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『無能』と言われてきた俺が”隻眼”になってしまった。  作者: 柴田優生


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興味

それから足早に日は過ぎ、瞬く間に試験当日がやってきていた。言われていた通り、無人島だった。目だったものもなさそうな、ただ草木が生い茂っただけの島だった。

「ここで一週間生活しろっていうのかよ・・・・・・」

まぁ、食料があるならまだましか。そうして・・・

「改めて、ルールを確認する。ルールは・・・・・・。わかったか?」

「はい」

「それじゃあ・・・」

そうして、開始の合図が鳴り響く。サバイバル経験なんか全くないが・・・・・・とにかく最初は食料を集めよう。もし奪われてもいいくらいには、食料があった方がいいだろう。そうして、食料を探し求めるのだった。

 夜、俺は最高の拠点で暖をとっていた。こんな島に、最高の拠点があるとは・・・・・・。思いもしなかった。近くには水があり、冷たい風が吹き込まない洞窟。これ以上の拠点があるものだろうか。しかもここは、人目につきにくい。だから、襲撃される心配も殆どないだろう。と言っても、気を抜くことはダメなことだ。いついかなる時でも、警戒はしないといけない。まぁ、今日は体力温存のために寝るとしようか・・・・・・。

 あの時から、私は違和感を感じていた。

「敵の食材を奪ったりする行為は可能だ」

一見、特に何の変哲もない文章に思えるだろう。しかし、私はその文章に疑問を抱いていた。何故なら、一週間生活できるだけの食料があるなら、奪い合いさせる意味がないから。そうじゃないだろうか?何故わざわざ・・・・・・そんな条件をいう必要があるだろうか?そう思った私は、この島にはそれほどな莫大な量の食料はないと睨んだ。だから、この試験は、ただのサバイバルの試験ではない。殺し合いはせずとも・・・・・・観測のようなものだろう。その事に気づいた私は、一日目の夜から行動を示していた。狙うは・・・・・・あの年中暇そうな無能の男。名前を確か・・・・・・夢叶大和と言ったか。あいつが、一番狙いやすい。なんていったって、最弱だから。あいつからだったら簡単に奪うことができるだろう。そう思って、私は彼を探した。探して、探して、ようやく・・・・・・彼を見つけることに成功した。

「中々やるじゃない」

生活するにしては、最高の拠点を見つけていた。だが、それで油断しているのか・・・・・・

「スヤスヤと眠りようて・・・・・・」

隙だらけだ。私は、この隙を見逃さない。刹那、私は能力を発動する。

 気持ちよく寝ていたら、ほんの少しだけ気配を感じた。が、感じたときにはもう遅く・・・・・・

「!!」

抵抗するまもなく、俺は見えない何かに縛り上げられていた。

「な、なんだこれ!?」

一体誰が。と思って、回りを見渡してみたところ・・・・・・

「えっ」

そこには、見知った少女が立っていた。

「隙がありすぎだよ。お陰で、サクッと食料を盗めそうでよかったよ」

「な、なんでお前が立っているんだよ・・・・・・」

「そんなことはどうでもいい。じゃあ、奪っていくね」

「ま、まて!!」

「その拘束を解除したいなら、がんばって異能力を発動させてごらん?」

そう言われても、俺はなにもすることができなかった。確かに、鍛練は積んでいた。が、それは意味を為さなかった。必死に抵抗しようとも、その何かはびくともしない。どうしようか。このままじゃ、なにもできずに盗まれてしまう。・・・・・・いや、盗まれてもいいんじゃないか?だって、生活できるほどの食料はあるのだ。仮に全部盗まれても、また狩りをすればいいんじゃないだろうか?

「盗ってけ。思う存分に盗ってけ。おれには知ったこっちゃない」

「え、えぇ・・・・・・?いいの?本当にいいの?」

「あぁ。いい」

まさかの返答に、思わず困惑をしてしまう。・・・・・・いや、まさか。こいつはその事に気づいていないんじゃないか?だから、食料は奪われてもあり余ってると思って・・・・・・そうなったら、都合がよい。そうして私は、すぐさま食料を奪おうとした。・・・・・・のだが。

「・・・・・・」

私は、立ち尽くすことしかできなかった。なんだろう。これほどにない・・・食料を奪う絶好の機会なのに、何故か私からは食料を奪おうという活力はわかなかった。なんでだろう・・・・・・考えても考えても、理由がわからない。しかし、気づけば私の口は動いていた。

「なにもわかっていないようだね。貴方、説明を聞いたとき、違和感を感じなかった?」

「違和感?」

そんなの、あるはずがない。ただ一週間無人島で生活するだけではないのか?

「その反応からして、何もわかっていないようすだね。・・・・・・全く、仕方ない。教えてあげるよ。実は、斯々然々で・・・・・・」

「そ、そんなはずが・・・」

でも確かに。言われてみれば辻褄が合うような気がする。だったら、そんなルールをいちいち言わないだろう。

「だから、私は最初は最弱のあんたから食料を奪おうって思ったんだよ。・・・・・・けど、何故か奪おうと思わなくなったの。一瞬にして」

「じゃあ、どうするんだ?」

「わからない。けど、思ったの。私は、貴方に興味が湧いてしまったんじゃないかって・・・・・・。救いたいんじゃないかって、思ったの。だから・・・」

そうして、彼女は思わないことを告げる。

「この一週間、一緒に生活しない?」

と。

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