そう言った彼は、大きく息を吸い込みだし・・・・・・。
「槍雨」
その瞬間、空から数えきれないほどの槍の雨が降り注いだ。逃げようにも・・・・・・もう時間がない。一応ポケットに護衛用のナイフは忍び込ませてあるが・・・・・・。流石に、刃渡りが10cmも無いナイフ一つでは、この槍の雨から抜け出すことはできない。どうする。どうしたらいい・・・・・・?・・・・・・・・・・・いや、イメージをしろ。突然、その一つの案が脳内に語りかけられるかのように、そんな打開策を思い付く。今は、もう試すしかない。試して、失敗して・・・・・・死んでしまったらその時はその時だ。今は、とにかく動け。そうして・・・・・・・・・・・・・・・。




